うるいの概要
うるいは多年草のオオバギボウシの若葉です。ウリッパ、アマナ、ギンボ、山かんぴょうといった別名があります。北海道から本州、四国、九州と広い地域に分布し、古くから山菜として食べられてきました。最近では他の山菜と同じように、ハウスでの促成栽培が進められています。そのため旬の季節以外でも、スーパーなどでの購入が可能となりました。
名前の由来
葉色がウリ類の葉色、または皮に似ていることから「瓜菜(うりな)」と呼ばれていたのが転訛して「うるい」になったという説、湿地に生えるため、水分が多く含まれていることから「潤い」という意味で「うるい」と名付けられたという説があります。
ちなみにオオバギボウシという名前は葉が大きいことと、つぼみが擬宝珠(ギボシ)に似ていることに由来しています。
うるいの主な産地は?
主な産地は東北地方
うるいは前にも触れたように、北海道から四国、九州と、広い地域に分布しています。もっと正確に言えば、日当たりのよい山地の草原や湿地などに群生していることが多いです。その中で主な産地というと東北地方でしょう。東北地方では昔から早春の山菜として、うるいが食べられてきました。生産量全国一位の山形県では、促成栽培したうるいを「雪うるい」というブランド名で販売しています。
茹で干しすれば保存も可能
山菜は保存がききにくいことが多いのですが、うるいは茹で干しすると「山かんぴょう」という保存食になります。この点も東北地方で古くから食べられてきた理由でしょう。東北地方は冬の寒さが厳しく、野菜が貴重である地域です。保存がきく山菜はとてもありがたい存在だったでしょう。
オオバギボウシ(うるい)の特徴
オオバギボウシはリュウゼツラン亜科ギボウシ属の多年草で、山菜としての旬の季節は早春ですが、花の見頃は夏です。6月から8月にかけて白、または淡い紫色の花を咲かせます。オオバギボウシは丈夫で株を増やすのも簡単な上に、葉や花も美しいことから鑑賞用園芸植物として栽培されることもあります。
オオバギボウシの基本データ
学名 | Hosta sieboldiana |
科名 | リュウゼツラン亜科 |
属名 | ギボウシ属 |
別名 | トウギボウシ、ハヤザキオオバギボウシ、ウノハナギボウシ、ウツリギボウシ、アツバギボウシ |
分布地域 | 北海道、本州、四国、九州。山地の草原や湿地に群生していることが多い。 |
開花時期 | 6月~8月 |
うるいとギボウシとの違い
うるい(オオバギボウシ)はギボウシの仲間で野生種です。もっと正確に言うと、ギボウシとはキジカクシ科リュウゼツラン亜科ギボウシ属の総称で、丈夫で育てやすく食用にできること、花が美しいので鑑賞用にもなることから、昔から盛んに栽培されてきました。
ギボウシの仲間は20から30種類ほどあって、全部食用になるんだよ。その中でもオオバギボウシ(うるい)は美味しいと言われている種類なんだ。
うるいの栄養成分
うるいに含まれている栄養成分で、代表的なのはビタミンCとカロテンです。さらに山菜特有の苦みには抗酸化作用があり、新陳代謝も促す栄養成分でもあるポリフェノール類、ヌメリ成分には、病気への抵抗力を高める多糖類を含みます。
うるいの旬の季節
うるいの旬の時期は、早春の4月から5月です。葉は育ちすぎると苦くなってしまいます。若い葉が開かずに丸まっている時が一番美味しいので、見逃さないように注意しましょう。葉が育ちすぎた場合は、葉を取り除いて茎の部分だけを食べることが多いです。また、促成栽培のものは2月頃から出回ります。
美味しいうるいの選び方
新鮮で美味しいうるいの選び方のポイントは?
新鮮で美味しいうるいは、茎色が白くてふっくらとしています。葉先の緑色もきれいで鮮やかです。この2点で選べばほぼ間違いありません。ただし、スーパーなどで販売されているうるいの場合、選び方が少し異なるものがあります。
促成栽培のうるいの選び方
スーパーなどで販売されているうるいのほとんどは、促成栽培されたものです。促成栽培の山菜は日光に当てずに育てる場合があるため、葉先が黄色いものがあります。葉先が黄色いうるいの中から新鮮で美味しいものを選ぶ際は、軸が白くて葉先がみずみずしいものを選んでくださいね。
出典:写真AC