ソラマメとは?
ソラマメはマメ科の野菜です。冬から家庭菜園が始められる数少ない野菜でもあります。冬から家庭菜園を始めて、収穫できるのは約半年後と少し長いですが、冬の家庭菜園を楽しむためにはとても適している野菜です。
基本情報
学名 | Vicia faba |
分類 | マメ科ソラマメ属 |
種まき | 10月~11月 |
土壌 | 酸性土壌に弱い |
連作 | あり 4~5年開けるため、輪作がおすすめ |
ソラマメの特徴
ソラマメは、さやが空を向いて実ことから「空豆」と呼ばれています。熟していくと、空を向いていたさやは下を向く、もしくは地面と平行になるのが特徴です。また、マメには黒い「お歯黒」と呼ばれる部分があります。鉄分などの栄養素が豊富に含まれている野菜です。
ソラマメは死の象徴?
ソラマメの花びらには黒い点があります。その点が死を連想させるということから、西洋ではソラマメを葬儀に使う風習がありました。さらには、ソラマメの中茎は冥界と繋がっていて、マメの中には死んだ人の魂が入っていると考えられていました。
ソラマメは古い野菜でもある
西洋では死の象徴として不吉に扱われていたソラマメですが、そんなソラマメの歴史は古いです。エジプトでは4000年も前から栽培が始まっていたという記録も残っています。日本には8世紀頃にやってきて、17世紀ごろから栽培されるようになりました。明治時代にもなると、ソラマメの消費がさかんになり、さまざまな品種もでてきました。
ソラマメの育て方:種まきから発芽まで
ソラマメは種から栽培できます。地植えとポットに種まきをする方法があるので、種まきの方法を発芽まで紹介します。
植え付ける場所
ソラマメは、日当たりのいい場所を好みます。そのため、植え付ける場所は日当たりがいい場所がおすすめです。さらに、ソラマメには連作障害があります。ソラマメを育ててから4~5年あけた畑、もしくは輪作をした畑でないと育てることができません。ソラマメの種まき、植え付けなどが2回目以降の場合は注意してください。また、植える土は排水が高いとベストです。
種まきの時期
栽培の生育適温温度は16~20℃です。冷涼な気候を好みますが、成長しはじめると寒さに弱くなり、25℃以上の温度では生育が悪くなることがあります。そのため、ソラマメをベストな時期に育てるのには、種まきは秋の季節に行う必要があります。種まきのベストな時期は10月~11月ですが、幼苗は寒さにも耐えるので、種まきの時期は少し遅くなって冬になってしまっても大丈夫です。
ボタニ子
種まきの方法
土作り
地植えに直接種まきを行う場合は、土作りから始めます。ソラマメは酸性土壌に弱いです。そのため、植え付け2週間前までのタイミングで苦土石灰を畑全体に混ぜよく耕す必要があります。その後、植え付け1週間前までのタイミングで、堆肥と化成肥料を混ぜよく耕し、このときに、畝幅80cm、高さ10cmの畝をしっかりと作っておきます。
種まき
土作りが終わると、いよいよ種まきです。ソラマメは、株間30cmを必要とします。株間を開け、植える穴を作り、その穴にソラマメを2~3粒まいていきます。このときに、ソラマメの黒い部分を斜め下向きにして植えていくのがポイントです。
ポットに種まきをする方法
ソラマメは、発芽率がそれほどよくありません。そのため、ポットに種を植えて苗が育ったら植え付けをするという栽培方法があります。やり方は、地植えのときと変わりませんが、このときもソラマメの黒い部分を下向きにして植えるのがポイントです。ポットに植え付ける栽培方法では、市販の用土を使うのがおすすめです。
ボタニ子
ソラマメを土に植えたあと、ソラマメが半分くらい見えるように土をかけていくのがポイントです。
発芽までの日数
植え付けをしてから、発芽までの日数は5日~7日です。中には10日前後の日数がかかるものもあるので、5日以上の日数がたっていてもしばらく様子を見てください。
発芽までの管理方法
水やり
種まき後は、たっぷりと水やりを行ってください。また、このときに土が動くことがあります。そのときは、土を足してあげてください。
次のページでは、発芽したあとの育て方、冬越しのコツ、冬以降の管理方法、収穫のポイント、さらには害虫対策までくわしく解説します!
寒い冬の季節になると、植え付けられる野菜の数は春よりもぐっと減ります。ソラマメは冬からでも家庭菜園で栽培を始められる、うってつけの野菜です。