ストケシアとは?
原産地が北アメリカのストケシアは、キク科の常緑多年草です。6月から10月にかけて白色やピンク色などの美しい花を咲かせ、丈夫な植物として知られています。栽培方法や増やし方が比較的簡単ということ、加えて手入れが楽であるため人気の高い植物です。「ルリギク」という別名で呼ばれることもあります。
ストケシアの特徴
特徴①キク科ならではの細かい花
ストケシアの花は、キク科の種類らしく細かい花びらが密集した形です。繊細な花びらを広げる姿は、とても美しいといえるでしょう。一株にたくさんの花を咲かせる特徴でも知られています。
特徴②サラダ油を含有している
ストケシアには、サラダ油として使える「ヴァーノニア油」を含有しているという特徴もあります。この油は、商用目的として利用され、複数の油と混ざることによって料理に使えるサラダ油へと変化します。
特徴③寒さに強い
基本的に植物は寒さに弱いため、冬に枯れるという種類が多いのですが、ストケシアは寒さに強く、屋外でも越冬できます。冬でも特にこれといった手入れがいらないというのは、育てるうえでうれしいポイントといえるでしょう。
ストケシアの育て方
育て方①環境
ストケシアの生育には、日光が不可欠です。できるだけ日当たりがよく、日陰にならない場所で栽培するようにしましょう。少しの日陰なら枯れることなく成長しますが、日光をしっかり浴びさせないと花つきが悪くなるため注意が必要です。また、高い湿度も苦手です。鉢植えでも地植えでも、日当たりがよく適度に風が入る場所での栽培がベストといえます。
育て方②植える土
ストケシアを栽培するための土は、水はけがよいものを選びましょう。水はけがよければ、丈夫な植物であるストケシアは、どんな土でも強く成長していきます。粘土質の土や、少し踏みつけただけで、水分があふれ出てくるようなじめじめした状態の土は好ましくありませんので、注意が必要です。園芸用品店に売っている普通の培養土に、少しの腐葉土などを混ぜるとよい土を作ることができます。
育て方③種まき
ストケシアの種まき時期・季節でおすすめなのは、暑すぎず、寒すぎない春か、秋の季節になります。夏や冬は種まき時期としては適していません。地植えでの植え方でも、鉢植えでの植え方でもストケシアを植えた後は、毎日水やりを欠かさずストケシアが根をしっかり張るまでお世話をしましょう。また、地植えの植え方にする場合に複数の株を一度に栽培する際は、根っこがかぶってしまわないように、株同士の間隔を空けた植え方を心掛けることが大事になってきます。
育て方④肥料
ストケシアを栽培する際には、まず植え付けのときに元肥として、土に油粕などといった肥料を混ぜ込むことが一般的です。その後、ストケシアが成長してきたら、その成長度合いに応じて追肥をしていきます。追肥を効果的に行うことで、ストケシアの成長を早めることが可能になります。しかし、あまり追肥をしすぎると、その強靭性ゆえに、一緒に植えた植物を侵食する勢いで成長しかねないので注意が必要です。
育て方⑤水やり
ストケシアは、丈夫な植物ですので頻繁に水やりをする必要はありません。ストケシアは高い湿度に弱いため、あまり頻繁に水やりをしすぎると、かえってストケシアを弱らせて枯れる原因になります。鉢植えに植える植え方で栽培している場合、土が乾いてきたなと感じたら水やりをするようにしましょう。地植えでの植え方で栽培する場合は、水やりをほとんど必要としません。
育て方⑥植え替え
ストケシアは成長速度が速く、鉢植えに植える植え方で栽培している際は株が鉢植えに収まらなくなってしまうので、そんなときは植え替えが必要です。大体1年から2年の期間を目安に、新しい鉢植えに植え替えをするとよいです。植え替えをした後は、最初にストケシアを植え付けたときと同じく、毎日水やりをして、ストケシアがしっかりと根を張れるようにお世話をすることが大切になってきます。
育て方⑦病害虫
ストケシアが病害虫の被害によって、枯れることはありません。特にこれといった病害虫対策も必要ないので、とても栽培が楽な植物です。病害虫とは関係ありませんが、あまり日陰で湿度の高い場所でストケシアを育てていると、枯れることがあるのでそこは注意が必要です。
育て方⑧越冬
ストケシアは寒さに強いため、冬であっても枯れることはありません。さらにこれといった手入れも必要なく、冬の厳しい寒さもものともせずに生育します。しかし、いくら寒さに強いといっても、限界が存在します。冬場に雪が多く降り、気温も低い地域でストケシアを育てている場合は、念のためマルチングをストケシアに施しておくと、安心して冬を越すことができます。
マルチングとは?
マルチングとは、植えた植物の株元にビニールなどを被せることです。これによって、余分な雑草や病害虫の発生を防ぎ、冬場や夏場などの急激な温度変化から植物を守ってくれます。ストケシアは気温の変化には強いですが、冬場にあまりにも気温が下がる地域でストケシアを育てている場合は、マルチングを施すことも視野に入れましょう。
ボタニ子
次のページから、ストケシアの剪定方法、増やし方、花が咲かないときの対象法を紹介!
ストケシアの剪定
ストケシアは成長速度が速い植物ですので、しばらく手入れをせずにほったらかしておくと、不格好な見た目になってしまいます。定期的に手入れをしないと、葉っぱや花びらが蒸れる原因にもなるので、まめに剪定をして手入れするようにしましょう。ストケシアの剪定方法には、切り戻し、花がら摘み、根切りがあり、それぞれ状況に応じて使い分ける必要があります。
切り戻し
切り戻しとは、開花後の茎や枝をあえて切り取ることによって、その脇でくすぶっていた脇芽の成長を促す剪定方法です。切り戻しは、花の数が少なくなってきたときや、花の形が不格好になったときに行うのが効果的です。切り戻しによって切った花はそのまま切花としても利用できますので、もったいないと思わずに形の悪くなってしまった花はすぐに切り戻ししてしまうとよいです。切り戻しをすることで、脇から新たな芽が成長し、再び美しい白色などの花を咲かせてくれます。
切り戻しに最適な季節
ストケシアは6月から10月にかけて花を咲かせますが、高温多湿になる8月には少々へたってしまいます。しかし、また9月ごろから力を取り戻します。基本的にストケシアは切り戻しを必要としませんが、切り戻しをするなら、この性質を利用して8月ごろに切り戻しをするのがおすすめです。切り戻しをすることによって、秋にはまた美しい白色などの花を咲かせてくれるようになります。冬に切り戻しを行うのはおすすめできません。
花がら摘み
花がら摘みとは、剪定の種類の一つで、開花後の花がらを手で摘み取って全体の花つきを整える手入れ方法です。開花後、しぼんでしまった花びらは、余分な栄養を取らせないためにも、摘み取ることが理想的です。花がら摘みを行うことにより、美しい白色などの花をより長く楽しむことができるようになります。開花後に摘んだ花がらは、必ず回収し、土の上などに放置しないようにしましょう。カビなどが発生する恐れがあります。
根切り
根切りとは、剪定の種類の一つで、土の中で広がりすぎた根を切る手入れ方法です。ストケシアは、非常に繁殖しやすいという特徴を持った植物です。その分増やし方も簡単なのですが、ストケシアと一緒に他の植物を地植えの植え方で植えていると、広がりすぎた根によって他の植物を侵食してしまいます。ストケシアの根は強く、切った後の根でも芽を出すほどなので、切った根を鉢植えに入れてやると、そこからまた新しい芽がでます。
ストケシアの増やし方
種まき
ストケシアの増やし方の一つに、育てたストケシアから得た種を、適切な種まき時期にまき、苗を育てるという増やし方があります。種まき時期に最適な季節は、最初にストケシアを植える際の季節と同じで、春もしくは秋です。気候が安定しがちなこの時期は、ストケシアの種まき時期に最適です。種まき用の土を入れた鉢植えや、自宅の庭に直接栽培して、発芽を待ちましょう。発芽して、葉っぱが生えたときに、苗が完成します。
株分け
ストケシアの増やし方の中には、株分けと呼ばれる種類の増やし方も存在します。こちらは種まきよりも簡単な増やし方です。ストケシアは強靭な繁殖力を持っているため、根切りした根を鉢植えに植えるだけでも発芽します。株分けに適した時期は、種まき時期と同じく、気候が安定した春もしくは秋となります。株分けをした後、しっかり水やりして、根付くまで世話をしないと枯れることもあるので、注意しましょう。
増えすぎに注意
ストケシアは、その強い繁殖力ゆえに増えすぎてしまうこともあります。増やし方は簡単ですが、増えすぎると他の植物の邪魔になってしまうこともあるので、定期的に切り戻し、根切りなどして開花後の花も手入れするようにしましょう。増やし方が簡単だからといって、あまり増やしすぎたり、開花後の花や根っこの手入れを怠ったりすると、一緒に植えた植物が枯れる原因にもなってしまうので注意が必要です。
出典:写真AC