冬の家庭菜園は土づくりが重要
どんな植物を育てる場合でも土づくりは大切ですが、中でも秋冬の家庭菜園においては、耕作や土壌pHの調整などの土づくりが重要となって来ます。なぜなら秋冬の野菜に根の部分を食用とする根菜類が多いことや、酸性土壌では育たない、あるいは育ちにくい種類が多く存在するためです。
冬の家庭菜園の土づくり
冬は土壌改良を行う絶好のタイミングとなります。植え付け前の気温の下がった時期に畑の土を耕すようにしましょう。土を耕すことで、多くの酸素が土の中へ行きわたることにより、土の中に潜んでいる病原菌や害虫などを駆除する事ができます。また、土中の酸素量の増加は根の成長や肥料の効果にも、大きなプラス効果をもたらします。
土壌pHの調整
多くの植物は酸性の土壌では育ちにくく、中でも冬に家庭菜園を楽しめる野菜の多くは酸性の土壌では育たない種類や育ちにくい種類が多く存在します。そのため、石灰類を撒いて土壌pHを調整する必要があります。主に使われる石灰類には苦土石灰と消石灰があります。
消石灰
消石灰は少量を土に混ぜることにより土をアルカリ性にする効果がある他、カルシウム分の補給や土壌を殺菌する効果があります。アルカリ分も高く即効性もある一方、肥料と同時に使用するとアンモニアガスが発生してしまうなどの短所もあります。使用するときは適切な量を計る必要があるなど簡単ではないため、使用するにはある程度の経験が必要です。
苦土石灰
苦土石灰は石灰にマグネシウムが加えられたもので、土壌pHの改良とカルシウムの補給に加え、葉緑素の形成に不可欠なマグネシウムの補給もできるのが特徴です。効き目が緩やかで長く効果がある一方、土壌pHの調整は消石灰に比べてやや弱くなります。多少多めに撒いたとしても安全なため、家庭菜園初心者の土壌改良剤に適しています。
肥料
野菜をおいしく作る上で肥料は欠かせない存在です。畑を耕した後、苗植えなどをする1週間前くらいに行う元肥や、育ててる途中に行う追肥などは重要なポイントとなります。
元肥
元肥とは、苗植えや種まきの前に土へ施しておく肥料を言い、生長を止めないために行う性質のものなので、効果がゆっくりと現れる肥料が使われます。腐葉土やたい肥、油かすなどが主に使われますが、根菜類の多い秋冬の家庭菜園では、完熟たい肥を使うと良いでしょう。
完熟たい肥
- 枯れ葉や木くずなどの素材が、よく分解され発酵しているたい肥のこと。肥料くずなどが少なく、効き目も緩やかなので、初心者には特に向いている。
追肥
追肥とは植物の成長段階にあわせて、必要な栄養素を補うために与える肥料を言います。家庭菜園などでは、すぐに効果の現れる化成肥料や液体肥料などが利用されますが、何を選べば良いのか分からないといった初心者の場合、市販の野菜専用の肥料などを使うと簡単です。
冬の家庭菜園では日当たりにも注意!
日照時間の短い秋冬は、陽の光を浴び光合成を行う植物の生育には厳しい季節となります。秋冬に植える野菜にも日当たりの良い場所を好む種類の野菜もあり、中でも寒さにも弱いそら豆のような野菜は植える場所などに注意が必要となります。育てようとする野菜の生育と日当たりとの関係を十分把握し、植える場所やプランターを置く場所などに注意を払いましょう。
日当たりが悪い場合
秋冬に育てる野菜の中には、ほうれん草やブロッコリーなどのように日当たりの良くない場所でも育つ野菜もあります。集合住宅のベランダなど限られたスペースしかない場合、与えられた条件下で生育できる種類の野菜を選定し、家庭菜園を楽しむようにしましょう。
まとめ:冬の家庭菜園はポイントをつかんで楽しむ
秋冬の家庭菜園は土づくりや日当たり、あるいは苗植えや寒さ対策などのやることが多く、簡単とは思えない感覚もあります。しかし苗植え時の注意事項などのポイントをきちんと押さえておけば、初心者にでも不可能ではない内容でもあります。冬の家庭菜園のポイントを押さえ、家庭菜園を楽しむ幅を広げましょう。