グラジオラスとは?
植物名 | グラジオラス |
学名 | Gladiolus hybridus |
科名 | アヤメ科 |
誕生花 | 3月23日、3月29日、6月14日 6月24日、7月13日、11月26日 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
グラジオラスの特徴
グラジオラスの特徴は凛とまっすぐに立つ姿です。葉は固く鋭く、花は縦に並び咲き、空に向かって伸びていく姿はとても美しいため、園芸だけでなく生け花や花束にもよく使われます。球根植物といわれがちですが、本当は根ではなく茎の一部が大きく変化した「球茎」植物です。赤や紫、白などの色とりどりの品種があります。
グラジオラスの名前の由来
グラジオラスの名前の由来は古代ローマで兵や剣闘士が使っていた「Gladius=小さい剣」からきています。鋭い葉の特徴からその名前がつけられました。ヨーロッパでは古代から親しまれていたため、神話や逸話に剣と共に登場する植物です。英名では「Sword lily=剣のユリ」和名では「オランダ菖蒲(オランダアヤメ)」「唐菖蒲(トウショウブ)」とも呼ばれます。
花言葉の由来
グラジオラスの姿から
グラジオラスは、剣に似た姿から戦いや強さの象徴とされていました。また、球茎が鎧に似ていたため、「球茎を持っていると怪我をしない」と言い伝えられたり、「グラジオラスには不思議な力がある」と信じられていたりしたことから、戦いに出る兵士たちはグラジオラスの球茎や花をお守り代わりに持って戦いに挑んでいたといわれています。(花言葉:勝利、人格的強さなど)

ボタニ子
勝利や強さを象徴することから、受験生やがんばる人への応援を込めたプレゼントとしても選ばれます。
恋人たちの逢瀬に使われたことから
身分や地位に縛られ自由な恋愛ができなかった時代のヨーロッパでは、恋人たちがグラジオラスの花の色や数を使って逢瀬の時間を伝えていたといわれています。色別の花言葉にも、グラジオラスの剣の姿と掛け合わせて、許されない恋でも貫きたい強い愛情を表現した花言葉が多いです。(花言葉:密会、用心など)
戦争や革命が起きた時代背景から
花言葉がついた頃のフランスは戦争や革命で情勢が荒れており、多くの犠牲をともないました。グラジオラスの剣のような姿と争いを重ねて「辛い歴史を忘れたい」という思いが込められた花言葉がつけられたといわれます。犠牲の悲しみを意味するだけでなく、未来の希望を願ってつけられた花言葉です。(花言葉:忘却、思い出、記憶など)
グラジオラスの花言葉
グラジオラス全般を総じて以下の花言葉があります。
- 密会
- 用心
- 勝利
- 尚武
- たゆまぬ努力
- 思い出
- 忘却
- remembrance「記憶」(イギリス)
- strength of character「人格的強さ」(イギリス)
- preparedness「準備」(イギリス)
- sincerity「誠実」(イギリス)
- dorzettingsvermogen en karakter「忍耐強い人格」(オランダ)
- de genio vivi「いきいきとした天才」(スペイン)
- Tu me perces le coeur「あなたは私の心を突き刺す」(フランス)

ボタニ子
色によっても違う花言葉がつけられており、色とりどりのグラジオラスを使った花束は「狂気に触れる激しい愛」を意味するといわれます。
グラジオラスの花言葉【赤】
- 堅固
- 用心深い
- expresa la parte erotica del amor「エロティックな愛の表現」(スペイン)
- exprime avec érotisme la force l'amour「エロティシズムと愛の表現」(フランス)
グラジオラスの花言葉【ピンク】
- たゆまぬ努力
- 満足
- ひたむきな愛
- el éxito y las citas「成功とデート」(スペイン)
- réussite et rendez-vous「逢瀬と成功」(フランス)
グラジオラスの花言葉【紫】
- 情熱的な恋
- 堅固
グラジオラスの花言葉【黄】
- invitation amoureuse「愛の招待状」(フランス/スペイン)
グラジオラスの花言葉【オレンジ】
- mour fort et sensuel「強く官能的な愛」(フランス/スペイン)
グラジオラスの花言葉【白】
- 密会
グラジオラスの開花時期
グラジオラスは球茎を植えてから約70日~100日の間に開花します。開花させたい時期に合わせて球茎を植えたり、複数の球茎がある場合は時期をずらして植えたりするとよいでしょう。また、種類によって「夏咲き」「春咲き」の2つに分けられます。一般的に流通が多いのは「夏咲き」のグラジオラスです。
夏咲きのグラジオラス
夏咲きのグラジオラスは春に植え、6~10月にかけて開花します。開花時期を梅雨と被らせたくない場合は、4月~5月ごろに植え付けを行うとよいでしょう。夏咲きのグラジオラスは、花の1輪1輪が大ぶりで色の種類が多い特徴があり、夏~秋にかけて色鮮やかな花を長く楽しめます。
春咲きのグラジオラス
春咲きのグラジオラスは「早咲きグラジオラス」ともよばれ、秋に植え、3~5月にかけて開花します。春咲きのグラジオラスの特徴は、1輪あたりの開花期間が長く、夏咲きよりも花や茎、葉が小ぶりでしなやかなことです。花の形も変わったものが多く、一見違う種類の植物のようにも見えます。
まとめ
グラジオラスの剣のような姿や恋人たちの逢瀬に使われた歴史から、強く情熱的な意味を持つ花言葉が多くつけられています。当時のヨーロッパでは身分が違う者同士の恋愛は命がけだったので、その時代背景を考えながら花言葉を考えると、恋人たちの心からの愛の叫びが伝わるようです。ぜひ大切な人への花束にはグラジオラスを含めて贈ってみてください。
出典:写真AC