シンビジウムの花言葉
シンビジウムの概要
淡い色合いが特徴のシンビジウムは、日本での人気が高く、出荷量の多さはコチョウランに次ぐと言われています。周年出回っていますが、本来の最盛期は12月~5月です。そのため季節で言うと冬に多く出回ります。人気の高さから品種のバリエーションが豊富で、見栄えのよい大輪種もあれば、小さい花がかわいいミニ品種もありますよ。鉢花のイメージが強いですが、切り花も多く流通しています。
シンビジウム全般の花言葉
シンビジウム全般の花言葉は「飾らない心」「素朴」「高貴な美人」です。「飾らない心」「素朴」は、シンビジウムの花色は原色が少なく淡い色が多いことに由来しています。淡く優しい花色から、控えめな意味の花言葉がつけられました。「高貴な美人」は、シンビジウムの端正で気品ある花姿が由来です。
白いシンビジウムの花言葉
白いシンビジウムの花言葉は「深窓の麗人」です。「深窓」とは家の奥深い部屋の窓のことで、転じて世俗から隔離されて育った上流階級の女性を指します。麗人とは非常に美しい人のことです。よって、大切に育てられた上流階級の美女という意味になります。端麗な花姿と清楚な白い花色から、俗世間の汚れを知らぬ、高貴な美女を連想したのでしょう。
黄色いシンビジウムの花言葉
黄色いシンビジウムの花言葉は「飾らない心」「誠実な愛情」です。他の蘭と比べると淡い色合いが多いシンビジウムは、黄色も明るいけれど落ち着いた色合いで、派手さはあまりありません。その様子から「誠実な愛情」という花言葉がつけられました。派手さのない落ち着いた黄色は、心の裏表のない誠実さを表すのにピッタリでしょう。
ピンクのシンビジウムの花言葉
ピンクのシンビジウムの花言葉は「素朴」「上品な女性」です。シンビジウム特有の淡いピンク色は、飾り気がなく上品な女性のイメージにピッタリですよね。優しい色合いは見ているだけで心が癒されます。大きい品種にも小さい品種にも、ピンク色の品種があるので、好みに合った大きさの花を選んでくださいね。
黄緑色のシンビジウムの花言葉
珍しい花色が目を惹く、黄緑色のシンビジウムの花言葉は「野心」です。野心というと、あまりよいイメージがありませんが、新しいことを始めようとする革新的な気持ちを指す場合もあります。そう考えると、植物の新芽の色でもある黄緑色にピッタリな花言葉ですね。転職や引っ越しなどで、環境が一新される方への贈り物にいかがでしょうか。
シンビジウムの花言葉まとめ
- 全般の花言葉:「飾らない心」「素朴「高貴な美人」
- 白いシンビジウムの花言葉:「深窓の麗人」
- 黄色いシンビジウムの花言葉:「飾らない心」「誠実な愛情」
- ピンクのシンビジウムの花言葉:「素朴」「上品な女性」
- 黄緑色のシンビジウムの花言葉:「野心」
シラン(紫蘭)の花言葉
シラン(紫蘭)の概要
野生種は準絶滅危惧種
シラン(紫蘭)は日本を原産地とする蘭のため育てやすく、人気が高い品種です。ただし、野生種は近年数を減らしており、準絶滅危惧種に指定されています。名前の由来は紫色の花を咲かせることからきていますが、実は白やピンクの花を咲かせる品種もあります。開花時期は5月~6月です。蘭には珍しく、宿根草のように扱えることから、古くから栽培されてきました。
シランは30~50cmの低めの草丈に、花径4cmほどの小さい花を複数つける可憐な蘭です。可憐な花姿と美しい紫色から、多くの人に愛されています。
シランの花言葉
シランの花言葉は「美しい姿」「あなたを忘れない」「薄れゆく愛」「変わらぬ愛」です。「美しい姿」はそのままの意味で、満開時の美しい花姿に由来しています。「あなたを忘れない」「薄れゆく愛」「変わらぬ愛」は英名が関係しています。シランの英名は「Hyacinth orchid(ヒヤシンス・オーキッド)」と言いますが、ヒヤシンスの語源となったヒュアキントスという人物が、花言葉の由来です。
悲劇から生まれた花
ヒュアキントスはギリシャ神話に登場する美少年です。その美貌から太陽神アポロンに寵愛されていました。ところがある日、アポロンと円盤投げの遊戯を行っていたところ、アポロンが誤って投げた円盤に当たって死んでしまいます。その後、彼の死を悲しんだアポロンが、彼の血からヒヤシンスの花を咲かせました。この悲劇の神話がシランの悲しい花言葉の由来です。
ヒュアキントスに懸想した別の神が、嫉妬心からアポロンの投げた円盤を操って、ヒュアキントスを死に追いやったという説もあるよ。
シランの花言葉まとめ
- 全般の花言葉:「美しい姿」「あなたを忘れない」「薄れゆく愛」「変わらぬ愛」
- 種類別・色別の花言葉はなし
イチヨウラン(一葉蘭)の花言葉
イチヨウラン(一葉蘭)の概要
準絶滅危惧種指定の日本特産種
イチヨウラン(一葉蘭)は、ラン科イチヨウラン属の高山植物です。深山の針葉樹林内に自生しています。1属1種の日本特産種で、初夏の季節に小さい花を咲かせます。卵形の葉を、根元に一枚だけつける特徴が名前の由来です。乱獲によって個体数が減少してしまったため、準絶滅危惧種に指定されています。
草丈は10cm~20cm、花の大きさは3cm前後と、全体的に小さい山野草です。花の色や形状も派手さはありませんが、素朴な美しさがあります。
コイチヨウラン(小一葉蘭)は仲間?
コイチヨウラン(小一葉蘭)という花があります。イチヨウランよりもさらに小さい植物で、花の大きさは0.7~1cmほどしかありません。根元に葉を一枚しかつけないところなど、似た特徴はありますが、ラン科イチヨウラン属のイチヨウランに対して、コイチヨウランはラン科コイチヨウラン属と、植物学上は別属に分類される別種類の植物です。
イチヨウランの花言葉
イチヨウランの花言葉は「恋」です。素朴で小さい、ひっそりと咲く花姿が、誰にも打ち明けられない、ひそやかな恋を連想させるのでしょう。イチヨウランは1属1種の植物であるため、種類別・色別の花言葉はありません。
イチヨウランの花言葉まとめ
- 全般の花言葉:「恋」
- 種類別・色別の花言葉はなし
まとめ
古くから多くの人たちに愛されてきた蘭の花には、大変多くの種類と花色があります。さらに今は、さまざまな技術が発展したおかげで、季節に関係なく手に入れられる花が多いのも嬉しいですね。大切な方への贈り物にするのもよいですが、頑張っている自分への贈り物に、好みの花を買ってみてはいかがでしょうか。美しい蘭の花は、きっとあなたの心を癒してくれますよ。
出典:写真AC