塩ビパイプとは?
塩ビパイプとは、正確には「塩化ビニル管」といいます。主に水道管や輸送配管として使われる建築資材で、ホームセンターなどで購入可能です。塩ビパイプの主原料は塩化ビニルという素材で、軽くてDIY初心者でも扱いやすいと注目されています。
塩ビパイプの特徴
加工しやすい
塩ビパイプは木材に比べてカットするのが簡単なため、加工しやすい素材として人気です。組み立てるときも接続パーツを使うので、DIYでよく使われるドライバーなどの道具がなくても加工できます。
値段が安い
塩ビパイプは、ホームセンターやインターネットで購入可能です。塩ビパイプの価格は太さや長さによって変わりますが、接続パーツや塗装剤の購入費をあわせても、ほかのDIY素材よりも比較的安価で購入できます。
塩ビパイプVP【関西化工株式会社】
関西化工株式会社 塩ビパイプ VP PVC 50cm (VP13 外径18mm×長さ500mm)
参考価格: 440円
外径18mmの塩ビパイプは、カットしやすいのでDIYに使われることが多いサイズです。ただし、口径が小さいと重みで塩ビパイプが曲がってしまう可能性があります。完成したものに重いものを載せる予定なら、口径の大きなものを選びましょう。
耐久性が高い
塩ビパイプは本来水道管として使われ、水や汚れに強いという特徴があります。塩ビパイプの主原料である塩化ビニルはプラスチックの一種で、金属や木材よりも腐食に強く耐久性に優れています。塩ビパイプで自作したラックをガーデニング用に屋外に置いてもさびにくいです。
塩ビパイプの種類
給水用塩ビパイプ(VPパイプ)
給水用塩ビパイプは通称VPパイプと呼ばれていて、主に給水系配管に使われます。給水用塩ビパイプは水が通るときにポンプからの圧力がかかるため強度があり、重いものを載せる棚などを自作するときに使うのがおすすめです。
排水用塩ビパイプ
排水用塩ビパイプは主に排水系配管に使用され、給水用塩ビパイプに比べてやや肉薄です。給水用塩ビパイプよりも強度が低く、耐荷重が必要な棚などのDIYではあまり使われません。しかし、エアコン専用の排水パイプはおしゃれな外観のものが多いので、インテリア小物などを自作するときは排水用塩ビパイプを使うとよいでしょう。
塩ビパイプを使ったDIYアイデア7選
DIY実例①アイアン調ラック
ラックは作り方が簡単で、棚の段数を変えるなどのアレンジができますよ。塩ビパイプをブラックに塗装すると、アイアンラックのような仕上がりになります。塩ビパイプのさびにくい特性を生かして、ガーデニング用に屋外に設置するのもよいですね。
DIY実例②収納できるキッチンワゴン
基本の棚の作り方をアレンジすると、収納力のあるキッチンワゴンも作れます。キャスターをつけたりタオルハンガーをつけたりするなど、自分好みのキッチンワゴンを自作してみましょう。キャスターをつければ、クローゼットの収納ラックとしても使えますよ。
DIY実例③ウォールラック
デッドスペースになりがちな壁にラックをとりつけると、壁面を収納スペースとして有効活用できます。塩ビパイプは軽いので、金属や木材よりも壁に設置しやすいです。棚板に施したエイジング加工で、重厚感を感じられるラックに仕上がっています。
DIY実例④オリジナリティあふれるベンチ
耐久性が高い塩ビパイプは、ベンチにしても壊れにくいです。ベンチを作るときは、太めで強度のある塩ビパイプを使うようにしましょう。背もたれのカラフルな塗装は、ポップなインテリアにもマッチしますね。
DIY実例⑤ビンテージ感あるハンガーラック
シンプルなハンガーラックは、製作工程が少ないので短時間で作れますよ。シルバーの塗装にエイジング風の塗装をして、見せる収納にぴったりなおしゃれなハンガーラックに仕上げています。
DIY実例⑥インテリアのアクセントになる小物
塩ビパイプとカッティングボードを組み合わせると、おしゃれなインテリア小物になります。塩ビパイプの部分に植物を植えれば、室内ガーデニングが楽しめますよ。塩ビパイプは水に強いので、プランターの代用として使ってもOKです。
DIY実例⑦端材で自作したペーパーホルダー
余った塩ビパイプと端材があれば、ペーパーホルダーが作れます。塩ビパイプをペーパーホルダーにすると塗装がはげることがあるので、仕上げにニスを塗っておくとよいでしょう。安価なOSB合板を使ったペーパーホルダーは、低コストなのにおしゃれですね。
塩ビパイプを使った棚の作り方
塩ビパイプを使うとインテリア小物や収納ラックなどが自作できますが、DIY初心者の人はまず棚やラックを作るのをおすすめします。棚やラックの作り方は簡単で、DIYに慣れていない人でも失敗しにくいからです。棚やラックはインテリアにあわせて塗装を変えたり壁に固定したりするなどと、アレンジしやすいのもおすすめする理由の1つです。
作り方①用意する道具
塩ビパイプで棚を作るときは、以下の道具を用意しましょう。
- パイプカッター
- ヤスリ
- 接着剤
作り方②材料
棚づくりに必要な材料は以下のとおりです。
- 塩ビパイプ
- 接続パーツ
- 棚板
- 塗装剤
作り方③塩ビパイプをカットする
作りたい棚の大きさにあわせて、塩ビパイプをカットします。このとき、接続パーツの大きさも考えてカットしましょう。DIY初心者にありがちな計測ミスは、接続パーツの大きさを含めていないことが原因であることが多いです。完成したものは接続パーツも含めての大きさなので、使う接続パーツの分を差し引いた長さで塩ビパイプをカットしてください。
作り方④接続パーツをつけて組み立てる
カットした塩ビパイプの切断面にヤスリをかけたら、接続パーツをつけて組み立てます。このとき、しっかり固定するために、接着剤を使って塩ビパイプと接続パーツをつなげましょう。固定するのはネジでもよいのですが、接着剤のほうが簡単できれいに仕上がります。接着剤は塩ビパイプ専用のものを使うのがおすすめです。
作り方⑤塗装する
組み立てが終わったら、塗装剤で塗装しましょう。塗装をすると、無機質だった塩ビパイプがおしゃれな印象を与えますよ。色はブラックやシルバーが人気で、2度塗りをすることでムラなくきれいに仕上がります。
ベースの色を塗り終わったあとに、ブラウンなどの色をスポンジでぽんぽんとたたくようにのせると、エイジング風の塗装になります。
エイジング風の塗装はまるでサビがついたように見えておしゃれで、どんなインテリアとも相性がよいですよ。
まとめ
塩ビパイプは、ホームセンターやインターネットで購入できるDIY素材です。価格が安く加工しやすいので、初心者の人も失敗することなくDIYができますよ。塩ビパイプは耐水性や耐久性が高く、さびにくいという特徴があります。塩ビパイプで作った棚を屋外に設置してガーデニング用に使うのもおすすめです。簡単に棚が作れるのでぜひチャレンジしてみてくださいね。
出典:写真AC