チワワエンシスとは?
チワワエンシスとはベンケイソウ科エケベリア属の多肉植物で、メキシコのチワワ州原産なことに名前の由来があります。また、チワワエンシスは暑さや寒さの影響を受けにくい春と秋に成長期を迎える春秋型タイプです。ぷっくりとした葉から伸びるピンク色のツメはエレガントな印象を受け、秋にはツメだけでなく葉先もピンクに紅葉します。
ボタニ子
ボタ爺
ほかにもツメが特に赤い「ルビーブラッシュ」やスペインで発見された変異種である「スペシャルレッド」なども有名なんじゃよ。
チワワエンシスの特徴
特徴①丈夫で育てやすい
チワワエンシスの大きな特長のひとつに「丈夫で育てやすい」ことが挙げられます。もちろんほかの多肉植物と同様に高温多湿には注意が必要ですが、日々の管理は難しくなく多肉植物栽培が初心者の方でも失敗することは少ないでしょう。
ボタニ子
夏の暑さは30℃まで、冬の寒さは-6℃まで耐えられるんだって!
特徴②見た目がバラの花のよう
チワワエンシスは幾重にも重なる花びらをつけたバラの花のような見た目をしています。大きさに関わらず1株でも存在感がありますが、形の違うほかの種類の多肉植物との相性もよく寄せ植えにするのもおすすめです。
特徴③ツメがピンク色
丸くふくらんだ愛らしい葉の先につく「ピンク色のツメ」はチワワエンシスの大きな特長のひとつといえます。多肉植物によく見られる「ツメ」は鋭く攻撃的な雰囲気を醸し出すこともありますが、チワワエンシスは優しいピンク色をしていることから柔らかい印象を与えてくれます。葉の緑色とのコントラストも美しく、エケベリアの中でもファンがとても多い品種です。
ボタニ子
秋には紅葉が進んでツメの色がさらに濃いピンク色になるよ!通年かわいらしい見た目をしているけど、紅葉すると魅力がさらにアップするよ!
特徴③花が魅力的
花は釣鐘のような形をしており、長く伸ばした花軸の先にうつむき気味に咲く様子はとても魅力的です。環境にもよりますが開花時期は春がメインです。花色は赤や濃いオレンジ色で、葉の緑色とツメのピンク色があわさると不思議な美しさが広がります。花芽がついてから開花するまでには約1ヶ月かかりますが、待つ時間が長い分咲いた時の感動は大きいでしょう。
ボタニ子
チワワエンシスは毎年開花するわけではないんだって!開花時期は春がメインだけど、成長期である秋にも花を咲かせることがあるよ!
花が咲いたら摘み取ったほうがよいですか?
交配する場合は交配した花だけを残して、あとは摘み取りましょう。交配しない場合は、花がついている茎(花芽)ごとハサミで切り落としてください。特に成長点に花芽が付いたときは花に栄養が取られやすくなるため、早めに摘み取ることがおすすめです。
特徴④交配親にもおすすめ
見た目の愛らしさと丈夫な性質を持つチワワエンシスは交配親として重宝します。人気の高さから1000種類を越える交配種が生み出されました。数ある種類の中でもチワワエンシスと同じくエケベリア属のリンゲアナを交配して生まれた「桃太郎」という品種はチワワエンシスに見た目がそっくりで、こちらもまた高い人気を誇っています。
桃太郎との見分け方
チワワエンシスと桃太郎をはっきり見分けるには「花」を観察してみましょう。チワワエンシスの花は全体的にほっそりとしており、形は長めなのが特徴です。桃太郎の花はぷっくりと太く、短めなつくりになっています。花が咲くまで待てない場合には「葉」の様子も観察しましょう。チワワエンシスの葉は横幅が広いのに対して、桃太郎の葉はややスリムな印象を受けます。
ボタニ子
葉の形は生育環境や季節で様子が変わるから、100%見分けるのは難しいかも。購入時に確認するのが一番確実だよ!
チワワエンシスの育て方の注意点【①~④】
注意点①用土の種類
チワワエンシスは多肉植物なので乾燥に強いですが、ある程度の保水力が必要です。多肉植物用に配合されている市販の培養土を使うのが簡単でおすすめです。自作する場合は赤玉土に、排水力・保水力を高める鹿沼土、腐葉土を混ぜ込みましょう。多肉植物全般に使える配合「赤玉土3:鹿沼土3:腐葉土4」の割合でまず育ててみてください。
ボタニ子
排水性を高めたくても「鹿沼土だけ」「ゼオライトだけ」みたいな極端な配合は枯れる原因にもなるよ!
注意点②水やりの仕方
チワワエンシスの育て方の中でも大切なのが「水やり」です。チワワエンシスは乾燥に強く加湿状態を嫌います。水を与え過ぎると徒長や根腐れなどの枯れる原因になるので、水やりのタイミングに気をつけましょう。また、季節によっても与え方が異なるため注意が必要です。
春と秋
春と秋の成長期にはある程度の水が必要になるので、土がしっかりと乾いてから2~3日待って水やりしましょう。鉢底からあふれるほどたっぷり水を与えることで鉢内の不純物を洗い流す効果も期待できます。冬が近くなり気温が下がり始めたら、徐々に水やりの回数を減らしていきます。回数としては週に1回を目安にしてください。
夏
夏は成長が緩慢になる時期であり水をあまり必要としないので乾燥気味に管理します。月に1~2回の水やりで十分です。夏は蒸れを防ぐためにも水やりは夕方の涼しい時間にしてください。チワワエンシスは葉が密集しているため中心部は特に蒸れやすいです。地植えの場合は、葉の間に雨水が溜まったままにならないよう気をつけましょう。
冬
冬も夏と同様に休眠期なため月に1~2回程度の水やりのみで大丈夫です。水の量は夏よりもやや少なめにし、土表面が軽く湿る程度にとどめましょう。水やりをたっぷり行うと葉の水分が多くなり、凍って枯れることもあるため十分に注意してください。夜から朝にかけての気温が低い時間に水を与えると土が凍る場合があるので、冬は気温10℃以上の暖かい日に水やりしましょう。
ボタニ子
基本的には株元に水やりするけど、葉に直接水をかけることで害虫を落とす効果も期待できるよ!
ボタ爺
季節を問わず、中心部にある成長点に水が溜まったままにならないよう気をつけるんじゃ!水が溜まったままだと、蒸れて枯れる場合があるぞ!
注意点③置き場所
チワワエンシスは太陽の光を好むため日当たりのよい場所で管理します。さらに蒸れやカビを防ぐために、風通しのよい場所を選びましょう。日がよく当たるように、基本的には室内ではなく外での管理がおすすめです。ただし強い西日や直射日光は葉焼けなどのトラブルにつながるため、時間帯によって鉢を半日陰に移動させるか遮光をしましょう。
ボタ爺
日当たりのよい場所に置くことは育て方の中で大事なポイントじゃ。徒長してヒョロヒョロにならないためにもしっかり日光浴させるんじゃよ!
ボタニ子
レース越しくらいの光の強さがピッタリだよ!地植えする際は植え付け前にしっかりと環境を確認してね!
注意点④肥料を与える場合
チワワエンシスは葉に栄養を蓄えられないこともあり肥料をあまり必要としません。与える場合は春と秋に1回ずつ程度にとどめましょう。多肉植物・サボテン用の肥料を薄めに希釈して与えると失敗が少ないでしょう。夏は腐敗や根腐れの原因に、冬は休眠期で肥料を吸収せず土にたまってしまい根にダメージを与えやすくなるため追肥は避けてください。
ボタニ子
肥料の与え過ぎは枯れる原因にもなるよ!株が広がり形が崩れる原因にもなるんだって。頻繁に追肥するのは避けてね!
ボタ爺
次も引き続き、チワワエンシスの育て方の注意点について説明していくぞ!
日本で流通しているチワワエンシスは主に「イェコラ」と呼ばれる種類のものなんだって!