ヨトウガの特徴
ヨトウガの特徴は幼齢から老齢までに色が変化することです。幼齢時はアオムシのような淡緑色をしていますが、老齢化するにつれ暗褐色や灰褐色に変化します。幼齢は昼行性なのに対し老齢化すると夜行性になるのも特徴の1つでしょう。老齢期は昼間地中で休息しています。シャクトリムシのような歩き方も特徴的です。老齢期には背中に「ハ」の字の模様がでます。
生態
ヨトウガは、多食性でイネ科以外はすべて餌になりとても食欲が旺盛です。幼齢期には集団で食べ物をむさぼり、なんども脱皮を繰り返し、老齢期になると1匹づつ個体行動で大量に食べ物を求めます。孵化からさなぎになるまで1カ月くらいでしょう。さなぎになって越冬や夏越しします。年に2度発生しますが、最近、休眠期を持たない個体も発見されました。
ヨトウガの飼育
ヨトウガは放っておいても増える昆虫です。飼育できるかといえばできますが、おすすめはできません。育てて放置では近所迷惑になりますので、成虫まで育てた後の責任をしっかりとることが前提です。害虫としては非常に厄介ですが、育てるとなるとなんでも食べますので餌には困りませんし、育てやすいでしょう。駆除対象として食性や生態研究に役立つかもしれません。
孵化
ヨトウガの卵は葉の裏にびっしりと産みつけられます。個体差がありますが50個~1000個以上です。最初は白色~薄いクリーム色をしていて、細かい毛に覆われて保護されています。そのうちに目玉のような模様が出始め、孵化直前はさらに変化し黒っぽい色です。孵化したとたんに産みつけられていた葉を食べ始めるでしょう。孵化まではだいたい1週間くらいです。
食性
ヨトウガの食性は花やつぼみ、樹木の皮や観葉植物などイネ科以外の100種類以上ですので、生粋の雑食といってよいでしょう。そのため八百屋に並んでいるものならなんでも餌になりますので困りません。キャベツの外葉や大根の葉、果物の切れ端などあまりものをあげておけば育ちます。害虫としては困りものですが、飼育となると手がかかりませんね。
越冬
幼齢の状態では越冬しません。脱皮を繰り返して大きく育ち、老齢化すると色が黒っぽくなります。昼夜が逆転し夜行性になるので、昼間食べ物の上にいたはずがいつの間にか下の方で丸まっているようになったら越冬の準備です。土の中で眠って過ごしそのままさなぎになって越冬しますので飼育ケージの中に土を入れます。庭の土や園芸用であまった土でよいでしょう。
まとめ
ヨトウガの食害にあったときの対処法や予防法、飼育方法などを見てきました。せっかく精魂込めて作った農作物や、天塩にかけて育てた草花をあっという間に穴だらけにしてしまうヨトウガは、植物好きには厄介な存在です。飼育することはおすすめできませんが、できないことはありません。ワームが必要なペットがいる方は飼育してみてもよいかもしれませんね。
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出典:いらすとや