アイビーとは
アイビーは常緑性のつる性植物で、愛らしい葉と仕立てやすさから観葉植物として人気が高いです。耐寒性・耐暑性・耐陰性が強く、夏越しや冬越しなどの季節ごとの対策が不要で栽培が容易であることから、観葉植物初心者の入門用植物としても栽培されてきました。ほかの植物とも相性がよいため、寄せ植えやフラワーアレンジメントなどにもよく利用されています。
アイビーの基本情報
学名 | Hedera |
科名・属名 | ウコギ科キヅタ属 |
別名 | 木蔦(キヅタ)、ヘデラ |
原産地 | 北アフリカ、ヨーロッパ、アジア |
園芸分類 | 観葉植物 |
形態 | つる植物 |
草丈・樹高 | 10m以上(つるの長さ) |
特性・用途 | つる性、常緑性、耐寒性・耐暑性・耐陰性が強い |
名前の由来
アイビー(ivy)は英語名です。古い英語の「ifig」に由来しています。「ifig」の意味はよくわかっていません。しかし、アイビーのドイツ名「イーフォイ(Efeu)」の語源である、古いドイツ語の「phihouwi」と同じ意味であるという説があります。「phihouwi」の意味は「永遠の干し草」です。
アイビーの学名で別名でもある「ヘデラ(Hedera)」は、ラテン語の「haerere」、ギリシャ語の「hedra」に由来しています。
「haerere」の意味は「しがみつく」、「hedra」の意味は「座る」「葉が密生する」だよ。アイビーの特徴や性質にちなんだ名前なんだ。
アイビーの花言葉
花言葉①永遠の愛
アイビーの花言葉「永遠の愛」は、アイビーの性質からつけられたものです。つる性植物のアイビーは木や壁などにつるを伸ばし、成長していきます。常緑性なので、季節によって葉色が変化することもなく、丈夫なので枯れることもほとんどありません。この性質から、永遠に変わらない愛情を意味する花言葉がつけられました。
花言葉②結婚
「結婚」の花言葉は、アイビーが古くから結婚式に利用されてきた歴史に由来しています。昔のヨーロッパには、結婚式場をアイビーで飾る風習がありました。アイビーのほかの木や岩石にしっかりとしがみついて成長する性質と、季節が変わっても緑をたもち葉が変わらない絆、そして長く伸びたくさんの葉を茂らせるつるが、一族や子孫の繁栄を表すものと意味づけられたからです。
古代ギリシャには、女性が結婚したい男性にアイビーを贈る慣例があったそうですよ。
現在でもアイビーは永遠の愛や友情の象徴として、ウェディングの花飾りなどに用いられているんだよ。
花言葉③友情
「友情」という花言葉は、アイビーの性質に由来しています。アイビーのつるは、ただ対象物にからみつくだけではありません。根を張ってさらにからみつく力を強くし、成長・繁殖します。このため一度アイビーがからみつくと、なかなか引きはがせません。この性質が「容易に切られない強い絆」「強く固い信頼関係」と意味づけられました。
花言葉④不滅
「不滅」の花言葉は、アイビーが強い生命力を持つ常緑性植物であることに由来しています。常緑性であるアイビーの葉色は、季節が移りかわっても緑色のままです。しかも非常に生命力が強いため、めったに枯れません。この性質が「永遠に変わらない」という意味を持つ「不滅」の花言葉を生んだのでしょう。
花言葉⑤死んでも離れない
花言葉「死んでも離れない」は、アイビーの樹木や壁に一度でもからみつくと、簡単にはがせなくなる性質に由来しています。アイビーのこの性質は、非常に強い愛情や信頼関係の象徴とされる一方で、「死んでも離れない」という花言葉のような過剰な愛情や執着の念を連想させたのでしょう。
西洋のアイビーの花言葉
①friendship(友情)
「friend ship」はアイビーの西洋の花言葉で、意味は「友情」です。日本の花言葉と同じく、アイビーのほかの植物や無機物に強くからみつき、容易にはがせない性質を「強く固い絆」にたとえました。
②fidelity(忠実・貞節)
「fidelity」の意味は「忠実」「貞節」です。アイビーのつるが根を張りながら、着実に伸びていく様子を、主人に一途に仕える部下、または夫を健気に支える妻にたとえたのでしょう。アイビーのようなつる性植物は、対象物にしっかりと巻きつき成長する性質と、生命力が強く常緑種が多いことから、強い愛情や信頼、固い絆を意味する花言葉をよくつけられます。
③marriage(結婚)
「marriage」は英語で「結婚」という意味です。ヨーロッパでは古くからアイビーを永遠の愛情の象徴として用いていました。アイビーで結婚式場を飾る風習もあったほどです。現在でもウェディングの花飾りでアイビーを使います。このように、アイビーは結婚式と非常に深い関係があることから、西洋でも「結婚」の花言葉がつけられました。
④weddedlove(夫婦愛)
「wedded love」というアイビーの西洋の花言葉の意味は「夫婦愛」です。アイビーの樹木や壁などにしがみつき、枯れることなくグングンとつるを伸ばしていく性質を、互いを支えあい、愛情を枯らさず育み続けていく夫婦の理想像にたとえました。アイビーが古くから結婚と深い関わりを持つ植物であることも関係しているでしょう。
アイビーの特徴
特徴①葉のバリエーションが豊富
アイビーは観葉植物として非常に人気が高い植物です。その理由は葉のバリエーションの豊富さにあります。明るい緑色やシックな深緑色、斑入りの葉を持つ品種もあり、葉色だけでも品種によって印象がガラリと変わるのが大きな特徴です。かわいいハート型の葉を持つ品種や、秋の季節に入ると紅葉する品種もあります。バリエーションが豊富なので、好みや用途に応じた品種選びができるでしょう。
特徴②風水では縁起物
観葉植物は、風水では縁起物とされている植物です。アイビーも風水では運気を上げる観葉植物とされ、飾った場所によいエネルギーをもたらす効果があると定義されています。おすすめの場所はトイレです。トイレは邪気がこもりやすいため、アイビーのような強いエネルギーを持つ植物を置くと邪気が祓えるといわれています。
アイビーは丈夫で耐陰性もあるため、日光が入りにくい場所にあることが多いトイレでも管理しやすいんですよ。
トイレに置いたアイビーは、週に3回ほどレースカーテン越しに日光浴させると問題なく育つよ。
特徴③花はめったに咲かない
アイビーは花よりも葉を楽しむ植物です。そのため花をつけない品種もあります。また、開花する品種でも数年育って充実した株にならないと開花しません。花もあまり目立たず、開花期間も約1週間と短めです。このためアイビーの花はめったに見られません。
ちなみにアイビーの開花時期は9月~12月です。季節でいえば秋~冬ですね。
特徴④旺盛な生命力と繁殖力
アイビーが栽培が楽な植物とされているのは、非常に強い生命力と繁殖力を持つためです。しかし、アイビーの長所といえる生命力と繁殖力も、場合によっては致命的な欠点となります。アイビーはグランドカバーとして地植えにすることもありますが、管理を怠るとどんどん繁殖してしまうからです。放置していると数年で地面ばかりか、周囲の樹木や外壁にもからみついて浸食してしまいます。
次は「アイビーの上手な贈り方」だよ。
出典:写真AC