記事の目次
自然薯(短形自然薯)栽培の概要
ヤマノイモとも呼ばれる自然薯や大和芋、長芋などの山芋は、生で食べることができる芋です。山芋の栽培はパイプを使う方法もありますが、今回は小ぶりな短形自然薯をプランターで育てました。土作りや植え方など、山芋の栽培方法をご紹介していきます。
ボタニ子
収穫後は簡単でおいしい料理の作り方もご紹介します!
短形自然薯の栽培時期
ボタ爺
今回栽培した短形自然薯は短い形で、長芋と自然薯の交雑種です。
短形自然薯を実際に栽培をしてみました!
下の写真のような芋が収穫できます。プランター栽培ではパイプは使いません。
栽培者プロフィール
家庭菜園の経験年数:6年
自然薯、長芋、大和芋の栽培経験:なし
栽培地:静岡県
短形自然薯の栽培準備:土作りとプランター選び
土作りの方法や、プランターの選び方をご説明します。
土の作り方
植え付けの2週間前、基本用土の赤玉土などに、腐葉土など完熟した有機質肥料を多めに混ぜ込みます。有機質肥料には、微生物を増やし、病原菌が増えるのを防いでくれる働きもあります。
ボタニ子
有機質肥料には、腐葉土、油粕、魚粕、牛糞、鶏糞、骨粉などがあります。
連作障害に注意
前の年にイモを栽培した土からの土作りは避けましょう。連作障害になったり、イモがかかりやすい病原菌が残っていることがあります。
ボタ爺
市販の野菜用の土ならそのまま使えますぞ!
プランターは深さ30センチ以上のものを
プランターはできるだけ深さがあるものを選びます。今回は深さ30センチ程度、用土が20リットル入る野菜栽培用プランターを用いました。底には鉢底石を敷きましょう。
短形自然薯の栽培1日目:種イモの植え付け
種イモの植え方をご説明します。
4月6日
短形自然薯の種イモ
種苗店で購入した20センチ前後の種イモです。短形でなくても、長い山芋を短く切って植えつけ、プランターで小さい芋を栽培することができます。
ボタニ子
長い芋の地植えでは、形をそろえたり収穫を楽にするため、パイプがよく使われます。
パイプを使う植え方
通常の自然薯や長芋の栽培では、波板の上やパイプの中で育てる方法がよく用いられます。土作りを終えた用地に斜め下の方向に波板やパイプを埋めこみます。
ボタ爺
畑での土作りの際は深耕しましょう。家庭用耕運機を使うという方法もあります。
子芋から出る根は、栄養をほとんど吸収しません。パイプ内の土は、養分を含まない赤玉土などにすると病気の予防になります。
プランターへの植え方
種イモをプランターに植え付けました。事前に消毒液に浸したり、種イモを分割する場合は切り口に草木灰をまぶしたりし、病気の予防をすることもあります。
ボタ爺
縦向きで植えるなら、細い方を上にしましょう。
植え付けの深さは5センチ程度
種イモの上に5センチ程度の土をかぶせるのが、植え方のコツです。植え付けが深すぎると種イモの周りが温まりにくく、発芽が遅れる原因になります。マルチを施すなどして植え穴が小さい場合は、縦に植え付けます。
ボタニ子
マルチを施すとは、黒いビニールなどで土を覆うことです。地中への虫の侵入や地表の乾燥を防いだり、雑草が生えるのを防いだり、地温を保つ役割をします。
短形自然薯の栽培31日目:発芽
植え付けから1ヶ月で発芽しました。土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをします。
5月7日
発芽から数日の短形自然薯です。首の先が発芽点となり、芽や根が集中しています。
ボタニ子
発芽から1ヶ月くらいの時期は、主に親イモからの栄養で成長します。
ボタ爺
親イモの首の下に伸びる10本ほどの根がありますな。これが栄養を吸収するようになります。
長期不在時の水やり方法
長期不在時の水やり方法はタイマー式の給水方法などもありますが、電源不要な「水やり当番」を使用しました。
ボタニ子
チューブ内や、水が染み出す部分を先に水で満たしておかないとうまく給水してくれません。1週間ほど使ってみて、上手に給水できる方法を確認しましょう。
ボタ爺
自然薯や長芋の栽培では、土を長い間乾燥させないよう気をつけましょう。
短形自然薯の栽培45日目:支柱への誘引
発芽後14日目、つるを支柱に誘引する時期です。
5月21日
梅雨の前後は生育が盛んな時期です。左右対称の2枚の葉が出始めましたが、プランター中央の仮支柱が短かったため、下の写真のように折れてしまいました。
ボタニ子
仮のつもりで立てた支柱をいつの間にか追い抜き、つるが折れてしまいました!
ボタ爺
支えがないと自重で折れるんですな…
新しいつるがまた伸びますので、今度は折らないように気をつけます。
支柱の立て方
自然薯や長芋は地面を這って育つこともできますが、支柱を立てた方が風通しもよく、土からの病気も防ぎやすくなります。支柱を屏風型やネットにすると、緑のカーテンにもできます。
行灯(あんどん)型支柱の作り方
よく売られているアサガオ用支柱では高さが足りなかったので、行灯型支柱を作ることにしました。4本の支柱を麻ひもで囲み、天面をバラ支柱用の輪で固定しました。
短形自然薯の栽培74日目:雄花の成長
短形自然薯の雄花が出ました。雌花も存在しますが、今回の栽培で見ることはできませんでした。
6月19日
ボタニ子
夏の後半になると、花や葉の付け根にむかごができます。
出典:筆者撮影