夏に多肉植物を管理する際の注意点7つ!
高温多湿になりがちな日本の夏では、蒸れによる根腐れ・カビなどの対策を怠ると、多肉植物がダメージを受ける場合が多くあります。湿度が一気に上がると株自体が腐ってしまうこともあるため、特に夏の蒸れは多肉植物にとって天敵です。しかし、そんな夏越しもいくつかの注意点を守れば成功する確率がぐっと上がります。
梅雨にも要注意
日本では初夏にあたる「梅雨」も多肉植物の天敵です。じめじめとした空気と天気の悪くなりがちな気候によって株が蒸れやすく、多肉植物を弱らせることも多くあります。暑さの厳しい7月〜8月はもちろんですが、湿度の高い梅雨にも気をつけましょう。
注意点➀気温
夏の高い気温は、成長期が春と秋の「春秋型」や冬が成長期の「冬型」にとって天敵です。特に冬型の多肉植物の生育に適した気温は5℃〜20℃とされ、暑さが厳しい時期には弱る可能性が高くなります。また、暑さにある程度耐性のある夏型も、対策もなく真夏日に日向で管理することは難しく、30℃を超える気温になれば夏越し対策を取ることが必須です。真夏日が連日続くようであれば、遮光グッズを使用したり、気温の低い室内や温室へ移動させたりと対策をしましょう。
注意点➁湿度
多肉植物は乾燥にはある程度の耐性があるものの、高い湿度にはあまり耐性がありません。特に春秋型、冬型の多肉植物は高い湿度にさらされると、「溶ける」場合があります。溶けてしまった葉は戻ることがなく、ダメージでそのまま枯れてしまうこともあります。多肉植物が溶けることを避けるため、気温だけでなく湿度も合わせてチェックするとよいでしょう。
ボタニ子
「溶ける」とは多肉植物の内部の水分が腐って、葉や茎がジュレ状になったり変色したりすることだよ!
扇風機・サーキュレーターでの蒸れ対策
蒸れによるカビや変色などのリスクを徹底的に減らしたい場合は、扇風機・サーキュレーターの導入がおすすめです。小型のものでもある程度は風通しがよくなり、むわっとした空気を軽減してくれます。またビニール温室や寄せ植えなどの湿度が高くなりやすい環境では、サーキュレーターが風通しの悪さを改善してくれるでしょう。
注意点➂水やりの時間帯
夏の日中に水やりをすると土中の水分が高温になることで蒸れ、多肉植物に根腐れや変色などのダメージを与える場合があります。そのため、日の高く登っている日中よりも、16時〜18時頃の夕方に水を与えるとよいでしょう。特にポットや鉢は用土が少なく、気温が高い状況下にあると急速に蒸れやすいため、水やりの時間帯には要注意です。また、時間帯を変えるだけではなく、水やりの量を少なくすることでも蒸れのリスクを軽減できます。
カビや害虫などに要注意
どうしても高温多湿になりやすい日本では、夏にカビが発生する可能性が高くなります。土中に染み込んだ水を温床として、カビや害虫などが発生する場合が多く、特にハダニやカイガラムシが夏場には発生しやすい傾向にあります。カイガラムシは、すす病やウィルスなどを媒介することもあるため、心配な方は市販の防虫剤を使用するのがおすすめです。
ボタニ子
葉から水分を直接吸収させる「葉水」をすることで、葉についた害虫を落としたり予防したりできるよ!
注意点➃断水
多肉植物を夏越しさせる際に「断水」をする方もいるでしょう。その際、水やりを完全に断つのではなく、1ヶ月に1回ほどのペースで水を与えるのがおすすめです。冬型・春秋型の多肉植物に対して完全に水を断つと、株が弱ってしまいます。水やりの回数を「多すぎず少なすぎず」の状態にできると夏越しが失敗する可能性がぐっと減ります。
注意点➄直射日光
多肉植物の多くは気温による暑さに耐性がありますが、直射日光には強くありません。そのため、強い日光に長時間さらされ続けると、「葉焼け」や「高温障害」などが発生する可能性があります。葉焼けが起きると葉や茎の表面が茶色く焦げたようになったり、萎びたようになったりします。また、高温障害が起きた場合は、株が黄色く透き通ったようになることが多いです。これらは多肉植物に大きなダメージを与えてしまうため、遮光ネットや日除けなどで対策するとよいでしょう。
葉焼けした葉はすぐに取り除く
葉焼けした葉を発見したら、すぐに手で取り除いてください。いつまでも葉焼けした葉を残していると、株にダメージが残る可能性があるので、早めに取るとよいでしょう。また、取った葉は放っておくと害虫が寄ってくることもあるため、庭や用土の上などに捨てずに砕いて破棄するのがおすすめです。
注意点➅地面に近い場所での管理
地面に近い場所での管理は、アスファルトやコンクリートなどの熱が伝わりやすいためおすすめできません。コンクリート・レンガなどの地面は熱せられやすく、容易に多肉植物の周囲の気温を上げてしまいます。地面から発せられる熱を避けるため、多肉植物の鉢はなるべく高い場所に設置すると暑さで株が弱るリスクを減らせます。
地植えにしている場合
多肉植物を地植えにしている場合、鉢植えのように日陰や室内へ移動することができません。そのため、日当たりのよい場所に植えているなら日除けをするのがおすすめです。地植えの多肉植物は葉焼け・高温障害など直射日光の影響を受けやすいため、場合によってはダンボールなどをかぶせるのもよいでしょう。
ボタ爺
ダンボールは遮光性に優れ、移動や設置も簡単だから、手軽かつ効果的に多肉植物を守れるぞ!
注意点⑦寄せ植え
寄せ植えは株同士が密集しており、蒸れやすいため通常の鉢の多肉植物に比べて夏越しが難しくなってきます。室内・屋外ともに「水やり1ヶ月に1回ほど、半日陰での管理」が基本です。また、ベランダや軒下などどこで管理するにしても、扇風機・サーキュレーターを導入すると安心です。風通しの悪さや蒸れを軽減し、寄せ植えになるべく負荷がかからないよう調節できますよ。
出典:写真AC