10月に植える・植えられる野菜について
10月に植え付けることができる野菜はあります。しかし、10月に種や苗を植えたりしたあとは、晩秋に向かって気温が下がっていく一方です。植え付けの適期から遅れてしまうと、気温が低くて十分に成長できないまま冬を迎えます。まずは、10月に栽培するうえで、押さえるべき点を覚えておきましょう。
植え付け適期を守る
どのような野菜でも植えられるわけではありません。10月の気候でも栽培できる野菜の種まきや苗の植え付けましょう。同じ野菜の中でも遅い時期に植えられるものもあるため、植えるタイミングにあわせて品種選びするよう注意が必要です。
寒さ対策をする
10月に植えられる野菜は、涼しい環境を好む野菜が多いです。しかし、真冬の寒さや霜に当たると弱ってしまうものもあり、マルチやビニールトンネルなどの寒さ対策が必要です。少々の手間は掛かかりますが、寒さ対策をしっかり施すことで栽培期間も長くなります。
10月に植える・植えられる野菜①ソラマメ
ソラマメは春を代表する野菜ですが、植えるのは10~11月の秋です。半年ほど栽培し、5~6月に収穫期を迎えます。市販のソラマメは鮮度が落ちやすいですが、家庭菜園で育てれば新鮮な状態で食べれます。新鮮なソラマメはクセもなく美味しいのが大きな魅力です。
科目 | マメ科 |
連作障害 | あり(3~4年あける) |
発芽適温 | 15~20℃ |
生育適温 | 15~20℃ |
適正土壌酸度 | pH6.5~7.0 |
植え付けの間隔 | 30~40cm |
育て方のコツや注意点
種まきの時期を守る
ソラマメの苗は、小さなうちは耐寒性がありますが、大きくなると耐寒性が劣ります。そのため種を早くまきすぎると、冬を迎えたときに大きく成長しすぎていて、冬を越せなくなります。種まきの適期は地域によることから、園芸店などで確認し、必ず適期に種まきをしましょう。
アブラムシ対策をする
ソラマメには、春先にアブラムシがつきやすくなります。植え付け後に、寒冷紗か防虫ネットを掛けてアブラムシの飛来を防ぎましょう。万が一被害にあった場合は、早めに市販の殺虫剤をまいて対処してください。また背丈が70cmほどになったら、茎の先端を摘み取ることで、先端付近のアブラムシを除去できます。
プランターでの簡単な育て方
ソラマメは草丈が高くなるため、プランターで育てる場合は安定感のあるものを用意しましょう。ベランダの手すりなどに支柱を固定すると、より安定感が増します。またソラマメの種子は野菜の中でも高価なため、プランターで少量栽培する場合は苗を購入するのがおすすめです。
10月に植える・植えられる野菜②小カブ
小カブは栽培期間が30~50日と短く、家庭菜園初心者の方でも比較的簡単に育てられます。9月ごろから種まきシーズンに入り、年末ごろまで収穫できます。春にも栽培できますが、秋のほうが害虫の被害が少ないため育てやすいです。小カブには各地方の伝統品種が多く、お気に入りの品種を選んだり、複数の種類を育てたりするのもおすすめです。
科目 | アブラナ科 |
連作障害 | あり(1~2年あける) |
発芽適温 | 15~25℃ |
生育適温 | 15~25℃ |
適正土壌酸度 | pH6.0~6.5 |
種まきの間隔 | 1~2cm |
育て方のコツや注意点
間引きながら育てる
小カブは種を密にまいたほうが生育がよくなりますが、成長とともに間引きが必要です。隣同士が触れ合うようになったら段階的に3回ほどに分けて間引きましょう。小カブの茎は折れやすいため、残す株の茎を傷めないように注意して間引いてください。
収獲適期を見極める
小カブは収穫時期が遅れると裂果したり、スが入ったりするため適した時期に収穫しましょう。直径5~6cmで収穫するものが多いですが、品種によって少しずつ違うため種袋の説明文を確認してください。成長速度には多少バラツキがあることから、適したサイズになったものから間引くように収穫していきます。
プランターでの簡単な育て方
小カブをプランターで育てる場合は、なるべく底面積の大きなものを選ぶとたくさん育てられます。また、少し多めに種まきして間引菜を利用すると、スペースの有効活用にも繋がります。種をまいた後は、防虫ネットでプランターごとおおって害虫対策をしてください。
10月に植える・植えられる野菜③ラディッシュ
ラディッシュは別名「二十日大根」と呼ばれるとおり、栽培期間がとても短い野菜です。実際には30日ほど掛かりますが、真夏と真冬を除いて栽培可能で、育て方も簡単なため家庭菜園初心者の方におすすめです。カラフルな品種が多く、複数栽培して調理すると料理の彩りがよくなります。
科目 | アブラナ科 |
連作障害 | 可能 |
発芽適温 | 15~30℃ |
生育適温 | 15~30℃ |
適正土壌酸度 | pH5.5~6.5 |
種まきの間隔 | 1~2cm |
育て方のコツや注意点
害虫対策をする
ラディッシュはアブラナ科の野菜で、アオムシなどの害虫被害を受けやすいです。10~11月になると涼しくなり害虫の活動も少なくなりますが、しっかりと害虫対策を施しましょう。種をまいたあとに防虫ネットを張ると被害を防げます。またレタス類や春菊などのキク科の野菜と混植すると、忌避効果が期待できます。
すらしまきをする
ラディッシュは成長が早く、一度に種まきをすると、一気に収穫時期が来ます。収穫が遅れると裂果したり、スが入ったりして食味が落ちてしまいます。そのため、少しずつ時期をずらして種をまくと、長い間収穫し続けられておすすめです。
プランターでの簡単な育て方
ラディッシュは少ないスペースで栽培できるため、プランター栽培に最適です。プランターのサイズも問わず、自宅の栽培スペースにあわせて選べます。また、根や葉もそれほど広がらない性質で、ほかの野菜のプランター内でも育てられます。一度にたくさん消費することも少ないのため、少しずつ隙間を見つけて育ててみるのもよいでしょう。
出典:写真AC