スイバとはどんな草?
田んぼや畑、道端でもよく見かける植物です。あまりにもよく見かけ、繁殖力も高いので雑草だと思われがちですが、じつはれきっとした薬草です。また昔から野草や山菜としてもおいしく食べらています。
ボタニ子
スイバの基本情報
- タデ科の多年草
- スカンポの別名で呼ぶ地域もある
- 日本中どこでも見られる
- ヨーロッパでの呼び名はソレル
- 全長が50~80センチくらいになる
- 北半球の温帯地域に自生している
- 雌花と雄花は別株
- 葉っぱは長さがあり、付け根は矢じりの形
- 葉っぱと茎は噛むと酸っぱい
- 春から初夏に花が咲く
- シュウ酸を多く含む
酸っぱい味がするスイバ
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スイバは、酸っぱい葉(酸い葉)が語源なんだって!でも、なんでスイバは酸っぱい味がするのかな?
スイバが酸っぱい理由
スイバは葉っぱだけじゃなく茎も、根っこも食べると酸っぱい味がします。この酸味の正体は多量に含まれるビタミンCやシュウ酸、シュウ酸カルシウムです。
食べすぎ注意のスイバ
シュウ酸やシュウ酸カルシウムを多く含む食品は、スイバにかぎらずどれも食べすぎには注意しましょう。シュウ酸やシュウ酸カルシウムは摂取しすぎると肝臓障害を起こす危険性がありまた、尿路結石を引き起こす恐れもあります。
スイバの別名
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スイバってどこでも見られるから、地域が違うと違う名前で呼ばれてたりするのかな?
スカンポの別名があるスイバ
日本に住んでいたら一度は見たことがあるスイバ。どこにでもあるからこそ地域によっていろいろな別名で呼ばれています。よく聞く別名はギシギシです。他にも、スカンポと呼ばれる地域やスカンボと呼ぶ地域があります。ただし、この2つの呼び方はイタドリにも使われるので注意しましょう。
イタドリとは?
同じスカンポの別名を持つどうしのイタドリとスイバは、どちらもタデ科の植物です。イタドリは、日本の河原や山などに自生し、野草や山菜として食べられます。イタドリもスイバと同じく生で食べると酸味があります。
ギシギシの別名には落とし穴
スカンポという別名の他に、ギシギシの名前で呼んでいる地域もありますが、この呼び名には注意が必要です。なぜならギシギシは他の植物の名前でもあるからです。こちらのギシギシは別名ではなく標準的に使用される名前ですので、普通ギシギシと言えばこちらの植物のことを意味します。
ギシギシも食べられる
ちなみにスイバと同じように、ギシギシも野草としておいしく食べられます。おもに若い芽が食用とされていて、独特な粘り気があるので丘ジュンサイとも呼ばれます。
スイバとギシギシの見分け方
共通点も多く、よく混同される野草のギシギシとスイバですが、よく見るとはっきりとした違いがあります。その違いは、葉っぱですのでよく見て覚えておきましょう。
スイバの見た目
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スイバとギシギシは見た目もそっくり。でもホラ、よく観察するとスイバの葉っぱは、ふんわりと茎を抱きしめているよ。
ギシギシの見た目
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こっちがギシギシ。葉っぱは茎に抱きつかずに普通についているね。
薬草としてのスイバ
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スイバは薬草としても使われるみたいだけど、どんな効用や効果があるのかな?
スイバの薬草としての効果
ヨーロッパでは古代から子の野草を薬草として利用していました。スイバに含まれる成分の「クリソファ酸」が、私たちの体に良い効果をもたらしてくれます。効果は利尿作用や緩やかな下剤です。収れん作用もあるので便秘や下痢の他、胃腸の不調の改善にも利用されます。
今も薬草として使われている
昔だけでなく、今でも薬用に使われています。それはおもにスイバをうがい薬や、やけどへの手当てに使う方法です。
がんの抑制にも効果が期待できる
スイバは、がんを抑える力がるとして昔から民間療法として利用されてきました。近年ではその効能が薬理実験により実証されています。ただし、食べたら治るというわけではないので、食べすぎに注意し適切な治療を受けましょう。
薬草としてのスイバの利用法
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薬草としてスイバを利用したい場合、より効果が発揮できるのはどんな方法だろう?
スイバのハーブティー
スイバをハーブティーにして飲みます。整腸作用や胃腸虚弱の改善、解熱、がんの抑制に期待ができます。また、これをうがい薬として利用するとのどの痛みや腫れがやわらぎます。
スイバのハーブティーの作り方
スイバのハーブティーを淹れるさいは生で利用はせず、根草葉の全草を、お日様の下でよく乾燥させたものを利用します。これは有効成分をより多く抽出するためです。乾燥させたスイバは細かく刻んでティーパックに入れておきましょう。これをポットに入れてお湯を注げば完成です。
スイバのハーブティーの保存方法
スイバにかぎらず、乾燥させて作ったハーブティーは湿気や虫害を防ぐために缶やビンなどの密封性の高い容器に入れて保存しましょう。また、時間がたつと香りや有効成分が弱まるので、遅くても1年以内に使い切ってしまいましょう。
スイバを外用薬として利用する
スイバは外用薬として利用すると、寄生性の皮膚炎に効果があります。利用の仕方は、2種類あり、1つはスイバの根草葉を煎じて出来た液体を患部に塗る方法です。もう1つは生の根と茎をすりおろしたものを患部に塗る方法で、どちらも肌が弱い方やタデ科のアレルギーがる方は、かぶれが出てしまう恐れがあるので利用前にパッチテストを行ってください。
続いて、食用としてのスイバをご紹介!
ここでは、よく見かけるのにじつはあまりよく知られていない植物のスイバに、スポットを当てていきましょう。