身近な柑橘類のグレープフルーツ
グレープフルーツは亜熱帯地方が産地の柑橘類です。さわやかな香りで甘酸っぱい果実はジューシーでみずみずしく、美容や健康にさまざまな効果がある人気のフルーツです。1本の木の枝にぶどうのような房状に実がなることから、グレープフルーツと呼ばれるようになりました。香りがぶどうに似ているからという説もあります。
基本情報
科目・属 | ミカン科・ミカン属・グレープフルーツ種 |
園芸部類 | 果樹 |
花の色 | 白色 |
耐寒性 | 弱い(防寒対策が必要) |
耐暑性 | 強い(18℃以上の気温が最適) |
原産国 | 西インド諸島 |
英名 | Grapefruit |
学名 | Citrus Paradisi |
別名 | 葡萄柚 |
ボタニ子
意外にも日本での栽培も可能で、防寒対策は必要だけど、温暖な静岡や熊本などで栽培されているものもあるのよ。
品種・産地など
マーシュ | 一般的なグレープフルーツで、果汁が多め、果肉は白っぽくて薄黄色で特有の酸味やほろ苦さがある。 |
ルビー (ピンクグレープ フルーツ) |
果肉が赤っぽくピンク色、果皮は黄色からオレンジだが、一部が赤みを帯びているものもある。酸味がひかえめ。 |
スタールビー | 果皮は濃いめのオレンジ色、赤が濃い部分もあり、果肉はルビーより濃いルビー色。苦みが少なく甘みが強め。流通量はあまり多くない。 |
スウィーティー・ オロブランコ |
果皮が緑色、ポメロ(文旦)とグレープフルーツを掛け合わせた品種。アメリカ産がオロブランコ、イスラエル産がスウィーティーと呼ばれている。一般的なグレープフルーツより酸味が少ない。 |
メロゴールド | グレープフルーツとオロブランコを掛け合わせたもの。果皮が緑色からゴールド、黄色に変わる。酸味は少なく甘い。 |
日本に出回っているグレープフルーツは、ほぼ海外からの輸入で、多くが主にアメリカ産です。旬の時期は2月下旬~5月下旬ですが、品種により少し時期が違います。しかし輸入物が多いため、一年中グレープフルーツは手に入りやすく旬の時期が意識しにくいフルーツであるといえます。
おいしいグレープフルーツの見極め方
グレープフルーツは、形がよく外側の皮がなめらかでハリとつやがあり、色が鮮やかでへこみがなく、手で持ったときに重量感があるものを選ぶとよいでしょう。輸入されているものが多いため、細かな部分のシミや傷まで気にする必要はありません。
薬を飲んでいる人は飲み合わせに注意!
グレープフルーツは薬との飲み合わせに注意が必要です。飲んでいる薬との組み合わせで薬が効きすぎたり、反対にまったく効かなくなって体に悪い影響が出たりする「相互作用」が生じることがあります。血圧の薬を飲んでいる人、コレステロールを下げる薬を飲んでいる人、てんかんの薬を飲んでいる人などは特にご注意ください。
グレープフルーツの栄養素
エネルギー | 38kcal |
脂質 | 0.1g |
カリウム | 140mg |
βカロテン(ルビー種) | 400μg |
ビタミンC | 36mg |
クエン酸 | 1.1g |
食物繊維(水溶性) | 0.2mg |
グレープフルーツにはさまざまな栄養分が含まれており、グレープフルーツを1日に1/2個食べると、ビタミンCは国の定めた栄養所要量の50mgを摂取できます。ほかにもビタミンB1、カリウムが含まれ、低カロリー、低脂質であることも特徴のひとつです。ルビー種など紅肉種にはβカロテン、リコピンが潤沢に入っています。
ボタニ子
グレープフルーツの種類(ホワイト種・ルビー種など)による栄養素の違いは色素だけなの。カロリーやビタミンなどに違いはないのよ。
栄養素①ビタミンC
柑橘類の中でグレープフルーツのビタミンCの量はとても豊富です。ビタミンCはコラーゲンとタンパク質の生成に必要なビタミンで、病気に対する抵抗力を高め、皮膚や粘膜によいとされるビタミンです。水溶性ビタミンで、たくさん摂取しても尿から排出されます。ビタミンCは空腹時より満腹時のほうが吸収速度はゆるやかなため、食後のデザートのほうが効果的です。
栄養素②食物繊維
食物繊維には、便秘予防、整腸効果、急激な血糖値上昇を防ぐ効果、血液中のコレステロールの濃度を低くする作用などがあるとされます。日本人には不足しがちのため、積極的にとりたい成分です。グレープフルーツの食物繊維はペクチンといわれる水溶性の食物繊維です。実の部分より皮に多く含まれているため、ジャムなどにして皮も一緒に摂取するのもよいでしょう。
栄養素③カリウム
カリウムはミネラルの一種で、成人の体内におよそ200g 含有されています。主に細胞の中で機能し、細胞の浸透圧の維持や水分保持の役割を担っています。カリウムはナトリウムの排出をしやすくする作用があり、塩分調節の役割もあります。血圧を下げる栄養素であり、むくみ防止にも有効です。
栄養素④リコピン・βカロテン
ホワイトにはありませんが、赤いルビーグレープフルーツにはリコピン・βカロテンともに、カロテノイドといわれる脂溶性色素成分があります。リコピンはβカロテンの2倍以上もの抗酸化作用に優れた成分があるといわれ、老化予防にも効果が期待できるでしょう。βカロテンは体の中に入ってビタミンAとなり、皮膚や粘膜を頑丈にする働きがあって免疫力が高まります。
栄養素⑤クエン酸
クエン酸は柑橘類、酢などに含まれるさわやかな酸味の成分です。人間の体のエネルギー生成や疲労回復に役立ち、生きていくための大事なエネルギーを作り出す必要不可欠な成分です。クエン酸だけでなく、エネルギー生成に必要なビタミンB群と同時に摂取するとより効果的でしょう。
グレープフルーツの木は常緑樹で、平均高さ5~6m、大きいものでは15mくらいになります。
出典:pixabay