はじめに
鈴蘭(スズラン)は、名前のとおり小さな鈴がたくさんなっているかのようなかわいらしい花です。国によっては、幸せの象徴である花嫁へのプレゼントとして鈴蘭を用いています。そんな世界中で愛される花のひとつである鈴蘭の特徴や花言葉、それにまつわる由来についてご紹介します。
鈴蘭の特徴
鈴蘭の開花時期
鈴蘭の開花季節は春で、具体的には4月〜6月です。5月が特に見頃です。寒さには強いですが、暑さには弱く、季節が夏へ移り変わる6月以降は見頃の時期を終えてしまいます。ただし、北海道など一部の寒い地域では開花時期が1カ月ほどズレるため、6月が見頃です。
鈴蘭の毒
かわいらしい見た目の鈴蘭ですが、実は強力な毒を持っています。特に花と根には有毒物質を多く含んでいるのです。誤って食べてしまうと嘔吐やめまい、頭痛、血圧の急激な低下を引き起こし、最悪の場合には死に至ります。その毒性はなんと青酸カリの約15倍とかなり強力です。花粉にも毒が含まれているため、とてもきれいな花ですが、室内や食卓などに飾るのは危険です。
鈴蘭の伝説
海外には、次のような伝説が存在します。セント・レオナードという森の守護神が修行の際に大蛇に襲われてしまいます。三日間戦い続け、なんとか大蛇には勝利しますがセント・レオナードも重傷を負い、力尽きてしまったのです。すると彼の血で染まった地面からたくさんの鈴蘭が咲きました。それは森の精霊達による勇敢な彼への葬いであり、セント・レオナードの魂を癒すためとされています。
鈴蘭の種類
日本の鈴蘭
日本の鈴蘭は、暑さに弱く寒さに強い花です。そのため日本の中部よりも北、それも高地など季節を問わず比較的涼しい場所に群生しています。花は少し長く下に伸びたような形をしています。葉よりも下に花を咲かせるところも特徴です。
ドイツスズラン
ドイツスズランは日本の鈴蘭に比べるとやや暑さに強いとされています。暑い季節でも日陰の涼しいところであれば乗り切れます。花は他の品種に比べると少し大きめです。他の品種より香りが強く、ドイツスズランの香水も存在します。原産地はヨーロッパですが日本にも多く群生しています。
エゾスズラン
エゾスズランは別名アオスズランとも呼ばれています。蝦夷(エゾ)という名前の通り主に北海道に群生しています。花は緑色です。全体に茶色がかった短い毛が生えています。寒い地域に群生していることもあり、他の種類に比べ開花時期は遅く、7月〜8月に開花します。
鈴蘭の花言葉
日本での花言葉
鈴蘭の日本での花言葉はいくつか存在しています。具体的には「幸せがまた訪れる」「ピュア」「自然な美しさ」「平穏」などです。鈴蘭の過度な飾り気のない、純潔さを感じさせる外見にぴったりの前向きな花言葉が多いです。特に女性に贈ると喜んでくれそうな言葉といえます。
英語での花言葉
英語での鈴蘭の花言葉には「return of happiness(幸せがまた訪れる)」「sweetness(優しさ)」「purity(純粋)」などがあります。日本語の花言葉と近いものがありますね。「純粋」という花言葉に関しては、ヨーロッパでは鈴蘭が聖母マリアの花とされていることが由来になったとされています。
フランス語での花言葉
鈴蘭をフランス語ではミュゲと呼びます。毎年5月1日はミュゲの日といって、鈴蘭を大切な人に渡すという習慣があります。そんなフランスでの鈴蘭の花言葉は「仲直りしましょう」「ずっと好きだった」「そのままの美しさが一番」などです。どれも相手を肯定するような言葉で、鈴蘭をプレゼントする習慣があるのも頷けるでしょう。
鈴蘭の色別の花言葉
白い鈴蘭の花言葉
鈴蘭には色によってもそれぞれ花言葉が存在します。白い鈴蘭は「純粋」「純愛」「純潔」「希望」などです。白色の花全般には元々「純粋」や「無垢」という意味があります。特に白い鈴蘭はかわいらしく清楚なイメージのとおり、そういった意味合いの強い花のひとつです。
ピンクの鈴蘭の花言葉
鈴蘭は白色の花だけでなく、ピンク色の鈴蘭もあります。ピンク色の鈴蘭の花言葉は「かわいらしい」「愛らしい」となっています。鈴蘭という花とピンク色のイメージをそのまま言葉にしたかのような花言葉です。花と色の女性らしさがはっきりと表れています。
鈴蘭の隠された花言葉
かわいらしく、ポジティブな花言葉を多く持つ鈴蘭ですが、実はネガティブな裏花言葉も持っています。「幸せがまた訪れる」という花言葉の裏には「幸せ以外の災難、不幸もまた訪れる」という意味が隠れています。「自然な美しさ」の裏には美しさに対する「妬み」の感情があります。このように、明るい言葉の裏側のネガティブな意味を示すのが裏花言葉です。
まとめ
鈴蘭は可憐で多くの人の目を楽しませてくれます。とてもかわいらしくて素敵な明るい花言葉も持っている鈴蘭ですが、強い毒性も持っています。もし触れる際には十分注意して取り扱ってください。
出典:BOTANICA