アルケミラモリスの育て方!手入れのコツや切り花の活用方法を紹介!

アルケミラモリスの育て方!手入れのコツや切り花の活用方法を紹介!

小さな淡い黄緑色の花を咲かせるアルケミラモリスはイングリッシュガーデンでは定番の植物です。お庭でさまざまな花と寄せ植えを楽しむほかに、アルケミラモリスの切り花はドライフラワーにも向いています。育て方のコツと花の楽しみ方をお伝えしましょう。

記事の目次

  1. 1.アルケミラモリスとは
  2. 2.アルケミラモリスの育て方
  3. 3.アルケミラモリスの活用方法
  4. 4.まとめ

アルケミラモリスとは

Photo by amandabhslater

寄せ植えのお庭作りでとても重宝されるアルケミラモリスは、夏の間ライトグリーンのお花で楽しませてくれます。また、扇のような丸い葉も爽やかでとても美しい植物です。育てて楽しんだ後の花と葉の楽しみ方までご紹介します。

アルケミラモリスの基本情報

原産地 東ヨーロッパ〜西アジア
学名 Alchemilla mollis
英名 レディースマントル
和名 ハゴロモグサ
分類 バラ科宿根草
花時期 初夏
花色 黄緑
大きさ 背丈30〜50cm 横幅30〜60cm
花言葉 「輝き」「献身的な愛」「初恋」

名前の由来

アルケミアはアラビア語のAlkemelych(錬金術)から由来しています。昔から薬草として不思議な力を持っていると信じられていました。葉にたまる水の雫もハーブ水として効能があるとされています。

花の特徴

黄緑色の小花が集まって咲きます。ふんわりとした姿は黄色いかすみ草のようです。夏に長い茎を伸ばして、その先に4枚の花弁が開き、萼片とあいまって星型のようになります。花径は0.2〜0.3cmととても小さいです。

葉の特徴

Photo by blumenbiene

常緑である葉の表面は細かい産毛のようなものに覆われてフェルトのようです。扇子状に丸みがある葉の姿がケープのようなので、聖母マリアのマントという意味で「レディース・マントル」という別名があります。雫がコロンと可愛らしいので雨上がりの鑑賞が特におすすめです。

アルケミラモリスの花言葉

Photo by LennyWorthington

夏の暑さの中で淡い太陽の輝きのように見えるところからつけられた「輝き」や「初恋」はとても似合った花言葉と言えるでしょう。「献身的な愛」はガーデンプランニングの中で他の花たちの引き立て役としてグランドカバーに重宝されるアルケミラモリスならではの花言葉です。どれも素敵で使いやすい花言葉になっています。

アルケミラモリスの育て方

Photo by wallygrom

ワンシーズン育てるのは比較的簡単ですが、翌年は花が咲かないということがあります。耐寒性はとても強いのですが、夏の暑さにはとても弱い植物です。毎年、花を楽しむためにお手入れのコツを把握しておきましょう。

用土

鉢植えの場合は山野草用の培養土が便利です。赤玉土と鹿沼土を同量(3:3)、そこに腐葉土(パーク堆肥)と軽石を少量(2:2)混ぜた用土を用意しましょう。地植えの場合は、庭土を20〜30cmほど掘ります。掘り上げた用土に腐葉土か堆肥を3割ほど混ぜるのがよいでしょう。

日当たり

真夏の直射日光や湿気には弱いので明るい木陰や半日陰が好ましいでしょう。一日に数時間、日の当たる場所が理想的です。日照時間が足りないと花が咲かない原因となります。鉢植えの場合は、日差しが強くなったタイミングで風通しの良い場所に移動させましょう。

ボタニ子

ボタニ子

半日陰でも育つけど、日光にあててあげないと花が咲かないことがあるのね。

水やり

Photo bycongerdesign

乾燥しないようにたっぷりの水をあげるように注意しましょう。ですが、真夏に直射日光が当たって蒸れてしまうと根腐れしてしまうので土の乾き具合を必ずチェックします。

肥料

庭植えの時は植え付け時に少量の化成肥料を入れていれば追肥は必要ないでしょう。鉢植えの場合は春と秋に少量追肥します。

植え替え

根が横に広がっていくので浅めに植えつけます。株が大きくなりすぎると根腐れの原因となり花が咲かないこともあるでしょう。植え替えに適した時期は春先か暑さの過ぎた10〜11月頃となります。冬には葉も花も枯れてしまいますが、年越しをして春に新芽が出てくるでしょう。

ボタニ子

ボタニ子

お手入れのひとつとして、株分けが重要な役目を果たすのね。

増やし方

種か株分け、挿し木でも増やすことができます。種まきに適した時期は春と秋のどちらかになりますが、株分けや挿し木は花が咲かなくなった秋がよいでしょう。種まきの場合は成育がよければ2年目から花が咲きます。

ボタニ子

ボタニ子

剪定をして挿し木を作るのも楽しそう!

アルケミラモリスの活用方法

Photo by juliamaudlin

アルケミラモリスを楽しむコツを押さえてみましょう。用途に合わせた育て方ができます。

イングリッシュガーデンの寄せ植え

目立つ色彩の花ではないですが、柔らかな花の色と葉の趣が他の花をよく引き立てるので、イングリッシュガーデンには欠かせません。よく茂ってふんわり広がる姿からグランドカバーや縁取りに最適です。

ボタニ子

ボタニ子

ボリュームいっぱいが素敵!挿し木や株分けで増やしたら、グランドカバーとしてあちこちに植え替えしましょ!

寄せ植えの組み合わせ<その1>

Photo by NakaoSodanshitsu

バラ科のアルケミラモリスはバラと組み合わせてグランドカバーにする植物の代表です。他の低木類との相性もよいでしょう。明るい葉色は通年変わることがないので、どんな花色も引き立ててくれます。

寄せ植えの組み合わせ<その2>

アルケミラモリス自体を主役にするときには、リーフプランツと合わせて緑のグラデーションをつくる楽しさもあります。半日陰で育てるフウチソウや細い葉が広がる姿が美しいカレックスがおすすめです。寄せ植えはボリュームが出やすいので、植え替えのペースを意識しながら育てましょう。

寄せ植えの組み合わせ<その3>

フリー写真素材ぱくたそ

白っぽい葉の色のラムズイヤーもイングリッシュガーデンでは定番です。アルケミラモリスと葉の色のコントラストが組み合わせの楽しさを盛り上げてくれます。

寄せ植えの組み合わせ<その4>

アルケミラモリスと同じ半日陰の植物であるティアレラは花時期も同じで、初夏に白やピンクの花を咲かせてくれます。柔らかな雰囲気のお庭にしたい時にはぜひ組み合わせてみてください。

寄せ植えの組み合わせ<その5>

葉の色の組み合わせといえば、ギボウシとヒューケラも忘れてはいけません。それぞれ特徴的な葉の色になりますので、組み合わせるメインのお花の色や咲く時期を考慮してガーデンデザインをしてみましょう。

ボタニ子

ボタニ子

寄せ植えの醍醐味はグランドカバー選びとも言えるわね。

切り花の飾り方

アルケミラモリスにあった花の飾り方は大きな花瓶に単体でボリュームたっぷりに飾るのが素敵です。1週間ほど楽しめますが鮮度保持剤などを利用して葉や花の褐変を押さえましょう。また寄せ植えと同じようにバラの花と組み合わせるのもおすすめです。

リースつくり

ナチュラルな飾り方としてリースをつくるベースの花材にも向いています。茎は丈夫で扱いやすいです。夏のお庭に咲いた優しい色合いの花と組み合わせて玄関などに飾ると爽やかさを演出できます。

ドライフラワー

ナチュラルな風合いを楽しみたい方は束にして風通しのよい場所に吊るします。ですが、湿気の多い時期に開花するので、自然乾燥では綺麗な色を残すのは難しいでしょう。花色をしっかり残したい場合は、シリカゲルを使ってドライフラワーをつくるのがおすすめです。

ドライフラワーのつくり方

  1. シリカゲルを花が入る大きさの容器に半分入れます。
  2. 採取したアルケミラモリスを容器に入れます。
  3. 全体が埋まるようにシリカゲルを追加します。
  4. 密閉して一週間ほどで乾ききるのを待ちます。
  5. 個体差があるのでまだ乾燥が十分ではない場合期間を伸ばします。
  6. 完成。シリカゲルから丁寧に取り出しましょう。

完成したドライフラワーはそのまま部屋の中に吊り下げたり、無造作に花瓶などに飾っても素敵です。茎が丈夫なので他の花と組み合わせてフラワーリースを作ることもできます。シリカゲルで作ったドライフラワーはハーバリウムにおすすめとなっています。

ハーブ

葉の上には朝露や雨の雫がたまり水がコロンと丸まっています。その姿がとても神秘的で昔からその雫には不思議な力があるとされていました。日本で流通しているアルケミラモリスは観賞用になりますが、ハーブとして使われるのはアルケミラウルガリスやアルケミラクサントクロラといった品種になります。

用途と効能

葉をお茶に混ぜて飲んだり、サラダにして食します。婦人病や更年期障害をやわらげる効果があると言われ、女性のためのハーブと言えるでしょう。煎じた汁は目の炎症、止血、下痢、にきびなどさまざまな効果効能があるため古くから重宝されていました。

まとめ

Photo by amandabhslater

夏の間爽やかな常緑の葉と愛らしい花を咲かせてくれるアルケミラモリスです。お庭でさまざまな植物と寄せ植えを楽しみましょう。ボリュームいっぱいに咲いたら切り花を飾るだけでなく、ぜひドライフラワーでお部屋の中でも長く鑑賞してみてください。夏の終わりには次の年も花が咲くように株分けや植え替えなど、しっかりお手入れをして冬を迎えましょう。

sasahana
ライター

sasahana

クラフト作家としての生活を送りながら、日々、ひとり息子と自然の中をかけまわっています。暮らしを大切にしながら、身近な植物たちとの出会いを楽しんでいます。

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