ヘンプとは
基本情報
和名 | ヘンプ、アサ(麻) |
学名 | Cannabis sativa |
英名 | Cannabis Hemp |
科名 | アサ科 Cannabaceae |
属名 | アサ属 Cannabis |
形態 | 1年草 |
原産 | 中央アジア |
歴史
ヘンプ(麻)と人間との歴史は1万年を超えるといわれ、栽培されてきた植物の中でもっとも長い歴史を持つ植物です。繊維や食用、燃料などとして用途も多く、かつては米と並んで重要な作物として扱われましたが、現在の日本では大麻取締法の下、栽培は厳しく制限されています。
植物としての特徴
種まきから収穫まで約110~130日と早く、高さ約2.5mにも成長します。原産地はヒマラヤ山脈の北西の山岳地帯といわれ、熱帯から寒冷地までの地域にみられ、世界30カ国で栽培されます。成長過程で大量の二酸化炭素を多量に消費することや、病害虫に強く農薬や肥料を必要としないなど、環境にやさしい植物としても注目されています。
ヘンプの効果
ヘンプは健康にもすばらしい効果をもたらすスーパーフードとしても人気です。同じ麻でもマリファナとは区別されています。ヘンプとマリファナとの違い、成分の含有量など注意すべきポイントや効果を見ていきましょう。
マリファナとの違い
麻と呼ばれる植物の種類は多くあり、ヘンプもマリファナも麻です。大麻草(タイマソウ)と呼ばれる植物にはハイになる作用があり医療用としても使用され「マリファナ」と呼ばれます。「ヘンプ」と呼ばれる同じアサ科の農産物は、マリファナのような陶酔作用はありません。
THCとは
ヘンプは繊維を利用する品種として改良された麻で、テトラヒドロカンナビオール(THC)という物質の量によって、ヘンプとマリファナは区別されます。THCはマリファナの精神活性作用をもつ有効成分で、気分をハイにする作用があります。マリファナにはこのTHCの含有量が高いことが特徴です。
THCの量
マリファナには通常10~15%程度のTHCが含まれています。一方、ヘンプのTHC量は少なく、世界でも厳しいといわれるEU諸国ではヘンプと認められるためにはTHCの含有量が0.2%以下である必要があります。その他の国でも一般的な基準として0.3%前後とされています。
CBDとは
ヘンプに含まれる特徴的なもう1つの有効成分はカンナビジオール(CBD)です。このCBDには炎症を鎮める、不安を和らげるなどの作用が認められるといわれ、医薬品、スキンケア、食品などの分野で注目されています。日本ではTHCを含む製品の輸入は認められていませんが、CBD配合の化粧品などの輸入は増えつつあります。
CBDの効果
CBDにはアレルギーや皮膚炎にも有効とされますが、習慣性や依存性もなく、通常の使用なら中毒や副作用の心配はないと報告されています。このような効果から健康食品やスキンケア化粧品の成分として注目されています。しかし、輸入製品などの中には検査されていないものも見られ、使用には注意が必要です。
次のページでは、ヘンプの利用法をご紹介します。