ツリガネソウってどんな花?
ツリガネソウ(釣鐘草)はキキョウ科ホタルブクロ属の植物で、花が小さな釣鐘に似ているのでこの名前がつきました。別名カンパニュラとも呼ばれていて、お花屋さんや園芸店でよく見かけますね。育て方も難しくないので初心者でも安心です。開花時期は5月~7月で、多年草ですが中には1〜2年草の品種もあります。
ツリガネソウの育て方は?
植え場所
日当たりがいい場所に植える
ツリガネソウは湿気が少なくて日当たりがいいところ、そして風通しのいいところを好みます。日当たりがよくないと開花が少なくなってしまうので、半日以上は日が当たる明るい場所に植えてください。
風通しがいい場所に植える
ツリガネソウは湿気が苦手なので風通しのいいところに植えましょう。風通しが悪いと蒸れて病気にかかりやすくなります。葉が混み合っているようであれば、何枚か切り落としてやるといいですね。
根を傷つけないように植える
買ってきた苗はそっとポットから抜き取りましょう。ツリガネソウは一本の太い根が伸びていく品種なので、その根を傷つけてしまうと生育に支障が出てしまいます。深めに穴を掘って植えるといいですね。
用土と肥料
どんな土がいいの?
ツリガネソウを栽培するための用土は、赤玉土と腐葉土を3:2の割合で混ぜたものを用意してください。保水がよく水はけがいい土が向いています。
どんな肥料がいいの?
肥料は一般的によく使われている緩効性の化学肥料を使います。元肥えとして苗を植え付けるときに、その後の追肥として春と秋の季節に与えやるといいでしょう。
水やり
水のやりすぎには注意して!
ツリガネソウは湿気が苦手なので、水をやり過ぎないように気をつけましょう。地植えは夏場以外は毎日水やりをしなくても大丈夫です。鉢植えは地面が乾いてきたらたっぷり水をあげてください。どちらかというと乾燥気味に管理するのが栽培のポイントです。
季節の管理
夏の暑さには弱い!
ツリガネソウは暑さが苦手なので、夏の季節は気温管理に気をつけましょう。鉢植えは強い日差しを避けられるような涼しい場所に移動することをお勧めします。
冬の寒さには強い!
逆にツリガネソウは寒さには強いので、冬の季節はそのまま外に出しておいても大丈夫です。ある程度低い温度を過ごさせる方が花芽が付きやすくなって開花が多くなります。
増やし方
ツリガネソウは一年草は種まきで、多年草は株分けで苗を増やすことができます。
種まきする
花が終わると7~8月頃に種ができるので収穫しておき、10月頃に種まきします。赤玉土を入れたボットに2~3粒種まきして、芽が出たら元気な1本だけ残して本葉が出るまで待ちます。苗がしっかり丈夫になってきたら庭や植木鉢に植えましょう。
株分けする
株分けする場合は秋から冬にかけて行います。大きな株は小さく小分けして、株から伸びた根の先に小さな子株ができていたらそれを切り分けて、庭や植木鉢に植えましょう。たっぷり水をかけて土となじませれば大丈夫です。
ツリガネソウの花言葉は?
「感謝」「誠実」「貞操」
もともと地中海地方で栽培されていたので、ツリガネソウの花言葉はキリスト教と深い関係があります。教会の鐘に似ているツリガネソウならではですね。「感謝」「誠実」「貞操」、どれも大切な人に想いを込めて贈りたいあなたにぴったりの花言葉です。
ツリガネソウの種類は?
ツリガネソウは300種類以上ある!
地中海原産のツリガネソウの仲間は、西アジアから地中海にかけて300種類以上の品種があります。ここではそんな中からいくつか選んで、その品種別の特徴と簡単な育て方のコツをご紹介します。
カンパネラ・メディウム(風鈴草)
カンパネラ・メディウムはツリガネソウの中では一番馴染み深い花と言えるでしょう。お花屋さんでも切り花としてよく見かけます。ふっくらふくらんだ花の姿が風鈴によく似ているので、和名で風鈴草と呼ばれます。この花は2年草で、背丈は60cmから高いものでは1mぐらいまで育ちます。
育て方のコツ
- 背が高くなるので支柱で支える
- 花が咲いた後に種ができるので収穫して秋に撒く
カンパネラ・プンクタータ(ホタルブクロ)
カンパネラ・プンクタータはホタルブクロという名前でよく知られています。蛍を捕まえてこの花の中に入れて持ち帰った、ということからホタルブクロと呼ばれています。蛍が花の中で光を放つ様子を想像すると、とてもロマンチックですよね。花の色は白や赤紫、とても強い多年草なので植えっぱなしでも大丈夫です。
育て方のコツ
- 地下に根を広げてどんどん広がっていくので、広いスペースに植える
- 湿気に弱いので水をやり過ぎない
カンパネラ・フラギリス(ジューンベル)
カンパネラ・フラギリスは多年草で星形の青い花が株をおおうようにコンパクトに咲きます。釣り鉢に植えると花がしだれるように咲いてきれいですよ。ジューンベルという名前で春先に園芸店で売られています。
育て方のコツ
- 花や葉が混み合っているので、水をやり過ぎない
- 花がらをこまめに摘む
カンパネラ・パーシフォーリア(モモバキキョウ)
カンパネラ・パーシフォーリアはモモバキキョウという別名があり、花がキキョウに、葉が桃の葉に似ているのでこう呼ばれています。丈夫な多年草で、山林などで自生しているのを見かけることもあります。花の色は白や薄紫、背丈も1m近くまで伸びます。
育て方のコツ
- 暑さに弱いので、涼しい場所で管理する
- 背丈が高くなるので支柱で支える
球根のツリガネソウは品種が違う?
シラー・カンパニュラータ
この花はツリガネソウとよく似ているので、球根ツリガネソウとも呼ばれていますが、実はキジカクシ科ツリガネズイセン属なので別品種になります。球根を植えるとどんどん増えて植えっぱなしでも大丈夫で、こぼれ種が新たに球根を作って庭のあちこちから芽が出てきます。
育て方のコツ
- 強い性質なのでほかの植物の妨げにならないように気をつける
ツリガネソウの歌
『スコットランドのつりがね草』(The Blue Bells of Scotland)
『スコットランドのつりがね草』(The Blue Bells of Scotland) はスコットランドの歌で、戦地に行ってしまった恋人を待つ女性の気持ちを切々と歌っています。メロディーに聞き覚えがある方も多いのではないでしょうか?いつの世も戦争は悲しい出来事、世界から戦争が消えてなくなることを心から祈りたいですね。
まとめ
ベルのような可愛い花が咲くツリガネソウは、知れば知るほど魅力にあふれた花ですね。ふっくらしたその花姿を見ていると、花の中で妖精がお昼寝しているかもしれない…とメルヘンの世界に迷い込んだようで、温かく優しい気持ちに満たされます。そんなツリガネソウをぜひあなたも育ててみませんか?
出典:筆者撮影