皮も食べたほうがいい野菜⑥アスパラガス
アスパラガスはビタミン類やたんぱく質の合成に関わるアスパラギン酸など、貴重な栄養素を豊富に含みます。一方、皮はかたくて食べにくいため、皮をむいて食べることが多い野菜です。しかしアスパラガスの皮には、強い抗酸化作用を持つポリフェノールが含まれています。アスパラガス特有の風味もあり、食べずに捨てるのは惜しい部分でしょう。
かき揚げが効果的
新鮮なアスパラガスは皮もみずみずしいです。人参や玉ねぎ、エビなどとあわせてかき揚げにすると、サクサク食感とアスパラガスの独特の風味が楽しめますよ。若いアスパラガスを収穫したミニアスパラガスもおすすめの食材です。筋がなくてやわらかいため、皮をむかなくても根元まで食べられます。
皮も食べたほうがいい野菜⑦長芋
長芋はヤマノイモ科の野菜のなかでは水分が多く、アクも少ないため皮をむかずに調理できます。長芋は「山のウナギ」と呼ばれるほど、滋養強壮の効能が高いことで有名です。タンパク質の消化吸収を助け、食欲を促進する作用があります。長芋の皮には、それらの栄養成分がたっぷりと含まれているのです。長芋の滋養強壮効果をあますところなく摂取したいなら皮ごと食べましょう。
皮ごとすりおろすのが効果的
長芋の栄養成分のほとんどは熱に弱いため、生食か短時間調理がおすすめです。特におすすめは、皮ごとすりおろした「とろろご飯」でしょう。長芋のひげ根をコンロの火などで焼いて落とし、皮ごとすりおろします。皮ごとすりおろしたとろろは風味が増しておいしいですよ。栄養素も無駄なくたっぷり摂取できます。
皮も食べたほうがいい野菜⑧生姜
生姜は独特の香りと辛味から、薬味として扱われることも多い野菜です。生姜の辛味成分には新陳代謝を活発化する作用があります。そして生姜のなかで辛味成分を特に多く含むのが、皮に近い部分です。生姜の皮は食用可能ですが、鮮度が落ちると色が悪くなったり、乾燥したりして使い勝手が悪くなってしまいます。皮ごと使いたいなら新鮮な生姜を選びましょう。
すりおろし・スライスが効果的
皮つき生姜はそのまますりおろすか、スライスして料理に使う方法がおすすめです。生姜は皮をむかないで使うほうが、香りがよく栄養が無駄なくとれます。すりおろした生姜は生姜焼き、スライスした生姜はスープ料理がおすすめです。生姜焼きは肉の臭みを消し、栄養を存分にいかしてくれます。スープ料理はスープに入れるほかの具材も、スープに溶け出した栄養もしっかり摂取できる点が魅力です。
皮も食べたほうがいい野菜⑨ナス
ナスは抗酸化物質、カリウム、食物繊維を豊富に含み、有効な栄養成分のほとんどが、皮の周辺にかたよっています。このため栄養面を考えると、皮ごと調理するのがおすすめです。ナスはアクが強いため、調理の際にはアク抜きのために水に浸します。水に浸ける時間にも注意が必要です。ナスの栄養成分は水溶性のものが多いため、水に浸す時間が長すぎると栄養が溶け出してしまいます。
近年の品種改良で誕生したナスはアクが少ないので、アク抜き作業を省いても大丈夫ですよ。
漬物や天ぷらが効果的
ナスを皮ごと食べるなら、おすすめは漬物です。ナスの栄養成分は水溶性が多く、熱に弱いものもあるため、栄養面で考えれば、生野菜を使う漬物やサラダが効率的な食べ方でしょう。なすは油と相性がよいため、天ぷらや炒め物もおすすめです。加熱が短時間ですむうえに、油が水溶性の栄養素をコーティングしてくれるため、栄養の減少を抑えられます。
「揚げ物や炒め物はカロリーが気になる」という方には、煮汁に溶け出した栄養ごと食べられる汁物料理がおすすめだよ。
野菜の皮を捨てる理由
理由①食感をよくする
野菜の皮が捨てる部分とされてしまう理由は、食感やのど越しをよくするためです。野菜の皮は野菜の組織を支える役目上、食物繊維を多く含みます。このため皮をむかないで食べた場合、食感やのど越しが悪くなってしまうのです。また、食物繊維が多過ぎるものを食べると、消化不良を起こしてお腹を壊してしまう恐れもあります。
野菜の皮を捨てる理由は、野菜をおいしく食べられるようにするためだけではないんですね。
食物繊維は体内の消化酵素で分解できないから、多過ぎると消化不良を起こしてしまうんだよ。
理由②農薬や細菌の除去
食べられるはずの野菜の皮を捨ててしまう理由は、安全性のためです。野菜の皮には栽培中に使用した農薬が残っている恐れ、根菜の場合は、土中の細菌が付着している可能性があります。実際は栽培中の農薬の使用に関しては厳しい規定があり、収穫した野菜も農薬や細菌が残留しているかどうか検査されるため、安全面を過剰に心配する必要はありません。
野菜の皮を上手に活用しよう
野菜の皮の多くは、貴重な栄養素がたっぷりと含まれています。利用すれば美容・健康面でよい効果が望めるでしょう。また、近年は環境保護の観点からゴミを減らす活動が盛んです。野菜の皮を捨てずに利用することは、そのままゴミの減少につながります。野菜の皮を積極的に活用して、豊かな食事と環境の美化に役立てましょう。
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出典:写真AC