暑さに強い夏の花たち
照りつける日差しと夏の暑さにも負けない草花たち。一年草、宿根草、球根植物それぞれの特徴を生かして、夏のガーデニングに挑戦してみてはいかがでしょうか? この記事では、大きく以下の4つカテゴリにわけて夏の花を紹介していきます。
①一年草
一年草を真夏のガーデニングに用いる場合、春に種をまいたもの、もしくは購入してきたある程度育った花苗を花壇やプランターに植えると育てやすいでしょう。一年草の利点は生育が早く、その勢いが旺盛というところです。
②宿根草
季節が巡って来ると、毎年同じ場所に顔を出す宿根草。年々大きく育つという利点がありますが、大株になりすぎたり、大株になると弱ってくる種類もあります。植える場所に気をつけ、花苗のようすを観察しながらバランスを取りましょう。
③球根植物
球根の種類によっては掘り起こす必要のあるものもありますが、基本的に植えっぱなしでよいものは年を追うごとに分球し、見事な群生で楽しませてくれることでしょう。球根はそれぞれの特性に合わせて管理しましょう。
④夏から秋にかけて変化を楽しめる花
4つのカテゴリは、夏から秋にかけて、変化を見れる・楽しめる花です。
夏の花を育てるに当たっての注意点
夏のガーデニングの注意点
- 水切れに注意。雨の降らない日が続く場合は、朝夕二回の水やりを心がける
- 夏は虫も活発な季節のため、草花のようすをよく観察して早めの対処を心がける
- 生育が旺盛な草花には液肥を追加する
- 蒸れが病気の原因となることもあるため、花がらはこまめに取り除く
ボタニ子
真夏でも育てやすい夏の花【一年草】
①エボルブルス(Evolvulus nuttallianus)
別名 | アメリカンブルー |
分類 | ヒルガオ科エボルブルス属/一年草扱い |
種類 | ― |
原産地 | 中央アメリカ |
草丈/花の色 | 20~40cm/青 |
開花時期 | 4月下旬~10月 |
水切れに気をつけよう
照りつける炎天下でも元気に育つエボルブルスは、店頭でのアメリカンブルーの名称の方が馴染みがあるかもしれませんね。病害虫は全くなく、唯一の心配は水切れのみという育てやすい植物です。初夏から咲き続ける爽やかな青い色の花にはとても清涼感があります。
②ナスタチウム(Tropaeolum majus)
別名 | キンレンカ(金蓮花)、ノウゼンハレン |
分類 | ノウゼンハレン科ノウゼンハレン属/つる性一年草 |
種類 | ホワイトバード、アラスカ、チップトップ、ジュエルなど多種 |
原産地 | ペルー、コロンビア |
草丈/花の色 | 20~300cm/赤、オレンジ、黄、クリーム |
開花時期 | 初夏~10月 |
高確率で発生するハモグリバエに注意!
ミニサイズの睡蓮の葉が可愛らしいナスタチウムは、肥料分が多すぎると葉ばかりが茂り花数が減ってしまいます。また上の写真のように葉の表面に白い筋模様が浮き出ていたら、それはハモグリバエの仕業です。葉の内部に幼虫が入り込んでいるので殺虫剤で駆除してください。
③コリウス(Coleus)
別名 | キンランジソ、ニシキジソ |
分類 | シソ科コリウス属/一年草 |
種類 | 挿し木で増やす栄養系、種からの実生系など100種以上 |
原産地 | 太平洋諸島、オーストラリア |
草丈/花色 | 20~100cm/花色、葉色ともに多種 |
開花時期 | 7月~10月 |
多彩な色数は夏の花壇やプランターでの主役に
品種と色数の多さではトップクラスのコリウスは、夏の花壇やプランターの主役となってくれることでしょう。育てやすい花苗は病害虫の心配もほとんどありません。旺盛に育ちすぎるので、葉が込み合ってきたら蒸れないようにすかしてあげるとよいでしょう。
④ジニア(Zinnia)
別名 | ヒャクニチソウ(百日草) |
分類 | キク科ヒャクニチソウ属/一年草 |
種類 | エレガンス、プロフュージョン、リネアリス、ハーゲアナ |
原産地 | メキシコ~南北アメリカ |
草丈/花の色 | 15~100cm/赤、白、黄、橙、ピンク、紫 |
開花時期 | 初夏~秋にかけて |
別名の百日草の名のとおり100日間咲く夏の花
ジニアは花苗の種類も豊富です。写真のすっきりとした花姿のリネアリスから昔ながらの大輪のエレガンスまで、どれも暑さに強く育てやすい品種ばかりです。長期に渡って咲き続けますので、肥料は切らさずに与えて下さい。
⑤ヒマワリ(Helianthus annuus)
別名 | ニチリンソウ、ヒグルマソウ、サンフラワー、ソレイユ |
分類 | キク科ヒマワリ属/一年草 |
種類 | 原種60種、園芸種を合わせると100種以上 |
原産地 | 北アメリカ |
草丈/花の色 | 30~300cm/黄、橙、茶 |
開花時期 | 7月~9月 |
真夏の太陽のようなヒマワリ
夏の草花といえばひまわりを連想される方も多いことでしょう。ゴッホのひまわりやモネのひまわりに描かれたように多種多彩な品種があります。初心者でも育てやすいことは小学校での栽培で経験済みですよね。
➅アサガオ(Ipomoea nil)
別名 | ケンゴシ(牽牛子) |
分類 | ヒルガオ科サツマイモ属/一年草 |
種類 | 西洋アサガオ、変化アサガオなど、およそ1600種 |
原産地 | アジア・アメリカの熱帯 |
草丈/花の色 | 20~600cm/赤、青、ピンク、紫、白、複色 |
開花時期 | 7月~9月 |
夏の花の定番の朝顔
夏の草花の代名詞といえば、こちらのアサガオも然りですね。プランターで育てて宿題の栽培日記をつけるのもよいですが、グリーンカーテンとして活用するのもおすすめです。色数や形状も多彩ですので、数種類を比較しながら育ててみてはいかがでしょうか。
⑦ペチュニア(Petunia x hybrida)
別名 | ツクバネアサガオ(衝羽根朝顔) |
分類 | ナス科ペチュニア属/一年草 |
種類 | バカラ、サフィニア、ファンタジーなど |
原産地 | 南アメリカ~ブラジル、アルゼンチン |
草丈/花の色 | 10~30cm/白、ピンク、赤、青、紫、黄、複色 |
開花時期 | 春~秋にかけて |
ペチュニアの園芸品種サフィニアがおすすめ
ペチュニアの品種改良から生まれたサフィニアという花苗を園芸店などで見たことがある方も多いのではないでしょうか。サフィニアは八重咲や匍匐タイプに小輪の花をつけるものや、形状や色数の種類も豊富で、春から秋までの長期に渡って花壇やプランターを賑わしてくれます。
⑧メランポジウム(Melampodium)
別名 | ― |
分類 | キク科メランポジウム属/一年草 |
種類 | ディバリカツム、ダービー、メダイヨン、ミリオンゴールドなど80種 |
原産地 | メキシコ~中央アメリカ |
草丈/花の色 | 20~80cm/黄 |
開花時期 | 初夏~9月下旬 |
ミニサイズのひまわりのような元気な夏の花
生育旺盛なメランポジウムは多肥に育てると花苗が軟弱になってしまい病気の発生につながります。追肥は様子を見ながら薄目の液肥を与えてください。咲き終わった枝は切り戻しておくと秋口まで可愛らしい花を咲かせてくれます。目立った病害虫はありません。
⑨トレニア(Torenia)
別名 | ナツスミレ、ハナウリクサ |
分類 | アゼトウガラシ科ツルウリクサ属/一年草 |
種類 | フルニエリ、パイロニー、コンカラー |
原産地 | インドシナ |
草丈/花の色 | 20~30cm/青紫、ピンク |
開花時期 | 初夏~秋にかけて |
初夏から秋にかけて楽しめる花期の長いトレニア
夏スミレの別名をもつトレニアですが、冬に植えたパンジーやビオラと入れ替えに植える方も多いのではないでしょうか。暑さに強い反面、耐陰性もあります。花苗を購入して植えるか春まきの種を初夏から秋にかけて栽培しますが、こぼれ種で咲くこともあるたくましい花です。
⑩マリーゴールド(Tagetes)
別名 | マンジュギク、クジャクソウ |
分類 | キク科コウオウソウ属/一年草 |
種類 | フレンチ、アフリカン、メキシカン |
原産地 | メキシコ~中央アメリカ |
草丈/花の色 | 20~100cm/黄、橙、白、赤、複色 |
開花時期 | 4月~秋にかけて |
学校の花壇でもおなじみの夏の花
夏の草花といえば、マリーゴールドをイメージされる方もいらっしゃるでしょう。学校の花壇には欠かせない夏の花ですよね。マリーゴールドは育てやすいだけでなく、コンパニオンプランツとして周囲の植物の防虫の役割を担ってくれる植物です。
ボタニ子
次のページからは毎年の成長が楽しみな夏の宿根草を紹介します。
では、まずは、夏のガーデニングには欠かせない一年草をご紹介します。