島バナナの栽培方法
島バナナが栽培に難しい最大の理由は、産地である沖縄では台風が多いことにあります。ちょうど収穫の季節に台風が来ると、島バナナの木ごとダメージを受けてしまうため、なかなか安定的に育てることができません。しかし、本州でも、条件さえそろえば自宅で島バナナを育てることができます。温度管理などがとても大切になってくるので、詳しい栽培方法をご紹介します。
条件
自宅で育てられる条件は、寒すぎない地域であるか、温室があることです。 島バナナは亜熱帯原産なので寒さに弱く、庭植えの場合は寒すぎると育てることがとても難しくなります。その場合は、温室で管理できるとベストでしょう。また、樹高が5~10mと高いため、樹高に匹敵する大きな鉢を用意するか、庭植えで育てることをおすすめします。
植え方
島バナナは苗から育てることが一般的です。水はけがいい土を選んで植えてください。植える時期は、根がダメージを受けることを避けるため、暑さが本格的になる前の3~6月くらいがいいでしょう。鉢植えから始める場合は、5号鉢くらいの大きさから始め、成長に応じて大きな鉢に植え替えを行います。
水やり
生長期間中はたくさんの水を必要とします。春と秋は、土の表面が乾いたら水を与えてください。夏や実がなっている時期は土が乾きやすいので、毎日の水やりをおすすめします。冬は少し乾燥気味に管理したほうがよいため、週1回程度の水やりで問題ありません。
肥料
島バナナは肥料を好む植物です。特に春から秋の成長期間中は、多めの肥料をあげるとよく成長します。肥料はリン酸がやや多めのものを選ぶとよいでしょう。
手入れ
枯れた古い皮を幹についたままにしておくと、虫の発生や病気にかかりやすくなるため、こまめにはがすようにしてください。
温度管理
島バナナは、高い気温と日光が好きな植物なので、5月~10月上旬くらいまでは、屋外の日当たりがいい場所に置くようにしてください。最低気温が15℃以下になったら、サンルームなどの日の当たる屋内で管理するか、温室で管理するといいでしょう。また、寒さが厳しいときは段ボールなどで保温し、最低気温が5℃以下にならないよう調整を行います。
収穫
島バナナの実がなった後に気温が下がってしまうと、果実の口触りが悪くなります。そのため、実がついたら気温が20~30℃になるように管理してください。花は実がなり終わり、これ以上増えない段階になったら、刈り取ります。収穫は実が十分に太った、熟す前の状態で行いましょう。
追熟
収穫した島バナナは、房が下を向くようにして風通しのいい場所に吊るし、黄色くなるまで追熟させます。皮にシュガースポットと呼ばれる茶色の斑点が現れ、触ると柔らかくなっていたら食べごろです。
増やし方
4~9月ごろに株分けで増やします。その際は根に土が多めにつくようにすることがポイントです。株分けしたものは、2~3年後から収穫ができるようになります。
島バナナの入手方法
自宅で育てるのは難しい…という方でも、島バナナを味わうチャンスはまだあります。流通する量が少ないため、常に店頭に並んでいるわけけではありませんが、以下の2つの方法をぜひ試してみてください。
現地でお土産として買う
島バナナは希少なため、なかなか沖縄現地でも見かけないことが多いです。しかし旬の季節には、市場や直売所などで販売されていることがあるので、旅行などで出かけた際は訪ねてみるといいでしょう。島バナナは希少なだけに、お土産としての需要が高く、すぐになくなってしまうこともありますので要チェックです。
通信販売で購入
島バナナはインターネットでの販売も行われています。大手通販サイトからも探すこともできますし、生産者から直接ネットで取り寄せることもできます。その年の生産状況で流通が変動しますので、取り寄せる場合は定期的にホームページなどをチェックするといいでしょう。
まとめ
島バナナは栽培の難しさから、希少な高級フルーツとして人気の果物です。くどくない甘さとフルーティーな酸味は、輸入バナナとはまたひと味ちがったおいしさです。沖縄の店頭やネットで見かけたりした際は、ぜひ入手して日本産のバナナの味をぜひ試してみてくださいね。
- 1
- 2
出典:写真AC