ハブランサスとは?
ハブランサスという植物をご存知でしょうか。毎年大きく美しい花を咲かせる球根植物で、比較的育てやすい植物のため、園芸として利用されていますが、植物全体には毒があります。今回は、ハブランサスの特徴と、植え付けの方法から開花するまでの育て方、上手な増やし方について、詳しくご紹介します。
ハブランサスの特徴
ハブランサスは常緑の多年草植物です
分類 | ヒガンバナ科 ハブランサス属 |
学名 | Habranthus |
別名 | レインリリー(Rain Lily) |
種類 | 球根植物 , 草花 |
原産地 | 南アメリカ |
草丈 | 15~40cm |
開花時期 | 5~9月 |
花言葉 | 純白の愛 , 清純な愛 , 便りがある , 優美なたしなみ |
雨上がりに開花することが多い特徴から、レインリリーとも呼ばれています。学名の「Habranthus」はギリシャ語で「優美な」の意味があり、花の美しさから付けられました。一方で、ヒガンバナ科の植物の特徴である有毒性が、ハブランサスにもあります。耐暑性は強いですが、品種によって耐寒性に弱いものがあるため、園芸する際は、地域によって対策が必要です。
ハブランサスの主な品種
品種 | 特徴 |
ブラキアンドラス | 7~9月に開花する 薄いピンク色の大輪を咲かせる |
ロブスター | 寒さにやや弱い ピンク色の大輪を咲かせる 咲き始めてからしおれるまでに花の色が変化する |
チェリー・ピンク | ブラキアンドラスとロブスターの交雑種 丈夫だが、寒さにやや弱い ほんのり薄いピンク色の花を咲かせる |
ハブランサス・アンダーソニー | 寒さに強い 赤みを帯びた黄色の花を咲かせる |
最も流通している品種「チェリー・ピンク」
ハブランサスで最もよく流通しているものは、「チェリー・ピンク」と呼ばれる品種です。ブラキアンドラスとロブスターの交雑種で、非常に丈夫な品種のため、自然分球し毎年どんどん増えていくのが特徴です。開花時期が長く何度も花を楽しめますが、寒さにはやや弱いため、寒冷地では冬越え対策が必要です。
花の色が変化する珍しい品種「ロブスター」
ロブスターは、ロブスタスやツビスパツスとも呼ばれ流通しています。花の中心から先端に向けて花の色が濃くなっているのが特徴です。開花してすぐは濃いピンク色をしていますが、花がしおれる頃には白色に近い淡いピンク色に変色します。花びらのグラデーションと、時間が経つごとに変化する花色が美しい品種です。チェリー・ピンクと同様に、寒さにやや弱いため、対策が必要です。
ハブランサスの植え方
ハブランサスは、冬越えのできる地域であれば、お手入れの手間がほとんどかからない、比較的育てやすい植物です。植え付ける場所や植え方に少し気を遣うだけで、大きくきれいな見た目を楽しむことができます。ここでは、ハブランサスを球根から植える方法について、ご説明します。
植え付け場所と用土
庭植え、鉢植えどちらでも育てることが可能ですが、寒冷地では室内に取り込めるよう鉢植えでの育て方をおすすめします。半日陰でも育ちますが、なるべく日当たりのよい場所を選んで植えてください。日当たりが悪いと、背丈の小さい弱い株に育つことがあります。植え付ける用土は、水はけ・通気性がよく、適度に保水性のある土が理想的ですが、育ちやすい植物のため、ある程度水はけのよい土であれば育てられます。
寒冷地で育てる場合の対策方法
寒さに弱い品種の耐寒気温は5℃のため、寒冷地や雪の降る地域で育てる場合、盛り土をするか、一度掘り上げて保存するか、どちらかの対策をする必要があります。盛り土をする場合は、株の根元に土を盛ったり、マルチングをしたりして、株を寒さや霜から守ります。掘り上げて保存をする場合は、球根を掘り出し、しっかり乾かしてから、室内で新聞紙に包んで保存します。掘り上げて保存をする方法には、乾燥しすぎることで球根が痛むことがあるリスクがあります。
植え方のコツ
3月中旬~4月が植え付けに適した時期です。あらかじめ用土に腐葉土と元肥を入れてよく混ぜ合わせておきます。鉢植えで育てる場合は、球根を植えた上から土を2~3cmほどかぶせます。6号鉢に球根7球を目安に植えてください。庭植えで育てる場合は、鉢植えよりもすこし深く球根を植えて、上から土を3~5cmほどかぶせます。球根を一か所にまとめて4~5球植えると花が咲いたときに、より美しく見えます。
植え付けの株間
株の距離が近いほうが、花が咲いたときの見栄えがよくなるため、球根と球根を植える間は、鉢植えの場合は3cmほど、庭植えの場合は3~5cmほどと、かなり密着させるように植えます。見栄えはよくなりますが、球根同士を密植させるため、球根が混み合いやすくなります。花があまり咲かなくなったら、植え替えをするようにしましょう。