さざれ石とはどんな石?
さざれ石と聞いて、真っ先に思い出すのが日本の国歌である君が代の歌詞ではないでしょうか。よく歌詞の意味を考えてみると、いったいどういう意味なのか、よくわかっていないことに気づかされます。「さざれ石の巌となりて…」とある君が代の歌詞にあるさざれ石、いったいどんな石で、「巌となりて」とはいったいどのような意味なのでしょうか。
小さな石という意味
さざれ石とは「細石」と書くことからもわかるように、本来は小さな石という意味です。店頭などで販売されているさざれ石は、小さな石、細石であることが多いのはそのためです。ただ、この細石が長い時間をかけて集積されていき、ひとつの大きな岩の塊になっていくことがあります。この岩の塊が、国歌である君が代に出てくる「巌となりて」と関係があるのです。
国歌の「巌となりて」の岩
巌とはゴツゴツした岩のことです。日本の国歌、君が代に出てくる「さざれ石の巌となりて」とは、小さな石である細石が、大きな岩の塊になり、苔が生えてくるほどの長い年月を比喩した表現で、実際、さざれ石という岩が祀られた神社や公園が存在します。ちなみに、岐阜県揖斐川町にあるさざれ石公園は、国歌である君が代の歌詞の由来とされています。
古今和歌集が国歌の君が代の由来
ちなみにですが、君が代の歌詞の元になったのは、古今和歌集のある歌です。古今和歌集とは、平安時代前期に勅命によって作られた和歌集のことで、勅撰和歌集として最初に編纂されたもの。この古今和歌集の7巻にある「わが君は 千代に八千代に さざれ石の いはほとなりて 苔のむすまで」に、曲がつけられたのが1880年で、1999年に正式に国歌となりました。
さざれ石の種類
現在、市販されているさざれ石でポピュラーなのが、浄化作用のあるパワーストーンの小石ではないでしょうか。さざれ石が細石であることから、天然石の数だけさざれ石が存在すると考えられていますが、中でも人気が高いのが水晶のさざれ石です。ほかにも人気のあるさざれ石の種類をいくつかご紹介したいと思います。
水晶のさざれ石
水晶には邪気を退ける効果があるとされています。このため、水晶のさざれ石は、石の浄化を行うこともでき、運気が下がったパワーストーンなどを載せるだけで、新たに強いエネルギーをいただくことができます。アクセサリーにして身につけるほか、強運に導くような能力を高めたい場所などに置くと効果的です。
アメジストのさざれ石
アメジストは、愛情に働く透明な紫色のパワーストーンです。真実の愛を深め、パートナーや愛する家族との絆を強くするために、あらゆる邪気を追い払うエネルギーがあるとされています。家族が集まる場所やパートナーとの時間を過ごす場所に利用することをおすすめします。
タイガーアイのさざれ石
タイガーアイは、金運や財運アップをうながしてくれるパワーストーンとして知られています。このため、富や財産を増幅させたい方、自営業などでビジネスを成功させたい方などが、エネルギーを発揮できる場所に飾ると効果的です。また、風水などでは金運は西の方角がよいとされていることから、西の方に飾るのもおすすめ。
ガーネットのさざれ石
ガーネットは、学業や目標達成にエネルギーを発揮するパワーストーンです。受験や資格試験などへの勝利を導くだけではなく、何か大きな目的を達成させるための努力を助けてくれるエネルギーを持っています。日々の忍耐をサポートし、成功運をアップさせる効果が期待できるため、これから目標に向かっていこうとしているあなたにおすすめです。
シトリンのさざれ石
シトリンは、ビジネス運や商売運の強化を助けてくれるパワーストーン。太陽のような黄色い光を放ち、その強い力で難しいビジネスや商売を成功へと導いてくれます。現在あるいはこれから商売をはじめる方、ビジネスの勝利へ強い意欲をお持ちの方など、シトリンのさざれ石の力を借りて、成功を勝ちとることができます。金運は風水では西の方角がよいとされるため、西側に置くと効果的。
さざれ石が置かれた公園や神社
邪気を追い払うエネルギーを持ったさざれ石の中には、神社や公園などに祀られている有名な石があります。日本全国に祀られている有名なさざれ石には、それぞれ由緒があったり、天然記念物に指定されていたりして、観光名所となっています。近くに行くことがあったら、さざれ石のエネルギーをいただきに参拝してみましょう。
国歌の由来とされているさざれ石公園
岐阜県揖斐郡にある「さざれ石公園」。日本の七高山のひとつに数えられる伊吹山のふもとにあるこの公園は、国歌である君が代の由来になったさざれ石があることで知られています。 大きなさざれ石にはしめ縄が巻かれ、岐阜県の天然記念物としての貫禄あらわ。強いエネルギーを感じるさざれ石です。
国歌君が代の幻の2番の歌詞との情景に似ている大御神社
宮崎県日向市にある大御神社には、周囲30m、高さ4mもの大きなさざれ石が祀られています。この岩は、境内の造成工事の際に発見された岩で、神座と命名されました。このさざれ石が置かれた風景は、明治時代小学唱歌集にある君が代の2番の歌詞「千尋の底のさざれ石の鵜のいる磯」というくだりそのものの情景だとか。
京都で有名なさざれ石とは
京都には、さざれ石で有名な神社が点在します。京都を訪れたら、ぜひこうした神社へ参拝し、さざれ石のエネルギーをいただきたいものです。また、京都にはすばらしい庭園を有する神社や公園もたくさんあります。庭づくりの参考にいろいろと見学したいです。
七不思議にも数えられる京都の下鴨神社のさざれ石
京都の有名な下鴨神社では、南口の鳥居の左側にさざれ石が置かれています。 下鴨神社には鴨の七不思議がありますが、この中に、泉川の浮石、御手洗の神石など、石の神聖な力による不思議が言い伝えらえています。
大きな岩のさざれ石を有する京都の護王神社
京都市上京区に鎮座する護王神社。奈良から平安時代にかけて平安遷都に尽力した和気清麻呂をご祭神とした神社で、境内には幅3m、高さ2mものさざれ石があります。なお、この護王神社は足腰の守護神としても有名。いのしし神社としても知られ、いのししの奉納品も見られます。
さざれ石は購入できるのか
さざれ石は購入できます。石の種類にもよりますが、パワーストーンの小石を庭の砂利などに合わせて使うという場合、さらにかんたんに購入することが可能です。神社などに祀られているようなさざれ石は、主要な産地である滋賀県や岐阜県あたりで庭石を扱っている店舗で探すと見つかるはずです。
さざれ石を自宅の庭で使うには
自宅の庭にさざれ石を置く場合、やはり和風の庭を作っていくようになります。和風の庭は一般的に、実在する自然の情景を真似して石を配置していきます。石の形や大きさをバラバラに置くと、自然の岩山の姿になっていきます。そうすることで、庭全体に立体感が生まれ、趣深くなっていきます。
さざれ石で平穏な生活を
悪運を浄化してくれるエネルギーを持っているさざれ石。神社や公園などに祀られ、崇められています。パワーストーンなどでアクセサリーにして身につけることもできますが、大きめのさざれ石と出会ったら、自宅の庭に置いて和庭を作ることをおすすめします。庭を眺めながら平穏な生活を目指してみてはいかがでしょうか。