備中鍬のメンテナンス
備中鍬をはじめ、農具は使った後のメンテナンスや保管が適切でないと、傷んだり、壊れたりします。せっかく買った備中鍬ですから長く愛用しましょう。備中鍬を使った後のメンテナンスや正しい保管方法について解説していきます。
使用後のメンテナンス
土汚れをそのままにしない
備中鍬の使用後は鍬についた土を洗い落とします。農具全般にいえますが、湿った土をついたままにしておくと錆びが発生しやすく、土の中にいた病原菌などが繁殖することがあります。土はこまめに取り除きましょう。水洗いをした場合は、布などでしっかり拭いて水気をとっておきます。
錆はこまめに取り除く
錆などが見られる場合は、砥石などで取り除きます。砥石は使用する前に5分程度、水に浸けてから使用するとよいでしょう。少しの錆びであれば、台所用クレンザーなどの研磨剤とスチールたわしでも落とすことができます。
保管中のメンテナンス
雨や直射日光の当たらない場所で保管する
備中鍬は水分が残っていると錆びやすくなるので、しっかりと水分を拭き取り、布などでくるんでおきます。直接地面におくと、地面の水分を吸うので、乾かした意味がなくなり、傷んでしまいます。雨や直射日光が当たらない小屋や軒下で吊るしておくのがおすすめです。屋外に置きっぱなしにしておくのはやめましょう。
備中鍬を購入するタイミング
備中鍬は畝立て作業ができないので、備中鍬を買っても平鍬は必要です。家庭菜園を始めたばかりのころは、いろいろと買う農具が多いので、いつから備中鍬を用意した方がいいのか迷うのではないでしょうか。ここでは備中鍬はいつから買った方がいいのかについて解説します。
備中鍬を最初から買っておいたがいい場合
畑の土が固い場合
土が固い畑の場合は備中鍬を最初から買っておくとよいでしょう。粘土が多いような畑は、乾燥するとカチカチになります。平鍬で土起こしをするのは、とても大変です。また、粘土が多いと、起こした土も塊になりやすいので、土を砕くのが得意な備中鍬が活躍します。
庭に新しく畑を作りたい場合
庭などの一部を畑にしたいような場合にも、備中鍬は最初からあると便利です。庭を開墾して、畑のする場合は、そこに生えている雑草や雑木などを根っこごと取り除く必要あるます。備中鍬は、草の根を掘り起こす作業も得意なので、このような場合にも備中鍬を最初に買っておくとよいでしょう。
体力に自信がない場合
体力に自信がない人は、備中鍬を最初から買っておくのがおすすめです。畑の広さにもよりますが、畑全体の土起こしは、かなりの労力がかかります。平鍬でもできないことはありませんが、より少ない力で耕すことができる備中鍬を使うことで、労力を少なくできるのでおすすめです。
実際に作業してからみて考えてもいい
最初から必要かどうか迷う場合は、実際に作業をしてから考えてみてもよいでしょう。あまりにも土起こしが疲れてしまったという場合は、追加で備中鍬を買いそろえることを検討しましょう。

ボタニ子
備中鍬をいつから用意すればいいのか、迷ってたんだよね~。

ボタ爺
平鍬でも一通りの作業ははこなせるが、畑の土が固ければ、備中鍬は最初から持っておくいい。備中鍬をいつから買うかは、畑の土や自分の体力と相談じゃ。
備中鍬の選び方
備中鍬も多くの商品が販売されていて、価格もさまざまです。最初のうちは、どの鍬を選んだらいいのか迷ってしまいますよね。備中鍬の選び方について解説していきます。
価格から選ぶ
千円程度~一万円程度まで、さまざまな価格帯があります。価格の安いものは耐久性に劣るものが多く、作業に必要な強度や使用頻度などによって選ぶとよいでしょう。小さな家庭菜園で週末の作業であれば二千円~三千円前後の価格帯やメーカーがバランスがよく、おすすめです。予算や使用目的に応じて価格を選びましょう。
サイズや材質から選ぶ
サイズは自分にあったものを選ぶ
鍬の柄のサイズは自分が振りやすくて、力の入る長さが基本になります。柄の長さは3尺(約90cm)から3.5尺(約105cm)程度のものが多く、腰を曲げての長時間作業に不安のある人は1m以上のものを選ぶとよいでしょう。
錆びないステンレス刃もおすすめ
ステンレス製の刃は鉄製のものに比べて錆びにくいので、メンテナンスが楽になります。また、軽くて女性でも扱いやすいのもメリットです。しかし鍬は刃の重さで耕すので、刃が軽いと耕す力が弱くなります。固い土を耕す場合は、重さのある鉄製に利点があるので、体力や用途に応じて選ぶとよいでしょう。価格は鉄製とステンレス製で大きな違いはありません。

ボタ爺
鉄製は重くて、強い力で耕せる。ステンレスは軽くて錆びにくいが力は弱い。それぞれのメリットとデメリットを知っておくのじゃ。

ボタニ子
私は軽い鍬の方がいいな。

次のページからは、初心者におすすめの鍬について解説します。
出典:筆者撮影