シバンムシの概要
シバンムシは甲虫目シバンムシ科の昆虫で、世界におよそ2000種類いるといわれています。日本には80種類ほど存在しますが、家の中に入ってくる種類は多くなくジンサンシバンムシ、タバコシバンムシの2種類が代表的です。どちらも大きさは2mm前後、小さな茶色いコガネムシのような形で黄色い毛が生えています。模様や触覚に多少の違いはありますが、見分けはつけにくいでしょう。
ボタニ子
ボタ爺
ただし、食事に夢中になってエサの中に入りこんでいるから見つけるのは難しいぞ。親のシバンムシが目印になるの。
シバンムシの幼虫
シバンムシの幼虫は黄色で4mm前後の大きさです。エサの中に潜り込んでいる小さな虫で、成虫を発見して初めてシバンムシがいると確認ができるほど、見つけにくい存在です。成虫は幼虫時代にいた場所に卵を産んで、それがかえるというサイクルを繰り返します。幼虫だけの発見は難しいでしょう。
ボタニ子
大量発生の現場をおさえたら、そこに幼虫もいると思うけど。1匹だけは難しいわね。
シバンムシの駆除方法【薬剤を使う】
シバンムシの駆除に便利なのが殺虫剤です。シバンムシは殺虫剤にとても弱く速効性があり、つぶすときの触感の気持ちの悪さを感じずにすみます。ただしシバンムシは2mm前後と小さいため、近くから勢いよくスプレーを吹きかけると風圧で飛ぶため、そっとかけるか少し離れた場所から吹きかけるのがおすすめです。
天然除虫菊 キッチン虫スプレー
参考価格: 2,145円
シバンムシだけでなく、コバエやメイガ、屋外から侵入してくる害虫にも効果があります。アルコールが入っているためべたつかず、天然の除虫菊の成分を使用しており、キッチン回りにも安心して使用できます。
畳に穴が開いていたら燻煙剤で駆除
畳に穴が開いていたら、シバンムシが畳の裏のワラを食べている可能性があります。幼虫は表面のイグサは食べませんが、畳の下に敷いてある新聞紙やワラなども食べるため、一度畳を上げてみるとよいかもしれません。それができないようであれば、小さな穴から殺虫剤を吹き込みましょう。殺虫剤に弱い虫のため、駆除できます。その後、燻煙剤(くんえんざい)などを使用するとよいでしょう。
アースレッドW
参考価格: 586円
シバンムシは殺虫剤に弱い害虫のため、ゴキブリやダニ、ノミ用の燻煙剤でも代用できます。水を使うため、においやベタつきなども残りません。火災報知器用のカバーも付いており、さまざまな部屋で気にすることなく使用可能です。
シバンムシの駆除方法【無農薬】
捕殺する
シバンムシを1匹や2匹程度発見した場合、ティッシュやトイレットペーパーなどを使って駆除できます。数匹発見した際は、ガムテープや梱包用のテープで捕まえて、そのままぺたりと閉じて捨ててしまいましょう。数が多い、あるいは広範囲にいる場合は「コロコロ」などと呼ばれる粘着カーペットクリーナーも便利です。
大量発生してしまったら?
シバンムシがあまりにも大量発生してしまった、あるいは、どこで増え続けているのかわからないほど、あちこちで見かける場合は、テープや殺虫剤での駆除では追いつきません。その際は害虫駆除の業者に連絡して、駆除を任せるという方法もあります。自治体や業者によって値段が異なるため、あらかじめ見積もりを出しておくとよいでしょう。
シバンムシの大量発生の原因
シバンムシの幼虫は乾燥した植物性のものをエサとします。その種類はとても多く、食べ物から畳の裏のワラ(表面のイグサは食べない)から、タバコ、人間の食べる乾燥したものはほとんどがシバンムシのエサです。掃除を怠っていて、気がつかない場所に成虫が入りこんで卵を産み、そこで天敵がいないと爆発的に増える原因になります。
シバンムシのエサがある
家で害をなすシバンムシは、タバコシバンムシとジンサンシバンムシですが、ほぼエサが同じで色が多少違う程度で見分けはつきにくいでしょう。乾麺やパン粉、小麦粉や干ししいたけなどの乾物、漢方薬、菓子やペットフードなど部屋の中にある植物性の乾燥している物はいずれもエサになります。テラスやベランダに置いてある籐の椅子や草花の肥料なども食べてしまいます。
シバンムシの寄生虫に注意
シバンムシ自体は人間に噛みついたり、直接害を加えたりしませんが、シバンムシに寄生する「シバンムシアリガタバチ」という小さい虫のメスは毒針を持っていて、人を刺します。アリのようなあめ色のハチです。1.5mm~2mmほどの大きさで、刺されると人によっては痛みを伴ってかゆくなります。
ボタニ子
夜、寝ているときに刺されることが多いらしいわ。虫刺されの薬があるとよいかもね。
ボタ爺
急激に体調が悪化した場合は、迷わず救急車を呼んだほうがよいぞ。アナフィラキシーショックだといかんからの。
シバンムシいるところにアリガタバチあり
シバンムシには特に天敵はいませんが、唯一の天敵がシバンムシアリガタバチです。シバンムシアリガタバチはシバンムシの老齢幼虫(蛹になる前まで成長した幼虫)や蛹前に毒針を刺し麻痺させ、体表に卵を産みつけます。その後、繭を巻いて中でシバンムシを捕食し、蛹から成虫となって外へ出てきます。シバンムシを駆除しないとエサとしているシバンムシアリガタバチはいなくなりません。
シバンムシの予防方法
シバンムシはとても小さい虫で、ちょっとしたすきまや、網戸の目から屋内に入ってきます。エサを求めて侵入してくるため、エサとなる人間の食べ物やペットのエサ、薬などの管理をしっかりしておきましょう。シバンムシの予防方法をしておくと、家の中の掃除を念入りにするときれいになって一石二鳥です。
予防方法①食品の管理はしっかりと行う
まずは、掃除が大切です。食器棚やシンク下においてある調味料のカスがエサになります。調味料は出しっぱなしにしないで冷蔵庫にしまいましょう。菓子や小麦粉、お好み焼き粉やクッキーなど一度封を切ったら、密閉できるビニール袋の中にしまいます。薬も一度開けたらしっかりふたをして薬箱へしまうか、同じく密閉できるビニールにビンごとしまうとより安心です。
予防方法②段ボールなどの不用品は処分する
シバンムシは植物性で乾燥しているものをエサとする傾向があるため、古新聞や古雑誌、段ボールなどをためこんでおくとそれをエサとして繁殖する場合があります。包装紙や紙袋などももったいないとためこまずに、思い切って処分しましょう。きれいなものでとっておきたい場合は、防虫剤を一緒に入れておくと安心です。
予防方法③フェロモントラップや忌避剤を使う
シバンムシを大量発生させないためには、ごくわずかの発生のうちに対策しておく必要があります。シバンムシを引きつけるフェロモンを使ったトラップを、部屋の隅や玄関に仕掛けておくと大量発生を予防できます。また、反対に嫌がるにおいで予防するのも方法のひとつです。植物由来の忌避剤なら、小さな子どもやペットがいる家でも安心ですよ。
タバコシバンムシ誘引捕獲セット (富士フレーバー株式会社 )
参考価格: 990円
おもにタバコシバンムシ用のフェロモントラップです。シバンムシが寄ってきたくなるようなフェロモンを放出し、寄ってきたところを粘着シートで捕殺する仕組みです。「シバンムシがいるかどうか」のチェックができ、万が一いるなら予防対策を講じることができます。
癒しの雫 (青森天然ひば)
参考価格: 550円
ヒバ油は100kgのヒバの木から1kgしかとれない、貴重なオイルです。エタノール1に対し水4プラス、ヒバ油5滴~10滴をスプレーに入れて、網戸やベランダ、玄関などにあらかじめスプレーしておきましょう。防虫効果が期待できます。
シバンムシを駆除して快適に暮らそう
壁や畳、キッチンなどを飛ぶコバエと違う正体不明の茶色い虫はシバンムシです。快適な生活を送るには、食べ物や薬をきちんと密閉してしまい、できればこまめに掃除をすることで、シバンムシの駆除につながります。部屋やキッチンをきれいにして、シバンムシのいない快適な生活をしましょう。
シバンムシの成虫は食事をせず、繁殖だけに集中するわ。悪さをするのはシバンムシの幼虫ね。