コシヒカリの育て方③収穫時期の栽培方法
落水
落水は出穂後30日程度経過した水田で水を抜く作業です。作業方法は中干しと一緒ですが、落水の目的は収穫前に水を抜くことで、土だけでなく稲も乾かします。稲穂は登熟ステージ前に出穂してから4週間の時間をかけて実が大きくなります。この後に、落水すると実の水分が抜けて登熟完了です。また、収穫に用いるコンバインがぬかるみにはまらないために土をやや硬くすることも目的です。
収穫
収穫作業は、最初の米作りから150日ごろが目安です。イネはたっぷりと栄養を穂まで送り込むと、少しずつ枯れていきます。稲穂が垂れ下がり茎や葉が黄金色に輝くあの美しい風景は、実が登熟し収穫できるタイミングを示します。青い部分が多い状態で収穫すると品質の悪い米の割合が増え、遅くなりすぎると倒伏のリスクが高まるため見極めが重要です。
収穫方法はコンバインによる刈り取りが主流
収穫作業では、コンバインを用います。コンバインの特徴は、イネの刈り取りと同時に脱穀ができる点です。根際で刈り取るため、倒伏させてしまうと収穫が困難になります。また、昔ながらの、脱穀せず1株ずつ鎌で刈り取る手法はバインダーという機械が用いられており、今でもコンバインの入られない山間部では現役です。
乾燥調整
収穫が終われば乾燥調整の作業がまっています。乾燥とは籾米の水分を落とすことです。収穫したばかりのコメ(籾米)は水分が高く、そのまま保管すると熱をもち悪くなってしまうため乾かさなければいけません。乾燥の際は、ライスセンターというコメを乾燥させる大きな施設に搬入し乾かしてもらいます。ライスセンターでは、調整作業という籾をはがす(籾すり)作業を同時にして、玄米で出荷できる状態にします。
土作り
コメの乾燥まで無事に終えられれば、その年の米作りはおしまいです。次の作付けまでの作業は、土づくりが中心です。堆肥やわらをすき込み有機質肥料を加えて土壌改良を図ります。また、土中深くまで耕して空気を入れたり、溜まったガスを抜いたりして微生物が過ごしやすい土作りをします。その年の土作りが翌年の美味しいコメにつながるため欠かせない作業です。
まとめ
コシヒカリ栽培では、倒伏といもち病対策につながる夏時期の作業が重要です。中干しを1株あたりの茎数が20本程度になってからすると、根と穂のバランスがとれた米作りができます。いもち病への農薬は穂が完全にでた穂揃期のステージに実施することで高い効果が得られます。時期にあわせた一律の管理が重要のため、生育が均一になるように苗作りや田植えをしっかりやることが、上手な米作りのポイントです。
出典:写真AC