はじめに
みなさんは、アロエが美容や健康にどういう効能、効果があるかをご存知ですか??アロエヨーグルトやアロエを使ったドリンク、クリームや軟膏、パックなど案外身近にアロエを使った商品はたくさんあります。今回この記事では、アロエが美容や健康にどんな効能や効果があるか、アロエの品種や正しい摂取方法などをご紹介していきます。
ボタニ子
ボタ爺
まずは、アロエって何?の疑問を解決する「アロエの概要」から紹介するぞ!
アロエの概要・品種
アロエの基本情報
名 | アロエ | 草丈 | 2cm~200cmほど |
科名 | ススキノキ科アロエ属 | 形態 | 多年草もしくは木本 |
原産地 | 南アフリカ原産 | 耐寒/耐暑 | 品種により異なる |
開花期 | 12月~2月(品種による) | 花の色 | 赤、オレンジ、黄色など |
アロエは、日本には鎌倉時代に伝わったとされ、古くから化粧品や薬として役立ってきた多肉植物です。赤や黄色の立派な花を咲かせ、現代では薬用・食用・鑑賞用として栽培されています。品種は実に500種類以上もあるといわれ、低木なものから高木のもの、茎があるものとないものなど形態はさまざまです。今回は、薬効もある有名な2種類のアロエを紹介します。
アロエの品種① キダチアロエ
キダチアロエは、日本の温暖地方に自生している品種です。「医者いらず」といわれるアロエですが、たくさんの品種の中でもキダチアロエはダントツで健康・美容効果が期待されます。血糖値を正常にし糖尿病を防いだり、火傷や傷の悪化を防ぐ炎症を抑える作用や、胃の粘膜保護をし胃潰瘍を防ぐなど、美容・健康ともに優れた効果が期待されます。葉肉はやや薄めで苦味が強いため、食用には不向きです。
キダチアロエの花
ボタニ子
わっ!すごい真っ赤できれいなお花~!アロエってこんな大きい花が咲くんだね!
ボタ爺
キダチアロエは、古くから薬用・化粧品として馴染みがあるアロエじゃよ。
キダチアロエのポイント
- 火傷に効果がある成分はキダチアロエにだけ含まれる
- 苦味が強く食用には向かない
- 葉肉はやや薄め
アロエの品種② アロエベラ
アロエベラは、肉厚の葉肉をもち、キダチアロエよりも大きい品種です。アメリカで流行したことから日本にも伝わり、今や日本でアロエと言えば「キダチアロエ」、「アロエベラ」が有名です。キダチアロエとほぼ成分は同じですが、アロエベラの方が作用はゆるやかといわれています。葉肉の味にクセや苦味がないため、食用のアロエといえばアロエベラがポピュラーです。
アロエベラの花
ボタニ子
アロエベラの花は黄色くて、なんだか小さなバナナみたいだね!葉肉も大きいのが写真で伝わるね!
ボタ爺
面白い花じゃな~!キダチアロエとくらべると、アロエベラは大きいんじゃよ。葉肉も厚みがあるぞ。
アロエベラのポイント
- 作用はキダチアロエに比べ穏やか
- 葉肉は肉厚で大きい
- 主に食用のアロエはアロエベラ
アロエに含まれる成分
成分名 | 効能・効果(作用) | 特記事項 |
アロイン | 健胃・便秘解消 | 葉の緑部分に多く含まれる 医薬品の扱い |
アロエチン | 殺菌・解毒・鎮静作用 | 吹き出物などにも有効 |
アロエウルシン | 抗潰瘍作用 | キダチアロエのみに含まれる |
アロエエモジン | 健胃・解毒・瀉下作用 | 生薬として用いられる |
ボタニ子
アロエの成分…全然馴染みのない成分ばかりだね!ボタじい、教えて~!
ボタ爺
野菜や果物と違って、植物の成分じゃからな!今回は、アロエに含まれる一部の成分を解説していくぞい!
アロエの成分① アロイン
アロエの葉の緑の部分には「アロイン」という成分が多く含まれています。アロインは、胃腸を活性化させる作用があり、便秘解消や胃を健康にする効果が期待されます。アロインは作用が強く、医薬品として扱われています。そのため、食品としてのアロエは緑の表皮を取り除いた葉肉部分だけにする必要があります。
ボタニ子
なるほどね、だから食用は透明の葉肉部分だけを使っているんだ!
ボタ爺
健康や美容にはいいんじゃが、アロインは刺激が強いから妊婦はアロエの摂取に注意が必要じゃぞ。
ただし、過剰摂取により子宮が圧迫されるので、妊婦は摂取に注意が必要。また、過度に摂取すると必要以上にお腹がゆるくなることがある。
アロエの成分② アロエチン
「アロエチン」は殺菌力が強く、抗菌作用や解毒作用があるとされています。この効能により風邪予防や炎症の鎮静効果が期待されます。また、吹き出物や肌荒れを抑えたりシミのもとになるメラニン色素の沈着を抑えるはたらきがあるともいわれます。
ボタニ子
美肌効果にもはたらきかけてくれるんだね!
アロエの成分③ アロエウルシン
「アロエウルシン」とは、キダチアロエにのみ含まれる成分です。アロエウルシンには細胞の再形成を促す効果や抗潰瘍作用があり、火傷などをした際にキダチアロエの断面を傷口に当てておくことでダメージを受けた細胞を再形成し、皮膚の修復を早めます。ただし、ひどい火傷の場合はすぐに病院を受診するようにしましょう。
組織の再形成を促進する作用があり、抗潰瘍作用があるとされる。また、細胞を再形成を促進する事から外用により火傷の治療作用もあるとされる。なお、アロエウルシンはキダチアロエには含有されているが、アロエベラには含まれていない成分の一種である。
アロエの成分④ アロエエモジン
「アロエエモジン」は殺菌効果が強く、体内に侵入した細菌から身を守るはたらきがあります。アロエエモジンと共存しているアンスロン誘導体に瀉下(しゃげ)作用があり、便秘解消として効果が期待されます。また、抗がん活性があることも2012年に報告されています。
ボタニ子
瀉下作用…?瀉下薬ってなに?
ボタ爺
瀉下(しゃげ)薬とは、下剤や便秘薬のことじゃよ。すなわち、瀉下作用とはお通じを助ける作用のことじゃな。
アロエの美容・健康への効能効果
アロエの美容・健康への効能効果① 火傷
ボタニ子
「アロエウルシン」が火傷のダメージを修復してくれるんだよね♬ 火傷をしたら、すぐにキダチアロエの断面を付けるといいよ!
ボタ爺
アロエウルシンはダメージを受けた細胞組織を活性化させて修復してくれるんじゃよ。ただし、この成分は「キダチアロエ」にのみある成分じゃから、どのアロエでも火傷にいいってわけじゃないぞ!
アロエの美容・健康への効能効果② 美肌効果
ボタニ子
アロエの抗菌作用でニキビや吹き出物には効果が期待できるね!他にも美肌効果ってあるの?
ボタ爺
そうじゃな。アロエは水分が豊富で保湿効果もあるからな。アロエの美容クリームなんかは有名じゃぞ。
ボタニ子
保湿効果もあるなんて、万能だね!夏の日焼けした肌でもアロエはひんやりして気持ちいいんだよね~
ボタ爺
あとメラニン色素の沈着を防いでくれるからシミ対策にももってこいじゃ♬
アロエの美容・健康への効能効果③ 整腸効果
ボタニ子
アロエに含まれる「アロイン」「アロエエモジン」は胃腸の健康維持、便秘解消に有効なんだよね?
ボタ爺
そうじゃよ!胃もたれにもいいんじゃ。便秘気味の人は、アロエエモジンの瀉下(しゃげ)作用でお通じもよくなるぞ。
アロエの美容・健康への効能効果④ ダイエット
ボタニ子
アロエってダイエットにも効果的なの??便秘が改善されるから…?
ボタ爺
便秘解消以外にも、アロエには血糖値を下げる効果があるんじゃよ!糖尿病に用いられるインスリンと同じ作用が期待されるんじゃ!
アロエの中身・多肉質を与えると、それがインスリン様の働きをする(マウスの実験より抜粋)
アロエの美容・健康への効能効果⑤ 湿疹や皮膚炎
ボタニ子
アロエに抗菌作用があるから、ニキビや吹き出物には効果があるのはなんとなくわかるけど。湿疹にも効果があるの?
ボタ爺
そうなんじゃよ。アロエには保湿・鎮静作用もあるから湿疹や皮膚炎にも効果があるといわれるんじゃ!
ボタニ子
乾燥性の湿疹やかゆみにも効果がありそうだね!
ボタ爺
そうじゃな。でも、中にはアレルギー反応を起こす人もいるから心配なときは皮膚科へ行くんじゃぞ!
アロエの美容・健康への効能効果⑥ 風邪予防
ボタニ子
アロエの成分の「アロエチン」が、抗菌作用が高くて風邪予防にもなるんだよね?
ボタ爺
そうじゃよ。風邪以外にも、体内に侵入した細菌をやっつけてくれる効果があるから、毎日でも摂取したいのう。
確かに、アロエって身近な植物かも!おばあちゃんも庭に植えていたな。