完熟時期に達したキウイの保存方法
家庭菜園でキウイを大量に収穫した場合は、どんなに注意して保存していても、一度に多くの実が完熟時期に達するかもしれません。キウイは熟し過ぎると味が落ちたり傷んだりしてしまいます。完熟した実がたくさんあって困ったときに役立つ保存方法や、もっと長期に保存できる形に加工する方法をご紹介しましょう。
冷蔵で保存する
完熟したキウイは、1個ずつくしゃくしゃにした新聞紙で包み、5個程度をビニール袋にまとめて口をしっかり縛ります。エチレンガスが漏れて他の食品に影響しないように穴は開けません。冷蔵庫、できればチルド室で0℃前後で保存します。0℃前後を保つと2週間程度保存できます。野菜室だと保存期間は4日程度短くなります。
冷凍して保存する
冷凍してスムージーなどに
キウイは冷凍保存すると更に長く、2か月程度保存できます。冷凍すると食感や味が落ちますが、ミキシングする調理法なら気になりません。キウイは皮ごと食べる方が栄養価が高く、ダイエットにも効果的だといわれています。よく洗って、皮ごと適当な大きさに切って冷凍しましょう。シャーベットやスムージーやジュースにすれば皮や毛も気になりにくいです。
できるだけ素早く凍らせる
美味しく冷凍するには、急速冷凍がポイントです。キウイが重ならないようにラップの上に並べ、できるだけ空気を抜いて包みます。熱伝導率の高いステンレストレイなどの上で冷凍しましょう。半分凍った頃に一度出して、くっつき合ったものをバラバラにすると、後で使いやすくなります。ジャムやピューレ状にしたものを冷凍するのもおすすめです。
乾燥して保存する
キウイを乾燥してドライフルーツにすると、約半年~1年間保存できます。多少未熟なものでも乾燥させると、甘みが増して美味しく食べられるのも利点です。キウイは皮をむいて3~5mmにスライスし、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。砂糖漬けにして浸透圧で水分を抜いてから、網などに重ならないように並べて天日干ししましょう。
ドライフルーツを短時間で作りたい時に使われるのが電子レンジです。キウイを3~5mmにスライスしてクッキングペーパーで水気を取ります。耐熱皿にクッキングペーパーを敷いてキウイを並べて加熱するのです。ペーパーを交換して2分程度加熱することを、水分が抜けるまで繰り返します。完成したら乾燥剤と一緒に密閉容器に入れて冷蔵保存しましょう。
ジャムや果実酢などに加工する
ジャムや果実酢や果実酒に加工するのもおすすめです。キウイを砂糖となじませてから、ほうろうの鍋か電子レンジで加熱して煮詰めれば、プチプチ食感が楽しいジャムになります。ガラス瓶に入れたキウイと氷砂糖に、酢を加えればキウイ酢に、焼酎を加えればキウイ酒です。
キウイの原産地と名前の由来
キウイは中国原産
ところで、キウイフルーツといえば原産地としてニュージーランドを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はキウイは中国原産です。中国原産のActinidia deliciosaやActinidia chinensisがニュージーランドに渡り、chinese gooseberry(チュウゴクスグリ)と呼ばれていました。ニュージーランドは1906年に新しい果樹としての品種改良に成功します。
ニュージーランドで改良されて広まる
キウイフルーツは1934年頃から商業栽培が開始され、ニュージーランドの特産品となったのです。しかし1956年にアメリカへの輸出が開始されるにあたり、名前が問題となりました。米中関係が悪化していることからchinese(中国の)の名前が障害になる恐れがあったことと、gooseberry(スグリ)の名が高級果実のイメージを損なうという問題です。
キウイは鳥のキーウィに由来?
そこで1959年に「キウイフルーツ」の名前が考案されました。一般的にニュージーランドの国鳥であるキーウィに形が似ていることに由来するといわれていますが、その証拠はないそうです。「キウイ」はニュージーランド人を意味する言葉でもあるので、「ニュージーランド(人)のフルーツ」という意味で名付けられたいう説もあります。
鳥のキーウィはキウイよりずっと大きい
ちなみに、鳥のキーウィが果物のキウイと同じくらいのサイズだと想像してしまうかもしれませんが、全長35~55cmでニワトリくらいの大きさです。羽毛は灰褐色の毛状で、翼は退化して飛べません。鳥のキーウィの名は、先住民のマオリ族が聞いた鳴き声に由来するといわれています。
まとめ
キウイフルーツは栄養価が高く、美容やダイエットにも効果的な果物として人気があります。葉や実の様子では収穫時期が見極められませんが、遅くても霜が降りる前に収穫しましょう。キウイは収穫した果実を追熟して初めて食べられる果実です。いろいろな保存方法を併用して美味しいキウイを毎日食卓に並べ、健康や美容に活用してみてはいかがでしょうか。
出典:筆者撮影