お彼岸のお供えに向いている花とは?
花の種類や花色
彼岸のお供え花は、基本的には仏花の定番とされる菊のほか、その季節に合った花や故人が好きだった花を供えることが多いです。花色については特にルールはありませんが、白、赤といった明るい色、もしくは紫のような上品で落ち着いた色が好まれる傾向があります。また、亡くなって日が浅い故人の場合は、白や淡い色がよいとされています。
仏壇と墓参りでの違いは?
お供え花は仏壇にお供えするもの、墓前にお供えするものと2種類に分かれます。室内の仏壇にお供えする花は「故人を偲ぶ」という意味から、柔らかい色合いの花がよいでしょう。墓前に供える場合は、日光にあたり続けることや、毎日水を取り換えるのが難しいことを考慮して、花色の発色がよく、水もちもよい花がおすすめです。
お供えで避けるべき花は?
お供えには向かないとタブー視されている花もあります。まずはバラやアザミのようにトゲがある花です。トゲが攻撃性を表すため、失礼にあたるとされています。クレマチスのようなつる性の花もNGです。いろいろな物に絡みつくつるが、成仏できないイメージを思い起こさせることからきています。彼岸花やスズランのように毒を持つ花もNG対象です。
「彼岸花」でもお供えにはNG!
曼殊沙華の別名を持つ彼岸花は、多くの人に知られています。秋の彼岸の時期にあたる9月下旬に咲くことから「彼岸花」と呼ばれています。彼岸花は美しいだけでなく、強い毒を持つことで有名な花です。毒を持つことから、名前は「彼岸花」でもお供え花としてはNGです。
その一方で彼岸花の群生した光景は、とても美しいことで有名なんだ。満開時の見事さから、観光名所となっている場所もあるんだよ。
ボタ爺
春と秋の彼岸にぴったりの花を見ていくぞい!
春のお彼岸のお供えに向いている花3選
①トルコキキョウ
トルコキキョウは清楚な花姿で花持ちがよく、お供え期間中の管理も楽であることから、よく利用されています。開花時期は5月~8月と彼岸の時期とは少し違いますが、花屋で切り花として年中販売されているため、彼岸に合わせた入手も可能です。この点もお供え花に向いているといえるでしょう。仏壇でも墓参りでも、どちらの用途でも問題ありません。
トルコキキョウは花形や花色が豊富で花持ちがよく、切り花にしても管理がしやすいことから、需要が高い花です。
切り花としての需要の高さから、温室栽培が盛んなんだ。だから開花時期に関係なく、いつでも購入できるんだよ。
②スターチス
スターチスは鮮やかな花色もさることながら、花持ちがよくて水分をあまり必要としないこと、水分が抜けきっても花が散らないことで有名です。このためお供え花としてだけではなく、ドライフラワーとしても高い人気を誇ります。水の管理が難しい墓参りでのお供え花に、うってつけの花といえるでしょう。開花時期は4月~7月ですが、年中購入できます。
③ユリ
ユリの花は気品ある花姿と、仏前にふさわしい純白の品種があることから、お供え花としてよく利用されています。人気が高いため、年中購入できる点も魅力です。ただし、ユリの花をお供えに使う場合は、花粉の処理を事前に行わなければなりません。ユリの花粉は一度ついてしまうとなかなか取れないため、墓や服を汚してシミを作る恐れがあるからです。手やピンセットで花粉を除去しておきましょう。
ユリといえば香りが強い品種が多いことでも有名です。お供えする際、香りの強い花を避ける場合もあるので気をつけてくださいね。
秋のお彼岸のお供えに向いている花3選
①菊(キク)
菊は仏花の定番花ですが、彼岸のお供え花としてもよく利用されています。古くから邪気を祓う高貴な花とされ、日本でも9月9日の重陽の節句には、長寿を祈願して菊の花を浸した酒を飲む風習があったほどです。花持ちが非常によい点も、仏花やお供え花として人気が高い理由でしょう。秋に咲く花という印象が強いですが、短日性植物であるため、その性質を活かした栽培方法によって周年流通しています。
②竜胆(リンドウ)
竜胆は9月~10月を開花時期とする秋の花の代表格です。鮮やかな青紫色の花が印象的ですが、ピンクや白の品種もあります。単独で飾っても、白い菊とあわせても見栄えがします。季節感にあふれ、かつ気品に満ちた美しい花束は、仏壇でも墓前でも喜ばれるでしょう。
③グラジオラス
グラジオラスは種類や品種によって、開花時期が異なります。6月~10月に開花する夏咲きタイプと、3月~5月に開花する春咲きタイプの2種類に分かれ、秋の彼岸に利用されるのは前者です。夏咲きタイプは花色が豊富なうえに、豪華で見栄えが多い品種が多い傾向があります。しかも切り花にすると水揚げがよく、花持ちがよいため、お盆の仏花にもよく利用されています。
お彼岸は先祖に感謝する大切な時期
今の自分があるのは、先祖たちがここまで連綿と血をつないでくれたおかげです。彼岸とは、先祖に感謝の気持ちを送る大切な期間でもあります。その初日である彼岸入りを滞りなく進めるためにも、墓参りやお供えの花の用意など、事前準備をしっかりと行いましょう。
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彼岸花は毒を持つことと、特徴的な花姿と花色から、不吉な印象が強い花とされています。贈り物にもNGとされているので気をつけましょう。