「彼岸入り」とは?時期・意味やお供えに向いている花を季節別に紹介!

「彼岸入り」とは?時期・意味やお供えに向いている花を季節別に紹介!

彼岸入りとは春と秋にある彼岸の初日のことです。彼岸の時期には、先祖供養のために仏壇の掃除や墓参りなど、さまざまな風習があります。今回は彼岸入りの時期や意味、春と秋の彼岸のお供えに向いている花の種類を紹介します。お供えに向いていない花もチェックしましょう。

記事の目次

  1. 1.彼岸入り(ひがんいり)とは?
  2. 2.彼岸入りの「彼岸」の意味は?
  3. 3.お彼岸のお供えに向いている花とは?
  4. 4.春のお彼岸のお供えに向いている花3選
  5. 5.秋のお彼岸のお供えに向いている花3選
  6. 6.お彼岸は先祖に感謝する大切な時期

彼岸入り(ひがんいり)とは?

フリー写真素材ぱくたそ

春と秋に訪れる仏教行事

彼岸入り(ひがんいり)とは、春と秋の年2回訪れる「彼岸」と呼ばれる期間の初日のことです。期間はどちらも7日間で、春の彼岸は3月の春分の日、秋の彼岸は9月の秋分の日の前後3日間を彼岸の期間とします。この期間中に行うのが仏壇・仏具の管理清掃や墓参り、お供えの花やお菓子の準備などです。ちなみに春分・秋分の日は「中日(ちゅうにち)」、彼岸の最終日は「彼岸明け(ひがんあけ)」と呼ばれています。

「お」をつけて「お彼岸(おひがん)」「お中日(おちゅうにち)」と呼ぶこともあります。

彼岸入りの日は年によって異なる

Photo by halfrain

3月と9月の彼岸の期間は、それぞれ春分の日と秋分の日を基準に決められます。ところが、春分・秋分の日の日付は年によって違うため、彼岸の時期にも違いが生じるのです。春分・秋分の日は、どちらも太陽が真東から昇って真西に沈むという、特別な軌道をたどる日とされています。太陽の運行は年によって違うため、春分・秋分の日は年によって日付が異なってしまうのです。

春分・秋分の日はどうやって決めている?

3月の春分と9月の秋分の日は「暦象年表(れきしょうねんぴょう)」にもとづき、毎年2月に行う閣議によって決められています。暦象年表とは国立天文台が作成している冊子です。二十四節気や雑節、太陽、月、惑星の位置など、天文に関するさまざまな情報を掲載しています。この年表にもとづいて翌年の春分・秋分の該当日を割り出し、発表されるというわけです。

3月の春分と9月の秋分の日は国民の休日でもあるから、官報にも掲載されるんだよ。

彼岸入りに行うことは?

①仏壇や墓の掃除

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先祖供養を滞りなく進めるためにも、まずは仏壇や仏具、お墓や納骨堂の掃除です。仏壇・仏具は日頃からきちんと管理して、お供え物をしている家庭でも、何かと忙しい現代では細かい部分までは行き届かないことがあるでしょう。また、墓や納骨堂となると、掃除どころか日常は管理すらも難しいという方も少なくありません。彼岸入りを機会に、普段はなかなかできない箇所を徹底的に掃除しましょう。

②お供え物の用意

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先祖供養にはお供え物が欠かせません。春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」を供えるのが一般的ですが、故人の好物を知っている場合は、好物を用意するのもよいでしょう。花については、かつては彼岸の時期にあたる3月・9月に開花する花、または咲いている花というふうに、季節にあった生花をお供えするのが基本とされていました。しかし、近年は年中購入できる生花の種類が多いため、選択肢が増えています。

彼岸の時期の墓参りは混雑することが多いから、彼岸入りの前に準備しておこうね。

霊園によっては、彼岸の期間中は休日の日程が変わっている場合があります。霊園の管理事務所に確認しておくとよいでしょう。

彼岸入りに墓参りする風習は日本だけ

Photo by MIKI Yoshihito. (#mikiyoshihito)

彼岸は仏教由来の言葉です。そのため、彼岸の時期の墓参りは仏教徒が多い国の風習と思われがちですが、実際は日本だけが行っています。春分の日には「自然を称え、生物を慈しむ」という意味、秋分の日には「祖先を敬い、故人を偲ぶ」という意味があることと、日本には仏教が伝来する前から、先祖や自然を崇拝する文化が根づいていたことが関係しているのでしょう。

春と秋の彼岸入りの違いはある?

どちらの彼岸も、行うことはほとんど変わりません。墓参りなどの先祖供養や、寺では宗派に関係なく「彼岸会(ひがんえ)」と称する法要を行います。なお、彼岸会に参加する場合は、お布施が必要になるため注意しましょう。

地域によっては、春のお彼岸のお供え物は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」という違いがあるわ。

それぞれの彼岸の時期に咲く花に見立てているからといわれているよ。「ぼたもち」は牡丹に、「おはぎ」は萩に見立てているんだって。

彼岸入りの「彼岸」の意味は?

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彼岸は、サンスクリット語の仏教用語「Pāramitā(パーラミター、波羅蜜)」の意訳「至彼岸」という言葉から生まれました。仏教では数々の煩悩に悩まされる現世を「此岸(しがん)」と呼び、煩悩を乗り越えて得る悟りの境地を「彼岸」と呼んでいます。生死を隔てる川を「三途の川」と呼ぶように、悟りを得るために乗り越えなければならない煩悩を川にたとえた呼称なのです。

浄土思想と結びつく

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浄土思想では、阿弥陀如来が治める極楽浄土は西方にあると定義しています。そこから生まれた風習が、彼岸の時期、特に真西に太陽が沈む中日(春分・秋分)に太陽が沈む西の方角を礼拝する風習というものです。それがやがて先祖供養の行事へとつながっていきます。現在、3月の春彼岸と9月の秋彼岸は夏のお盆と並ぶ仏教行事となりました。

7日の期間の理由

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悟りの境地という意味を持つ彼岸には、「悟りの境地に到達するための修行期間」という意味もあります。その修行を「波羅蜜多(はらみった)」と呼び、「六波羅蜜」と「十波羅蜜」の2種類があるとされています。現在、仏教の主流派である大乗仏教では前者が実践されているため、修行というと六波羅蜜を指すことが多いです。六波羅蜜、すなわち6種類の修行項目を修めるために、彼岸の期間は7日間とされました。

中日(春分・秋分)は先祖を偲び、それ以外の6日を六波羅蜜を修めることに費やすんだ。1日で1つずつ修めていくんだよ。

次のページで、お彼岸のお供えに向いている花を見ていきましょう!

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お彼岸のお供えに向いている花とは?

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