アマドコロの仲間・似た植物
ナルコユリ
ナルコユリはアマドコロによく似た花です。開花時期は、アマドコロより少し遅れます。鈴なりになって咲く様子が、鳴子(なるこ)が連なっている姿に似ているのでナルコユリと名付けられました。根茎は「黄精」と呼ばれ、その成分は栄養ドリンクなどに配合されています。
キジカクシ科アマドコロ属の仲間であり、アマドコロと区別せずにどちらも「ナルコユリ」と呼ばれることもあります。しかし、葉の形や茎、花の数などに若干の違いがあり、見分けることができます。
アマドコロとナルコユリの見分け方
アマドコロ | ナルコユリ | |
葉の形 | やや広い | 細長い |
茎 | 角張った節がある | 丸みがありすべすべしている |
1つの花柄につく花の数 | 1~2輪 | 2~3輪以上 |
根茎 | 結節がない | 節くれだって結合している |
オオアマドコロ
オオアマドコロは、薄暗い山地などに自生しています。アマドコロと同じ、キジカクシ科アマドコロ属の仲間です。よく似ていますが、アマドコロより大型なのが特徴です。こちらも新芽は食用になります。
アマドコロとオオアマドコロの見分け方
見分け方は草丈と花の大きさです。アマドコロが30cm~50cmなのに対し、オオアマドコロは草丈が70cm~100cmあり、花もやや大きいので見分けることができます。
ホウチャクソウ
ホウチャクソウもアマドコロに似ていますが、イヌサフラン科チゴユリ属の植物で、アマドコロの仲間ではありません。花が、寺などのお堂の四隅に吊るされた風鈴のような宝鐸(ホウチャク、ホウタク)に似ていることからつけられた名前です。
全体に毒性がある
ホウチャクソウは新芽にも根にも毒素があり、食用にはできません。山菜採りのときにはしっかり見分ける必要があります。筒状に見える花被片が、分かれているのが特徴です。
アマドコロとホウチャクソウの見分け方
アマドコロ | ホウチャクソウ | |
茎 | やや斜めに伸びる | 直立気味で茎の上部で枝分かれして花をつける |
花 | 花被片が分かれていない | 花被片が分かれている |
根 | 根茎である | 根茎はなくひげ根である |
アマドコロの食べ方
根茎と新芽の茎が食用になります。野菜売り場に並ぶこともあります。茎の旬は春で、芽が10数cm伸びたものを収穫します。新芽の葉が開くと苦味が強くなりますが、食べることはできます。同じキジカクシ科のアスパラガスに少し似た食感です。根茎の旬は、養分が蓄えられた晩秋です。
食べ方①ゆがく
アマドコロの茎(葉)は、ゆがいて水にさらしてアク抜きしておきます。食べ方は、おひたしや酢味噌和えの他に、アスパラガスのようにマヨネーズも合います。
食べ方②揚げる
茎と根茎は、天ぷらにすることができます。水気をきった新芽(茎)に、天ぷらの衣をつけてオイルで揚げます。根茎はよく洗い、ヒゲ根はむしっておきましょう。
食べ方③焼く・炒める
茎はフライパンで炒めたり、グリルで焼いたりする調理もできます。ホイル包みが簡単でおすすめです。アルミホイルに包んでグリルの中火で10分間焼くだけで、とろりとした甘さが味わえます。また、アスパラガスのように肉やベーコンを巻いて焼くのもよいですね。
食べ方④その他
根茎は、山芋のようにすり下ろして味わうこともできます。また、天日で乾かして煮だしたお茶は韓国では日常的に飲まれている健康茶です。血行促進やアンチエイジング効果があるといわれています。
まとめ
アマドコロは山菜でもあり、観賞用植物としても素敵ですね。日当たりを好みますが、坪庭のような半日陰でも育ち、洒落た鉢植えにもなります。斑入りの葉は、生け花のあしらいに最適です。日常をそっと元気づけてくれる植物ですね。
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鳴子は、稲などを鳥害から守る鳥脅しの板のことね。現在では、打楽器風に「よさこい鳴子踊り」などに使われていますよ。