ローリエとは?
ローリエは月桂樹の葉を乾燥させたもので、ローレルと呼ばれることもある香辛料です。魚料理などの臭みを消す役割や、風味を添えるスパイスとして、ローリエは時間をかけた煮込み料理などに幅広く利用されています。爽やかで甘い香りの主成分は、シネオールやオイゲノール、リナロールなどです。
ローリエの使い方
ローリエは、煮込み料理などの隠し味として葉っぱをそのまま加える使い方が多いでしょう。素材に下味をつける際にも同じ使い方をしますが、いずれの場合も葉っぱに切れ込みを入れると香りがよく出ますよ。また、折り曲げたものや軽くもんだ葉っぱを使っても同様の効果があります。
カレーにローリエはいつ入れる?
ローリエを鍋に入れるタイミング
鍋の中にローリエを入れるタイミングは、肉や野菜を炒め終わり水を入れるときがよいでしょう。その際、葉っぱに切れ込みを入れたり半分に折って入れたりすることで、より香りが引き立ちます。ローリエの香りを強く出したいときには、炒めるときに加えることをおすすめします。
カレーに入れるローリエの種類や適量
料理に使われるローリエには、葉っぱの形のホールとパウダー状のものとがあります。
ローリエの種類
葉っぱよりもパウダー状のローリエのほうが臭みを消す効果は高いですが苦味が強く出ます。そのため、パウダーのローリエはミンチ状の肉や臭みの強い肉の調理などに使われます。カレーのような煮込み料理には、パウダーよりも使用量が調整しやすく簡単に使える葉っぱのローリエのほうが多く利用されています。
パウダーの特徴
パウダータイプは使い勝手がよく便利です。パウダーのものは臭み消し効果は大きいですが、分量に注意が必要です。また、使い過ぎても取り出せないので煮込み料理には向いていません。
葉の特徴
生の葉の場合は苦味が強いですが、乾燥させると苦味は弱まり香りが強く感じられるようになります。カレーには量を調整しやすい葉っぱのローリエがおすすめです。
使用例:カレー、煮込み系、ブーケガルニ、マリネ、ピクルスなど
葉っぱは何枚入れる?
カレーを美味しくするために必要とされるローリエは、少量で十分です。目安としては4~6人前のカレーに1~2枚くらい入れます。葉っぱの量に決まりはありませんが、何枚も使ったほうがより美味しくなるということでもありません。香りの強いローリエを入れ過ぎるとかえってカレーの風味が損なわれてしまいます。
カレーからローリエをいつ取り出す?
ローリエを鍋から取り出すタイミング
カレーの中のローリエを取り出すタイミングは完成した直後です。時間が経つとローリエから苦みが出てしまうため、完成したらすぐに取り出しましょう。ルーの中から見つけ出すのが面倒な場合は、ルーを入れる前の段階で取り出します。風味はそれほど変わりません。
カレーに入れたローリエの効果
ローリエは、時間をかけてカレーを煮込む際に隠し味としてよく使われるスパイスのひとつです。ローリエがカレーに使われるのには、理由があります。ローリエに期待できる効果を知れば、ひと味違ったカレー作りにローリエが果たす役割や必要性がわかるでしょう。
香りづけ
ローリエには、清涼感を感じさせる芳香があるため、ローリエなしのカレーとローリエを入れてじっくり時間をかけて煮込んだカレーとでは、カレーの香りや風味に差が出るでしょう。
臭味消し
ローリエには魚や肉などの臭みを消す効果があります。フランスの煮込み料理などによく利用されている「ブーケガルニ」にもローリエは使われています。
ブーケガルニとは?
ローリエ、タイム、パセリの茎、セロリの葉などを糸で束ねたものです。袋に入れたものもあり、スープや煮込み料理、ブイヨンを作るときなどに鍋に入れて使います。
食中毒予防
ローリエには防腐効果もあります。一晩寝かせたカレーは食中毒の原因になることがあります。調理直後だけでなく時間が経過したカレーを食べる予定がある場合は、ローリエの防腐効果が有効です。カレーを翌日も食べたい場合は、すばやく粗熱を取り冷蔵保存しましょう。
食欲増進
ローリエには食欲の増進、消化の促進、健胃効果も期待できるといわれています。ローリエを入れると、カレーがさらに美味しく感じられそうですね。
ローリエを使ったカレーレシピ
レシピ①隠し味を効かせた簡単カレー
市販のルーを使用するので時間も手間もかかりませんが、隠し味をプラスすることで美味しさがぐんとアップします。
材料 (8人分)
- 肉:400g
- 玉ねぎ:3個
- じゃがいも:2個
- 人参:1個半
- 砂糖:大さじ2
- コンソメ:2個(小さじ3~4)
- ローリエ:2枚
- 市販のルー中辛と甘口を半分ずつ
- オールスパイス
- クミン
- コリアンダー
- カレー粉など少々
作り方
- 具材を炒める
- ルーの箱に書かれた量の水を入れる
- ローリエ、コンソメを入れて煮込む
- 具材が煮えたらルーを入れる
- 砂糖を入れる
- 仕上げ用スパイスがあれば入れる
- 数分煮込めばできあがり
レシピ②トマトカレー
トマトがたっぷり入ったカレーです。好みのトッピングを加えると、さらに美味しく楽しく食べられそうですね。クミンシードの使い方を覚えておくとカレー以外にも活用できます。
材料 (4~5人分)
- トマト:2個
- 玉ねぎ:1個
- 人参:1本
- 豚こま切れ肉:150~200g
- 塩、こしょう:少々
- バター:大さじ1
- オリーブオイル:大さじ1/2
- クミンシード:小さじ1/2
- 水:1.2L
- ローリエ:1枚
- カレールー:約100g(5片)
- 黒こしょう:少々
- 好みのトッピング:適量
作り方
- トマトは8等分にした後半分に切る
- 玉ねぎを薄切りにする
- 人参は半分をすりおろし残り半分は乱切りにする
- 豚肉は食べやすい大きさに切り塩、こしょうする
- 鍋にバター、オリーブオイル、クミンシードを入れ温める
- 玉ねぎを炒める
- おろし人参を炒めたら豚肉も加えて炒める
- トマト半量と乱切り人参を加えさらに炒める
- 水とローリエを入れ沸騰したらアクをすくい10分くらい煮込む
- 残りのトマトとルーを入れる
- 黒こしょうをふりトッピングをのせればできあがり
レシピ③スープカレー
野菜ときのこが、たくさん食べられるヘルシーなスープカレーです。材料を入れ煮込むだけでよいので、気軽にチャレンジできるでしょう。スパイスの量は好みの味になるよう調整してください。
材料 (3~4人分)
- 鶏手羽元肉:500g
- 玉ねぎ:1個
- 人参:1本
- ピーマン:2個
- しめじ:1パック
- エリンギ:1パック
- しょうが:1片
- にんにく:1片
- ローリエ:1枚
- カレー粉:小さじ1.5
- オールスパイス:小さじ1/3
- 顆粒コンソメ:18g
- 塩:小さじ1
- ケチャップ:小さじ1
- はちみつ:小さじ1
- 中濃ソース:小さじ1
作り方
- 玉ねぎ、人参、きのこ類、ピーマンを食べやすい大きさに切る
- にんにく、しょうがはスライスしておく
- 鍋に、水1500mL 、肉、玉ねぎ、人参、きのこ類、にんにく、しょうが、ローリエ、カレー粉、オールスパイス、顆粒コンソメ、塩を入れ火にかける
- 沸騰したらアクをすくい、弱火で1時間くらい煮込む
- ケチャップ、はちみつ、中濃ソースを加える
- ピーマンを加える
- ピーマンに火が通ったらできあがり
余ってしまったローリエの利用法
防虫剤
購入したローリエが余ってしまったときには、米の保存容器に何枚か入れてみましょう。ローリエは、米の虫除けにも効果を発揮します。たくさん残っていて使い道に困ってしまったときには、ぜひ試してみてください。
衣類の防虫剤にも利用できる
ローリエは衣類の虫よけとしても利用できます。引き出しやクローゼットなどにそのまま入れてもよいですが、粉々になるのを避けるためにサシェを作って利用するのもおすすめです。
サシェとは?
乾燥させたハーブや花、香料などを入れた小さい袋のことで、強すぎない香りを楽しむためのフレグランスアイテムです。
ローリエを何枚か常備しておくと便利
ローリエは、特別な時間をかけなくても簡単な使い方でカレーをグレードアップできる、とても便利な素材です。スパイスの効き具合には好みがあるので、入れるタイミング、取り出すタイミングに関しても好みにあわせるのがよいでしょう。カレー以外にも数々の煮込み料理、炒め物など、レシピの種類もさまざまです。キッチンに何枚か常備しておくと料理の質が高まるでしょう。
使用例:レバー料理、ラム料理、マリネ、ハンバーグなど