グラジオラスの概要
グラジオラスは、古代ギリシャから人の身近にあった歴史のある植物です。原種は300種ほどで、現在までに5000以上の品種があるといわれています。日本に原種はなく、江戸時代に初めて日本に持ち込まれました。
基本情報
植物名 | グラジオラス |
学名 | Gladiolus hybridus |
科名 | アヤメ科 |
誕生花 | 3月23日、3月29日、6月14日 6月24日、7月13日、11月26日 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
グラジオラスの特徴
グラジオラスの特徴は、凛とまっすぐに立つ姿です。葉は硬く鋭く、花は縦に並び咲き、空に向かって伸びていく姿には高貴さが漂います。美しい花姿のため、園芸だけでなく生け花や花束にもよく使われます。球根植物といわれますが、実際は根ではなく茎の一部が大きく変化した「球茎」植物です。
ボタニ子
赤や紫、白などの色とりどりの品種があるよ!
グラジオラスの名前の由来
グラジオラスの名前の由来は、古代ローマで兵や剣闘士が使っていた「Gladius=小さい剣」です。鋭い葉の特徴からその名前がつけられました。ヨーロッパでは古代から親しまれていたため、神話や逸話に剣と共に登場する植物です。英名では「Sword lily=剣のユリ」、和名では「オランダ菖蒲(オランダアヤメ)」「唐菖蒲(トウショウブ)」とも呼ばれます。
グラジオラスの花言葉【全般】
グラジオラス全般の花言葉は「勝利」「人格的強さ」「密会」「思い出」などです。印象の異なる花言葉には、それぞれ由来があります。
「勝利」「人格的強さ」:グラジオラスの姿から
グラジオラスは、剣に似た姿から戦いや強さの象徴とされていました。また、球茎が鎧に似ていたため「球茎を持っていると怪我をしない」と言い伝えられたり、「グラジオラスには不思議な力がある」と信じられていたりしたことから、戦いに出る兵士たちはグラジオラスの球茎や花をお守り代わりに持って戦いに挑んでいたといわれています。
ボタニ子
勝利や強さを象徴することから、受験生やがんばる人への応援を込めたプレゼントとしても選ばれます。
「密会」「用心」:恋人たちの逢瀬に使われたことから
身分や地位に縛られ自由な恋愛ができなかった時代のヨーロッパでは、恋人たちがグラジオラスの花の色や数を使って逢瀬の時間を伝えていたといわれています。色別の花言葉にも、グラジオラスの剣の姿と掛け合わせて、許されない恋でも貫きたい強い愛情を表現した花言葉が多いです。
「忘却」「思い出」「記憶」:戦争や革命が起きた時代背景から
花言葉がついたころのフランスは戦争や革命で情勢が荒れており、多くの犠牲をともないました。グラジオラスの剣のような姿と争いを重ねて「辛い歴史を忘れたい(=記憶の忘却)」という思いが込もった花言葉がつけられたといわれます。犠牲の悲しみを意味するだけでなく、未来の希望を願ってつけられた花言葉です。
外国語のグラジオラスの花言葉を教えて!
日本だけでなく、海外にもグラジオラスの花言葉はあります。以下は、グラジオラス全般の花言葉です。各国の花言葉を知っておくと、その国の人との会話が弾むかもしれません。
- remembrance(記憶/イギリス)
- strength of character(人格的強さ/イギリス)
- preparedness(準備/イギリス)
- sincerity(誠実/イギリス)
- dorzettingsvermogen en karakter(忍耐強い人格/オランダ)
- de genio vivi(いきいきとした天才/スペイン)
- Tu me perces le coeur(あなたは私の心を突き刺す/フランス)
グラジオラスの花言葉【色別】
グラジオラスには色別にも花言葉がつけられています。グラジオラスを贈るときに知っておくと、シチュエーションにあわせてカラーを選べますよ。
ボタニ子
ちなみに、色とりどりのグラジオラスを使った花束は「狂気に触れる激しい愛」を意味するといわれているよ。
グラジオラスの花言葉【赤】
- 堅固
- 用心深い
- expresa la parte erotica del amor(エロティックな愛の表現/スペイン)
- exprime avec érotisme la force l'amour(エロティシズムと愛の表現/フランス)
グラジオラスの花言葉【ピンク】
- たゆまぬ努力
- 満足
- ひたむきな愛
- el éxito y las citas(成功とデート/スペイン)
- réussite et rendez-vous(逢瀬と成功/フランス)
ボタニ子
凛としたグラジオラスでも、ピンク色はなんだかかわいらしいね!
グラジオラスの花言葉【紫】
- 情熱的な恋
- 堅固
グラジオラスの花言葉【黄】
- invitation amoureuse(愛の招待状/フランス、スペイン)
グラジオラスの花言葉【オレンジ】
- mour fort et sensuel(強く官能的な愛/フランス、スペイン)
グラジオラスの花言葉【白】
- 密会
グラジオラスの開花時期
グラジオラスは球茎を植えてから約70日~100日の間に開花します。開花させたい時期にあわせて球茎を植えたり、複数の球茎がある場合は時期をずらして植えたりするとよいでしょう。また、種類によって「夏咲き」「春咲き」の2つに分けられます。一般的に流通が多いのは「夏咲き」のグラジオラスです。
夏咲きのグラジオラス
夏咲きのグラジオラスは春に植え、6~10月に開花します。開花時期を梅雨と被らせたくない場合は、4月~5月ごろに植え付けましょう。夏咲きのグラジオラスは、花の一輪一輪が大ぶりで色の種類が多い特徴があり、夏から秋にかけて色鮮やかな花を長く楽しめます。
春咲きのグラジオラス
春咲きのグラジオラスは「早咲きグラジオラス」ともよばれ、秋に植え、3~5月に開花します。春咲きのグラジオラスの特徴は、1輪あたりの開花期間が長く、夏咲きよりも花や茎、葉が小ぶりでしなやかなことです。花の形も変わったものが多く、一見違う種類の植物のようにも見えます。
グラジオラスの花言葉に思いを込めよう!
剣のような姿や恋人たちの逢瀬に使われた歴史から、グラジオラスには強く情熱的な意味を持つ花言葉が多くつけられています。中世のヨーロッパでは身分が違う者同士の恋愛は命がけだったため、花言葉には恋人たちの心からの愛の叫びが込められているようです。大切な人への花束には、グラジオラスをぜひ贈ってみてください。
出典:写真AC