タラの芽の収穫時期・収穫量
収穫時期
4月末、タラノキの新芽が葉っぱになる前、最上部の葉が10cmぐらいに伸びた頃がタラの芽の収穫目安です。清潔なハサミを使って、芽の茶色い付け根が少しついているくらいで切り取ります。その後、下から伸びてくる第1側芽、第2側芽も収穫します。5月、第2側芽まで収穫したら、1~2芽残して、幹を株元から切り取ります。
収穫量
2年目以降になると幹から出る枝数が増え、そのため収穫量も増えます。しかし、あまり大株になると枝が細くなり大きな新芽がとれなくなるので、枝数は2本くらいに減らしましょう。
タラの芽の病虫害対策
カミキリムシ
タラノキは病害虫の心配はさほどありません。たまにカミキリムシを見かけることがあります。株元に木くずを見つけたら、専用の殺虫剤を穴に噴射しましょう。
立ち枯れ病
立ち枯れ病にかかると根が腐り、葉が黄変します。周囲のタラノキにも伝染しますので、見つけ次第、株ごと処分しましょう。
そうか病
そうか病は6~7月の雨によって発生、拡散しやすい病気です。「そうか」とは痘痕(あばた)のこと。その名のとおり、かんきつ類の実やジャガイモにあばた状の病斑が出来るのが特徴です。
タラの芽の収穫量の増やし方(ふかし栽培って?)
根から育てている株なら2年目以降のタラノキの枝を細かく切り分けて、タラの芽の収穫量を増やす「ふかし」という方法があります。ふかし促成栽培をすれば、枝についた側芽をすべて収穫できます。ふかし促成栽培(水浸法)の適期は2~3月頃です。収穫後は穂木は廃棄します。
ふかし即成栽培の手順
- 15cmぐらいに切った枝の切り口は、上下とも斜めにし、水につけておきましょう。
- 枝を3頭分(5cm)にして、3本とも先端にわき芽が1つ残るようにしましょう。
- 発泡スチロールの箱などに枝を立てかけ、5mmくらい水を溜め、上から段ボールなどを被せて光を遮ります。
- 水がなくなったら半日かけて乾かし、また5mm水を入れという作業を2週間繰り返すと、収穫できます。
タラの芽の栄養、効果・効能
若芽、生のカロリーは100gあたり27kcalです。成分は、ビタミンA(βカロテン)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン)、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、リン、鉄、銅、亜鉛、セレン、モリブデン、豊富な食物繊維などです。
カリウムによる効果
タラの芽の栄養素として注目できるのがカリウムです。カリウムは元々人間の体にあるミネラルの1種で、健康維持のために重要な役割を担っています。カリウムは体内の余分な塩分を尿とともに排泄してくれるので高血圧、糖尿病、むくみなどの予防になります。
葉酸による効果
葉酸は、胎児の先天性異常の神経管閉鎖障害のリスクを少なくすることができるとして、多くの妊婦の方々が摂取しています。貧血や疲れ、ストレス、婦人科系の悩みなどを緩和してくれる効果があります。
食物繊維のよる効果
タラの芽の特徴は食物繊維が豊富なことです。腸内環境を整える効果があるので、便秘気味な方にはぴったりの食品です。また高血圧を防ぐ効果も期待できます。
ビタミンによる効果
タラの芽にはビタミンが驚くほどたくさん含まれているため、美肌効果が期待できます。ビタミンC、ビタミンEは老化防止の働きがありエイジングケア効果が期待できます。さらに、ビタミンB群は肌荒れなどの肌トラブルに効果を発揮します。
タラの芽の食べ方
タラの芽の天ぷら
タラの芽はもちろん天ぷらにすると美味しいですが、天ぷらだけでなく、酢味噌和えやオリーブオイルでソテーしてパスタに、また、タラの芽とサーモンのカルパッチョなどレパートリーが広げて楽しむことができます。ご紹介した通り、さまざまな栄養価・効能があるタラの芽。高血圧の予防、老化防止、血糖値抑制作用、糖尿病予防改善、整腸作用などなど、春の味覚として1回だけ食するには余りある食材ですね。
まとめ
いかがでしたか。タラの木のふかし栽培なんかも面白そうですよね。写真のように、100均で購入できるタラの芽の栽培キットもあります。これだと、少し気楽にタラノキを育てられそうですので、タラの芽を食べるだけでなく栽培も是非トライしてみてくださいね。
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出典:写真AC