はじめに
鉢植えのサボテンは、すっかり身近な存在ですね。なんといっても乾燥に強く、水やりができなくても枯れる心配が少ないのが長所です。緑色の武骨な形にとげがあるというイメージのサボテンですが、その花は色鮮やかで美しく、好まれる理由にもなっています。種類別に花言葉もあるのは知っていましたか?
サボテンの花言葉①クジャクサボテン
クジャクの羽のように美しい花を咲かせることが、名前の由来とされるクジャクサボテンですが、どんな意味を持つ花言葉があるのでしょうか?
クジャクサボテンの特徴
クジャクサボテンの基本情報
分類 | サボテン科エピフィルム属(クジャクサボテン属) |
形態 | 多年草 |
原産地 | 中南米 |
草丈 | 50cm~100cm |
開花期 | 5月~6月 |
花色 | 白、赤、ピンク、オレンジ、黄、紫など |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 普通 |
一般的なクジャクサボテン(漢字:孔雀仙人掌、英語:Orchid cactus)は、中南米の原種をもとに他のサボテン複数種との属間交配などを経て生まれた園芸品種です。そのほとんどは昼に花が咲き、花の大きさは品種により約5cm~30cmにもなります。
「月下美人」は原種のひとつ
和名:月下美人(ゲッカビジン)というサボテンは、クジャクサボテンの原種のひとつで品種改良されていないものです。白い花が夜に咲き、翌朝にはしぼんでしまうのが特徴です。メキシコ原産、自然の状態では他の木などに根を張る着生植物で、上から垂れ下がるように成長します。月下美人という名前は、まさに花を咲かせた夜の姿そのままですね。
平たい多肉部分は茎が変形したもの
クジャクサボテンの緑の多肉部分は葉状茎と呼ばれる茎が変形したもので、ふちがデコボコな波形をしています。とげは退化していますが、ふちのへこんだところに棘座(とげざ)という土台部分はあります。新芽や花芽も、このへこんだところや先端から出てきます。
クジャクサボテンの花言葉
クジャクサボテンの花言葉は「艶やかな美人」「儚い美」「儚い恋」です。「艶やかな美人」の由来は、花の印象そのままでしょう。また、この花が長くても2~3日でしぼんでしまうことから「儚い美」や「儚い恋」という、少し悲しげな意味の花言葉がつけられました。
サボテンの花言葉②緋牡丹
サボテンなのに赤や黄色とカラフルな緋牡丹は、見た目のかわいらしさもあって人気が高い種類です。花言葉の意味は何でしょう?そして、きれいな色の緋牡丹には、さらに花が咲くのでしょうか?
緋牡丹の特徴
緋牡丹の基本情報
分類 | サボテン科ギムノカリキウム属 |
形態 | 多年草 |
原産地 | パラグアイ |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや強い |
花色 | ピンク |
緋牡丹にも花が咲く
緋牡丹には美しい花も咲くので、意外でもあり、楽しませてくれるサボテンですね。花は昼に咲き、夜は閉じています。
葉緑素を持っていない
緋牡丹(ヒボタン、英語:Ruby ball、Moon cactus)は、緑の台木に接ぎ木された丸いサボテンのことです。赤や黄色、ピンク、紫などのきれいな色が特徴で、緑色のものはありません。なぜなら、全く葉緑素を持たないからです。そのため、他のサボテンに接ぎ木をしないと生育できず、台木に柱サボテンなどが使われています。
緋牡丹錦の変種から誕生
和名:緋牡丹錦(ヒボタンニシキ)と呼ばれるサボテンには、赤味を帯びた斑が入っています。この緋牡丹錦を種から育てたものの中に、全体が赤い変種がありました。それを日本で改良した園芸品種が緋牡丹です。
緋牡丹の花言葉
緋牡丹の花言葉は「燃える心」「情熱」です。見た目は小さくかわいいのですが、花言葉の意味は激しさを感じさせるものがあります。「燃える心」はサボテン全般の花言葉でもあり、花の色が燃えるように鮮やかなことからきています。「情熱」は台木の柱サボテン全般の花言葉でもあります。由来は、情熱的にぐんぐん成長する姿からとされています。
サボテンの花言葉③金鯱
典型的な玉サボテンの金鯱は、比較的丈夫なこと、大きく美しい形に育てられること、寿命が長いことから、育てがいのあるサボテンとしても人気の種類です。
金鯱の特徴
金鯱の基本情報
分類 | サボテン科エキノカクタス属(タマサボテン属) |
形態 | 多年草 |
原産地 | メキシコ |
草丈 | 30cm~100cm以上 |
開花期 | 4月~11月 |
花色 | 黄、赤 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや弱い |
とげが金色に見えるサボテン
金鯱(キンシャチ、英語:Golden barrel cactus)は、とげが鋭く長いのが特徴のひとつです。黄色のとげですが、光の加減で金色に見えることがあります。名前の由来がはっきりわかる資料は残っていませんが、このとげの色に関係しているような気もしますね。
花が咲くまで20年もかかる
花を咲かせるまでに20年を要するところも金鯱の特徴です。花は頂部に咲きます。育て方により大きさが違ってきますので、小さくても花を咲かせている金鯱は、20年以上経っているものと思ってよいでしょう。
金鯱の花言葉
金鯱の花言葉は「儚い夢」「憂い」です。前向きとはいえない意味の花言葉ですが、長い年月待ってやっと花が咲いたのに、やがてしぼんでしまう様子は、まるで「儚い夢」のようですね。また、丸いサボテンなので、空へ向かって高く伸びることができず、それを「憂い」ているような雰囲気を持っているのが、花言葉の由来です。
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