ウバユリ(姥百合)とは?特徴・花言葉から育て方や食べ方まで解説!

ウバユリ(姥百合)とは?特徴・花言葉から育て方や食べ方まで解説!

ウバユリという花をご存じですか?ユリ科の中でも特にめずらしい形の花を咲かせる、不思議な魅力を持ったユリです。食用としても人気のウバユリについて、花言葉や育て方、よく似た変種との見分け方やおいしい食べ方について解説していきます。

記事の目次

  1. 1.ウバユリ(姥百合)とは
  2. 2.ウバユリの種類
  3. 3.ウバユリの育て方
  4. 4.ウバユリの食べ方
  5. 5.まとめ

ウバユリ(姥百合)とは

 出典:写真AC

ウバユリ(姥百合)は日本の関東から西の地域に自生するユリの仲間です。ユリに似た、筒のような形の花が横向きに咲きます。葉の形はユリとは異なっていて、ハート形です。この葉のかわいらしい形から、英名では「Heartleaf lily(ハートリーフ・リリー)」と呼ばれ親しまれています。茎の下にある鱗茎(うろこ状の葉のこと)は山菜として食用にもなります。若葉も食べられますが、こちらはあくが強いため、あまり食用としては好まれません。

名前 ウバユリ
別名 ネズミユリ、カバユリ
分布 関東地方から九州地方
開花の時期 7月、8月
誕生花 7月19日
花言葉 無垢、純潔、威厳
特徴 一回繁殖型、食用にもなる

名前の由来

ウバユリは漢字で書くと「姥百合」と書きます。「姥」は年配の女性のことです。この不思議な名前の由来としては、いくつかの説があります。

由来①姥のように葉(歯)がないから

ウバユリは花を咲かせる時期になると、葉がほとんど落ちてしまうという特徴があります。このことから「葉(歯)がない」にひっかけて、老女にたとえたこの名前がついたという説です。ちなみに実際は葉がすべて落ちてしまうということはなく、花を咲かせた個体でも、堂々とした大きな葉を残している場合が多いようです。

由来②赤ちゃんを抱っこしているように見えるから

もうひとつの説は、筒状の特徴的な花をつける姿が、「抱っこした赤ちゃんを見つめる女性」に似ているからというものです。こちらの由来はロマンチックですね。控えめで優しい印象のウバユリにぴったりです。

一回繁殖型という性質

ウバユリは、「一回繁殖型」という珍しい特徴を持っている花です。読んで字のごとく、繁殖(開花や結実)は一生に1回だけ行うという性質です。6~8年という長い時間を費やして開花したあとは、根本の鱗茎ごとすべて枯れてしまいます。このようにあっという間に命を終えてしまいますが、ひとつの実の中に500個ほどの種が入っているので、毎年美しい花を咲かせ続けてくれるのです。

ウバユリの花言葉

ウバユリの花言葉は「威厳」そして「無垢」「純潔」です。聖書の中で聖母マリア様にささげられた花として有名なユリは、純潔のシンボルでもあります。同じユリ科のウバユリも、清楚なイメージから「無垢」や「純潔」という花言葉があてられたのかもしれませんね。堂々とした咲きぶりは、「威厳」があると評されるのも納得です。

そのほかの種類のユリの花言葉

ウバユリのほかにも、種類によって花言葉があてがわれているユリが何種類かあります。どの花言葉も花姿にちなんだ、凛と美しい印象の言葉ばかりですね。
 

カサブランカ 純潔、高貴、威厳 花嫁のブーケに大人気
テッポウユリ 甘美、純潔、威厳 横向きに咲く真っ白な花
オニユリ 賢い者、富と誇り オレンジ色で下向きの花
ヤマユリ 荘厳 強い香りが特徴
クルマユリ 純潔、多彩 下向きの花をつける
ササユリ 上品、清浄 葉の形が笹に似ている品種
スカシユリ 飾らぬ美、注目を集める あざやかな花色が特徴
カノコユリ 慈悲深さ、上品 そりかえった形の花姿
ヒメユリ 誇り 花はオレンジ色で小ぶり

ユリの花の色別の花言葉

ユリには花の色によっても花言葉が付けられています。種類ごとの違いはあまりありませんでしたが、色ごとの花言葉は印象がずいぶん違うのが面白いですね。
 

白色のユリ 純潔、無垢、甘美、威厳
黄色のユリ 飾らない美、陽気、いつわり
赤色のユリ 純潔、無垢、威厳、思わせぶり、虚栄
ピンク色のユリ 思わせぶり、虚栄、優しさ、願望
オレンジ色のユリ 愉快、華麗、軽率

ウバユリの種類

ウバユリ属にはウバユリのほかに、ウバユリの変種であるオオウバユリという品種もあります。分布や花の大きさ、つける花の数など、見分け方のポイントはわかりやすいので、区別は難しくありません。

ウバユリとオオウバユリの見分け方

オオウバユリはその花の大きさから、別名「ジャイアント・リリー」とも呼ばれています。白く大きな花は暗い山中でひときわ目を引き、群生している姿は圧巻です。ウバユリとの見分け方のポイントは、主に3つです。

見分け方のポイント①花の大きさ

まず、ウバユリとオオウバユリでは大きさがまったく異なります。ウバユリは成長すると1〜2mほどの大きさになりますが、オオウバユリはその倍近くまで成長します。背も高く、付ける花の大きさも大きいです。

見分け方のポイント②花の数

花の大きさと同じく、付ける花の数にも違いがあります。ウバユリが数個〜10個ほどであるのに比べ、オオウバユリは多いものでは20個ほども花を付けます。

見分け方のポイント③分布

見分け方としてもっとも簡単なのが、咲いている地域の違いでしょう。ざっくり分けて関東から西にウバユリが、北日本にオオウバユリが分布しているという特徴があります。関東地方や中部地方はウバユリ、オオウバユリどちらも育つ地域として分布が重なっていますが、このエリアでは太平洋側にウバユリ、日本海側にオオウバユリが咲く傾向が強いようです。

ウバユリの育て方

野山に自生している姿を見る方が多いかもしれませんが、ウバユリはユリ科の中でも比較的簡単に栽培できる種類です。適した環境や種の採り方など、くわしく育て方を見ていきましょう。鱗茎は食用にもなりますので、春を迎える楽しみのひとつになりますよ。

ウバユリの育て方①日当たり

ウバユリの自生している土地は半日陰地が多数です。そのため、環境としては明るい半日陰、もしくは日陰がよいでしょう。あまりに直射日光が当たる場所で育てると、葉焼けを起こしてしまうことがありますので注意が必要です。

ウバユリの育て方②土

丈夫な品種のため、土の種類は選びません。腐葉土をやや多めに配合して、水はけのよさを保ってください。鉢植えで育てる場合は、大きめの鉢を選んでゆったりと育てましょう。

ウバユリの育て方③移植

ウバユリの栽培で難しい点のひとつが、移植です。根が少なくて太いため移植は苦手で、球根を掘ってきて植えた場合、根付くまでに時間がかかるという特徴があります。一度根付けばそのあとはあまり手がかかりませんので、移植するときだけ注意しましょう。根をできるだけ傷つけず、優しく植えるようにします。

ウバユリの育て方④種まき

移植に弱いウバユリですが、種まきで育てることも可能です。秋に採った種が、翌年の春に発芽するサイクルです。完全に埋めてしまうと発芽しないので、根付かせたい場所にふんわりと腐葉土を混ぜ、その上で育てます。発芽してから1年は水を切らさないように慎重に管理してくださいね。

ウバユリの育て方⑤種の収穫

ウバユリは花を咲かせたあと、袋のような形の実をつけます。その実が熟すと皮が裂けて、中からたくさんの薄っぺらい種子が散ります。ひとつの実に500個ともいわれる大量の種が入っているので、収穫する実はひとつで十分です。完熟した実は少し触るだけでも種がぼろぼろと落ちてしまうので、完熟直前の実を採って、中から弾けるまで放置しておくと簡単でしょう。

次のページでは、ウバユリの食べ方をご紹介します。

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ウバユリの食べ方

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