松ぼっくりは優秀なDIYアイテム
松ぼっくりは、球果植物門に属する針葉樹の果実のようなもの(球果)の総称です。松ぼっくりは強度も美しさも兼ね備えています。接着や固定がしやすく、大きさや形が豊富なことも利点です。松ぼっくりはアイデアと工夫次第でさまざまに使い道が広がるアイテムとして、人気があります。
ボタ爺
まず、いろいろな松ぼっくりをご紹介しよう。
松ぼっくりの種類
松ぼっくりといえば、マツ目マツ科の植物の球果を思い浮かべることが多いかもしれません。しかし一般的には、ヒノキやスギなどマツ目ヒノキ科の球果も、松ぼっくりと呼ばれています。公園や野山に出かけたときに、形や大きさをいろいろ取り揃えて集めておくとよいでしょう。
マツ目マツ科 | クロマツ、アカマツ、ダイオウショウ、テーダマツ、ストローブマツ、ドイツトウヒ、カラマツ、ツガ、ヒマラヤスギなど |
マツ目ヒノキ科 | ヒノキ、スギ、メタセコイア、コウヨウザン、ラクウショウなど |
ボタ爺
割れや型崩れのないものを選んで集めよう。松ぼっくりの中には、鋭いとトゲを持つものがあるので要注意じゃよ。
ボタニ子
松ぼっくり拾いは楽しいし、子どもも大好きよ。枝や葉、被子植物の種子なども一緒に集めておくと、DIYの幅が広がるわね。
ボタ爺
松ぼっくりは100均やインターネットでも販売されておるぞ。
松ぼっくりの下処理
拾った松ぼっくりは下処理をします。松ぼっくりの鱗片の間に虫がいることがあるためです。寒い場所から暖かい部屋の中に持ち込むと、虫が出てきて部屋を飛び回ることもあります。どの処理で安心できるかどうかは人それぞれです。食品に使う器具類を木の実に使うのは抵抗があるという方もいます。ご自身が納得できる方法を選び、必要に応じて組み合わせて処理するとよいでしょう。
松ぼっくりの下処理方法 | 下処理のコツ |
ビニール袋に入れて殺虫剤を吹き込み、 ぎゅっと口をしばって一晩おく |
べたつきや臭いの少ない殺虫剤を選ぶ |
筆やブラシで鱗片の間を掃除する | 奥まで掃除する |
水に浸けて洗う | 処理後はよく乾燥させる |
熱湯でゆでる | 鍋に臭いや色、松脂などがつくことがあるため専用の鍋を用意し、処理後はよく乾燥させる |
電子レンジで加熱する | 庫内に臭いや松脂などがつくことがあるため注意が必要 |
ボタ爺
ヒマラヤスギのように根元側から鱗片が落ちやすいものは、接着剤などで補強しておこう。
松ぼっくりのDIYに必要な材料と道具
松ぼっくりのDIYに必要なものは、使い道や使い方によって異なります。以下は、あると便利なものの一例です。装飾できる材料には、フェルトやビーズ、画用紙などもあります。100均グッズも使って、自由にDIYを楽しみましょう。
松ぼっくりDIYの材料・道具
- 接着できるもの(手軽なものはグルーガン、強力・耐久性があるのは接着剤)
- ハサミ、ペンチなどの工具
- ピンセット(細かい部分の作業がしやすい)
- 着色用スプレーやマジック
- 装飾で使うもの(目玉シール、ワイヤー、ひも、リボンなど)
ボタニ子
グルーガンを使うのって、ちょっと苦手…。糸を引いて作品が汚くなっちゃうの。
ボタ爺
余分なところについたグルーは、しっかり冷めてから指やピンセットで取り除いたり、はさみで切ったりするとよいぞ。
松ぼっくりのDIY①動物
松ぼっくりで動物を作るときは、パーツごとの大きさをバランスよく選ぶのがポイントです。画像はクマを作る材料です。鼻口部にはヤマノイモの実、目に目玉シールを使いましたが、画用紙やフェルトを材料にしてもよいでしょう。土台は必ずしも必要ではありません。土台は椅子に見立てて座らせたり、自立しなかった場合に土台に接着して安定させたりします。
作り方は簡単で、それぞれのパーツをグルーガンや接着剤でつけるだけです。つけたい場所に一度当ててみて、場所や向きを確認してから接着しましょう。好みにもよりますが、動物の目の位置が顔の半分程度か、それより下になっているとかわいらしく見えます。動物のイメージに合わせて、木の枝やどんぐりなどと一緒におしゃれに飾りましょう。
今回ご紹介したクマは、耳やしっぽの形を変えたり、ひげをつけたりするだけで、ほかの動物に変わります。画像左はウサギ、右はネコです。
こちらは子どものアイデアで作った鳥です。くちばしは桐の実、翼はどんぐりの葉、尾は杉の葉で作っています。適当な形のものが見つからないときは、フェルトや画用紙など手持ちの材料で工夫してみましょう。
ボタニ子
決まった作り方なんてないのね。ひらめきと工夫で、どんな動物でも作れそう!
ボタ爺
自然の中で遊びながら材料を集め、自由に工作しよう。自然体験は子どもの発達にもよい影響を与えるといわれておるぞ。
松ぼっくりのDIY②かわいいモンスター
次は、かわいいモンスターです。松ぼっくりの元の部分と、真ん中辺りにワイヤーを巻き付けて、足と腕にします。ワイヤーの先で怪我をしないように、丸めておくと安心です。目や口などを自由につけます。
画像ではさらに、帽子と蝶ネクタイをつけてみました。足を土台に固定して立ててもよいですし、腕のワイヤーをマグカップや観葉植物に引っかけて飾るのもおしゃれです。手の先のワイヤーを2回巻くと、その間にメモなどの紙をはさめます。
小物を変えて季節を表現するのもよいでしょう。梅雨のころには傘(画像左)、ハロウィンには魔女の帽子とほうき(画像中央)、クリスマスにはサンタ帽(画像右)というように、工夫してみてください。
こちらは、モンスターを子どもと一緒にたくさん作ってみました。手足の材料がワイヤーなので、横にも縦にも自由につなげます。にぎやかで微笑ましい雰囲気になりました。
ボタニ子
本当に自由に創作できるし、かわいいわね!次は、松ぼっくりのおしゃれな使い道も知りたいわ。
松ぼっくりのDIY③ドライフラワー風
松ぼっくりは、ドライフラワーのようにも使えます。画像では例としてコウヨウザンの松ぼっくりを使用していますが、普通の松ぼっくりでも作り方は同様です。松ぼっくりの根元にワイヤーを半周かけ(画像左上)、中心でねじります(画像右上)。何かに結びつけたい場合は、この状態で使ってください。茎を作りたい場合は、ワイヤーを最後までねじり(画像左下)、フローラルテープを巻きます(画像右下)。
ヒマラヤスギ(シダローズ)の場合は、同じ作り方をすると外側の鱗片がはがれてしまいます。そこで、裏の中央にあいている穴に接着剤を入れ、ワイヤーや竹ひごをさして固定するとよいでしょう。
コウヨウザンの実は、一緒に落ちていた葉をあしらって、スワッグのように仕立ててみました。ヒマラヤスギ(シダローズ)は、桐の実や100均アイテムと一緒に陶器に飾っています。松ぼっくりの花は結構重いため、器には重りになるものを入れて、しっかり支えるのがポイントです。
ボタニ子
シックな雰囲気で素敵だわ!次は松ぼっくりのリースの作り方を教えて。
出典:筆者撮影(本記事掲載の全画像)