レインリリーの概要
レインリリーは「ゼフィランサス」や「ハブランサス」という名前でも流通している、耐寒性球根植物です。雨が降るといっせいに開花を始めるのが特徴で「レインリリー(雨のゆり)」という愛称で呼ばれています。開花時期が長く、育て方が簡単なため、ガーデニング初心者にもおすすめの植物です。
基本情報
正式名称 | ゼフィランサス、ハブランサス |
英名 | Rain lily |
科名 | ヒガンバナ科 |
属名 | タマスダレ属(ゼフィランサス属) |
別名 | サフランモドキ、タマスダレ |
原産地 | 中アメリカ、西インド諸島 |
特性・用途 | 常緑性、開花時期が長い、耐寒性球根植物 |
花色 | 白、ピンク |
特徴
レインリリーは、6月〜10月にかけて白色やピンク色の花を咲かせる球根植物です。正式名称は「ゼフィランサス」や「サフランサス」で、ほかの植物が暑さで枯れやすい真夏の時期でも、元気いっぱいに花を咲かせます。冬が近づくと地上部が枯れ込み球根の状態で冬越し、春になるとまた新芽を伸ばすのが特徴です。
全ての部分に毒成分を含んでいる
レインリリーは根や葉、茎など全ての部分に「アルカロイド」や「リコリン」という毒成分を含んでいるのが特徴です。レインリリーの葉は、ニラの葉によく似ているため、間違えて口にしないように注意しましょう。レインリリーを口にすると、吐き気や嘔吐、けいれんや引きつけを起こす恐れがあります。
名前の由来
レインリリーは「Rain lily」という英名をもち、直訳すると「雨のゆり」という意味をもちます。レインリリーは乾燥が続く時期に雨が降ると、ゆりに似た花をいっせいに咲かせるのが特徴です。その性質から「レインリリー」という愛称がつけられました。
レインリリーにはたくさんの流通名がある
レインリリーという名前は愛称のため、園芸店では「ゼフィランサス」や「ハブランサス」という名前で販売される場合がほとんどです。また「タマスダレ」という名前で流通している場合もあります。タマスダレは、細くてしなやかな茎がいくつも伸びており、玉のようなつぼみをたくさんつける性質からついた名前です。
花言葉
レインリリーには「汚れなき愛」「潔白な愛」「期待」という花言葉がついています。レインリリーは純白の花や、淡いピンク色の花を咲かせるのが特徴です。その清くて愛らしい花色から「汚れなき愛」や「純白な愛」という花言葉がついたといわれています。
レインリリーの育て方①時期
レインリリーは、乾燥しているときに雨が降ると、次々と花を咲かせるのが特徴です。レインリリーの球根が、水分をたっぷりと含むのが刺激になり、急激に肥大化を始めるのが開花の引き金になっています。レインリリーは、球根の温度を20℃以上に保てば、10月ごろまで長く開花を楽しめるのが魅力です。
植え付けから開花までの時期
植え付け時期 | 3月〜4月 |
植え替え時期 | 3月〜4月 |
肥料の時期 | 6月〜10月 |
分球の時期 | 3月〜4月 |
花が咲く時期/開花時期 | 6月〜10月 |
栽培スケジュールカレンダー
レインリリーの育て方②栽培環境
レインリリーは乾燥を嫌うため、地植えでも鉢植えでも適度に保水性のある用土を使用して管理するのがポイントです。しかし、あまり多湿な環境で育てると、球根が腐ったり病害虫被害を受けたりするため注意しましょう。
栽培方法
プランター・鉢植え・露地
レインリリーは、地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えで栽培する場合は、草丈が40cmほどまで大きく成長するため、ほかの植物の背景になるように植え付けるのがおすすめです。プランターの場合は、株間を15cm〜20cmほどあけて植え付けましょう。植木鉢の場合は、基本的には1つの鉢に1株ずつ植え付けます。
育てる場所
室内・屋外/置き場所・日当たり
レインリリーは、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。日当たりの悪い場所で育てると、茎だけが間延びして花が咲かない場合があります。適度な湿度を好みますが、ジメジメとした多湿な環境で管理するとレインリリーが枯れ込んでくるため、風通しのよい場所で育ててください。
用土
レインリリーは排水性があり、適度に水もちがよい用土を使用して育てます。市販されている「草花用培養土」や「山野草用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を混ぜ込んでから、少量の軽石を加えた用土を使用してください。
地植えにする場合の用土作りは?
レインリリーを地植えにする場合は、腐葉土やパーライトをよくすき込んでからしっかりと耕しておきましょう。地植えにする場所が粘土質の場合は、川砂を混ぜ込んで水はけをよくしておくのがポイントです。植え付けの前に、元肥として堆肥を混ぜ込んでおいても構いません。
レインリリーの育て方③管理のポイント
水やり
レインリリーを地植えで育てている場合、2日以上雨が降らないようならば、地面が潤う程度に水を与えてください。鉢植えの場合は、土の表面が乾ききる前に水やりをしましょう。レインリリーは球根植物のため、あまり多湿にすると球根が腐る恐れがあります。しかし、水切れを起こすと開花しなかったり、茎が赤く変色したりするので注意が必要です。
肥料
肥料は植え付けのときに元肥として、緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきましょう。追肥は開花に合わせて、6月〜10月に施します。1ヵ月に1回〜2回の割合で、カリ成分を多く含んだ液体肥料を与えると、葉につやが出て観葉植物としても楽しめるのが魅力です。肥料の与えすぎは、肥料やけを起こして枯れる原因となるため、規定の分量を守ってください。
レインリリーの育て方④詳しい栽培方法
苗の選び方
レインリリーをポット苗の状態で購入する場合は、葉につやがあり、花芽のたくさんついている苗を選びましょう。葉の裏側までしっかりとチェックして、病害虫被害を受けていない苗を購入してください。
植え替え
レインリリーの植え替えは、植え付けと同じ3月〜4月に行いましょう。地植えの場合、4年〜5年は植えっぱなしにしても構いませんが、球根が込み入ってくると開花しにくくなります。成長が滞っている場合は、球根を掘り起こして分球してから植え替えてください。鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐために、1年〜2年に1回はひと回り大きな鉢に植え替えます。
ボタニ子
次のページでは、花が咲かないときの対処法や、分球や株分けでの増やし方をご紹介します。
出典:写真AC