タラの芽とは
タラの芽とは、ウコギ科のタラの木の新芽です。山菜として人気が高く「山菜の王様」としても知られています。現在、タラの木は日本各地の山地に多く自生していますが、昔は貴重なものでした。近年はハウス栽培が進んだため、旬の時期になると店頭にタラの芽が並びます。
味・食感・におい
タラの芽には、独特の苦味があります。天ぷらやかき揚げなどの揚げ物にするとサクサクと軽く、おひたしや和え物にするともっちりとした食感です。においは特になく食べやすいでしょう。
旬の時期
タラの芽は、4月~6月上旬が旬の時期です。日本の広い地域で収穫できるので場所によって多少異なりますが、桜が咲くころが目安です。ハウス栽培では天然ものよりも早く収穫され、2月下旬から店頭に並ぶ場合もあります。
美味しいタラの芽の見分け方
見分け方のポイント
- 葉の成長具合
- 全体が鮮やかな緑色をしているか
全体が鮮やかな緑色をしているタラの芽が、美味しいものです。葉が少し開いているものが味わい深く、風味を感じられますよ。葉が開きすぎていると苦味が強い場合があるので、好みにあわせて選びましょう。
タラの芽の毒性
毒性がある
タラの芽には毒性はありません。毒草といわれる理由は、タラの芽に類似している「ウルシ」にかぶれを引き起こす作用があるからでしょう。タラの芽とウルシは別の植物でタラの芽には毒はないので、安心して食べられますよ。
タラの芽と偽物・類似植物とその見分け方
偽物・類似植物①コシアブラ
コシアブラは、ウコギ科・ウコギ属の山菜です。見た目や苦味のある味、旬の時期などがタラの芽とよく似ています。コシアブラは、日本各地で収穫できますが、日持ちがしないので店頭に並ぶことはあまりありません。
タラの芽との違い・見分け方
- 付け根部分には小さなトゲがある
- 葉の先が尖っている(タラの芽の葉は先がまるい)
- 表面全体が細かい毛で覆われている
偽物・類似植物②ウルシ(毒成分がある)
ウルシは見た目がタラの芽に似ていて、ウルシオールという毒成分をもっていることから「毒タラ」とも呼ばれています。毒草なので、人によってはウルシに素手で触るとかぶれる場合があり、注意が必要です。ウルシは調理して火を通すと美味しく食べられますよ。ねっとりとした食感が特徴です。
タラの芽との違い・見分け方
- ウルシの方が根本部分が大きい
- 茎の色が濃い緑色をしている
- 葉が茶色がかっている
タラの芽のおすすめの食べ方
はじめに〈アク抜きの方法〉
- タラの芽はよく洗い、根本のかたい部分の皮をむく
- 1Lの水に塩を20gいれて、沸騰させる
- タラの芽を2~3分茹でる
- 冷水にいれて、そのまましばらく放置する
おすすめの食べ方①タラの芽の天ぷら
タラの芽の天ぷらは、人気の食べ方です。シンプルなレシピで、タラの芽の特徴である苦味がしっかり味わえます。食べる直前に、塩やオリーブオイルをかけるとより一層美味しく仕上がるのでおすすめです。
材料 (2人)
・タラの芽:10本くらい・小麦粉:大さじ2くらい
・水:大さじ1〜2くらい(適当)
・油:揚げ油(かぶるくらい)
作り方
- タラの芽の根元とかたい皮を取り除く
- 多めの水と塩を鍋にいれて沸騰させてタラの芽をさっと茹でる
- 冷水で冷ます
- タラの芽に小麦粉を加えて水を少量加えながら天ぷら粉を作る
- 170~180℃の油でカラッと揚げて完成
おすすめの食べ方②タラの芽の胡麻味噌和え
タラの芽と胡麻味噌は相性抜群です。うすめの味付けなので、好みにあわせて調味料の量を変えてください。すり胡麻がよいアクセントで、ご飯ともよくあいますよ。
材料 (1人分)
・タラノメ:大きめ6~7本・水:500mL~1L
・塩:ふたつまみ
・☆すりごま(白):大さじ2
・☆味噌:小さじ1
・☆砂糖:小さじ1
・☆料理酒:小さじ1
・☆顆粒だし:小さじ1/2
作り方
- タラの芽の根元を切り、水でよく洗う
- サイズが大きい場合は火が通りやすいように切れ目をいれる
- 沸騰させたお湯に塩をいれて、タラの芽を約1分茹でる
- ☆の調味料をすべてあわせる
- タラの芽を全体に絡ませたら完成
おすすめの食べ方③タラの芽の肉巻き
肉巻きに絡ませるタレは、タラの芽の苦味が抑えられる甘辛い味付けです。砂糖の量を調整することで甘みを変えられます。胡麻や小ねぎを添えると、彩りもよくなるのでおすすめです。フライパンで焼くときは、あまり動かさないようにするときれいに仕上がります。
材料 (2~3人)
・豚バラ肉:230g・タラの芽:1パック
・塩、胡椒:少々
・片栗粉:適量
・☆醤油:大さじ2
・☆砂糖:大さじ1
・☆みりん:大さじ1
・☆酒:大さじ1
作り方
- タラの芽の葉の部分を切り落とし、水でよく洗う
- タラの芽を沸騰させた湯でさっと茹でて豚バラ肉を均等に巻く
- 片栗粉を全体にかける
- フライパンに油をひいて、豚バラ肉がカリカリになるまで焼く
- ☆の調味料をすべてあわせて、全体にかけて完成
タラの芽の保存方法
短期間の場合
- タラの芽を新聞紙に包む
- 小さな穴をあけたポリ袋にいれて野菜室で保存する
長期間の場合
- 沸騰させたお湯に塩をいれて、タラの芽を約1分茹でる
- 冷水にいれてしばらく放置する
- 水気をしっかり切ってアルミパットの上に小分けにして並べる
- 冷凍庫で一気に凍らせる
- 小分けにしたものをラップで丁寧に包む
タラの芽に毒はないので美味しく調理して食べよう
山菜の王様として知られているタラの芽は、毒性はなく安心して食べられます。調理方によってさまざまな食感が楽しめて、飽きずに食べられてアレンジも可能です。日本各地で収穫できるので、旬の時期が訪れたらぜひ食べてみてはいかがでしょうか。