ノウゼンカズラとは、どのような植物?
ノウゼンカズラ(凌霄花)は、夏にトランペットのような形をした花を咲かせる植物です。生い茂る葉にオレンジ色の花をたくさん咲かせる姿が、暖かな南国のような雰囲気を与えてくれます。そこでノウゼンカズラ(凌霄花)とは、どのような植物なのか?開花時期は?鮮やかなオレンジ色の花の特徴と育て方の注意点を解説します。
基本情報
学名 | Campsis grandflora |
科名 | ノウゼンカズラ科 |
属名 | ノウゼンカズラ属 |
英名 | Chinese trumpet vine |
別名 | 凌霄花(ノウゼンカズラ) |
形態 | つる植物 |
原産地 | 中国 |
草丈 | 3~10m |
開花時期 | 7~8月 |
花色 | オレンジ・赤・黄 |
開花時期
ノウゼンカズラは梅雨が明け暑くなり始めたころに咲き始め、梅雨が明けた7~8月の夏の暑い時期に見頃を迎えます。花は短命ですが、花期の間は次々と花を咲かせ、晴れ渡った青空のもとトロピカルな明るい庭を演出してくれます。まさに「夏の花」といえる花です。
中国原産
ノウゼンカズラは中国原産の植物です。平安時代の文献「本草和名(ほんぞうわみょう)」にその名が記されていることから、とても古くに渡来したと考えられています。また、石川県金沢市にある玉泉園には樹齢400年以上にもなるノウゼンカズラの古木がありますが、これは豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に持ち帰ったものと伝えられています。
ノウゼンカズラの特徴
ノウゼンカズラは、つる性の植物で庭木として親しまれています。つるを木や壁に伸ばし、真夏に鮮やかなオレンジの花を開花させることが大きな特徴です。草丈も3~10mと大きく育つため、見ごたえがあります。しかし、華やかな花姿に反し毒性を持つことをご存知でしょうか?そこで、ノウゼンカズラの花や葉の特徴と合わせて毒性についても詳しく解説します。
花
開花時期になると、伸びたつるの先に花径6~7cmほどのラッパ状の花を咲かせます。中心には雄しべが4本あり、その内の2本が長くなっています。花色は鮮やかなオレンジの他、赤や黄などはっきりした色をした種類が多く、遠くから一目で分かるほど派手です。一見するとハイビスカスのような南国の雰囲気を漂わせた花に見えますね。
葉
葉の表面は濃い緑色で光沢があります。裏面は白っぽい緑色で毛はありません。葉先は鋭く尖がっており、ぎざぎざの縁で長さ4~7cm、幅2~4cmの楕円形をしています。落葉樹のため秋になると葉を落として越冬し、春になるとまた葉を茂らせます。
草丈
暑さ寒さに強く生命力も強い植物のため、つるをぐんぐん伸ばして花をたくさん咲かせる特徴があります。3m以上に伸びた草丈に多数の花をつけたノウゼンカズラは、梅雨が明けた夏の暑さに負けない力強さを感じさせてくれます。しかし、剪定を行わず放っておくと、周りの樹木に巻き付き大きく育ちすぎてしまうことが欠点です。
毒性
ノウゼンカズラは花の中からたくさんの蜜を垂らす特徴があります。この蜜には「ラパコール」と呼ばれる成分が含まれており、弱い毒性があるといわれています。毒性は弱いとはいえ、蜜が手につくとかぶれたり、目に入ると炎症を起こすともいわれているので注意しましょう。毒性のある蜜に触れないように切り花にする際は、手袋をするとよいです。
ノウゼンカズラの花言葉
明るく元気のよいノウゼンカズラには、その名前に似合う花言葉があります。和名で「凌霄花」と記される名前の由来と合わせて、ノウゼンカズラの花言葉や意味についてご紹介します。
名前の由来
ノウゼンカズラの和名は「凌霄花」と書きます。「凌霄」は漢名では「りょうしょう」と読むため、この言葉が訛って「のうせう」となり、現在の「のうぜん」になったといわれています。また、「凌」は「しのぐ」、「霄」は「空」という意味があることから、つるが空をしのぐほど高く伸びる意味があるともいわれています。
花言葉
花言葉は「名声・名誉・栄光」です。これは、花の形がラッパ状になっているため、英雄や勝者を称える際に吹かれるトランペットから連想されたと考えれています。鮮やかな花姿に似合う花言葉ではないでしょうか?
ボタニ子
次のページで、ノウゼンカズラの種類と育て方についてお伝えします。