こんにゃく芋の栽培方法!深さ・間隔など植え付けのポイントを解説

こんにゃく芋の栽培方法!深さ・間隔など植え付けのポイントを解説

こんにゃく芋の栽培は、植え方・育て方・増やし方に細かなポイントがあるので、栽培難易度は高いです。しかも食用のこんにゃく芋が収穫できるまでには年数がかかります。特に植え付けは成長段階にあわせて深さや株の間隔を変えるため、植え方1つでも細かな注意が必要です。

記事の目次

  1. 1.こんにゃく芋とは?
  2. 2.こんにゃく芋の栽培①時期
  3. 3.こんにゃく芋の栽培②準備
  4. 4.こんにゃく芋の栽培③植え付け
  5. 5.こんにゃく芋の栽培④管理
  6. 6.こんにゃく芋の栽培⑤増やし方
  7. 7.こんにゃく芋の栽培⑥病気対策
  8. 8.こんにゃく芋の栽培⑦害虫対策
  9. 9.まとめ

こんにゃく芋とは?

Photo by Atsushi Kase

こんにゃく芋は、こんにゃくの原料となる植物です。こんにゃく芋には加工すると固まる成分があるので、加工して食べるのが一般的です。こんにゃくは和食にもよく使われるので身近な存在ですが、原料であるこんにゃく芋の特徴はあまり知られていません。

基本情報

属性 サトイモ科
原産地 インドシナ半島
草丈 50~150cm
栽培期間 3年
寿命 4~5年
栽培レベル ★★★★★

こんにゃく芋の特徴

原産国では約130種類のこんにゃく芋がありますが、日本で栽培されているこんにゃく芋とは性質が違います。特に日本のこんにゃく芋には加工すると固まるこんにゃくマンナンが含まれているのが、原産国のものとの大きな違いです。

特徴①主流は3品種

国産のこんにゃく芋にもさまざまな品種がありますが、現在国内で栽培されているこんにゃく芋は、はるなくろ・あかぎおおだま・みやままさりが主流です。3品種はどれも収穫量が安定しているうえに、既存の品種よりも管理がしやすくなっています。

特徴②不気味な別名

こんにゃく芋の別名は「悪魔の舌」「死体花」「世界一醜い花」と不気味なものばかりです。これらの別名の由来は、花の特徴と関係します。花は植え付けから5年目にしか咲かないので、ほとんど知られていませんが、毒々しい赤紫色と強烈な臭いにおいが特徴です。これが不気味な別名の由来となっています。

特徴③収穫まで年数がかかる

こんにゃく芋はサトイモ科の植物なので、植え方は「種芋を植え付ける」が基本です。食用になるまでは、種芋の収穫・保存(貯蔵)・植え付けを繰り返します。ちなみに最初に植える種芋はこんにゃく芋の赤ちゃんで「生子(きご)」と呼びます。

生子 成人の指の長さ程度
植え付け1年目 ミカン程度
植え付け2年目 リンゴ程度
植え付け3年目(収穫期) 直径約30cm

特徴④寒冷地の限界は山形県

こんにゃく芋は気温13℃以下では「枯れる」「腐る」などの症状がおこるため、寒冷地での露地栽培が可能なのは山形までです。山形も山地などは栽培条件に当てはまりませんが、平地なら栽培適温がキープできますし、収穫後の貯蔵も工夫すれば腐ることなく翌年の春まで保存できます。

こんにゃく芋の栽培①時期

Photo bytigerlily713

こんにゃく芋は、食用芋が収穫できるまでに年数が3年かかります。多年草の植物ですが種芋は1年ごとに収穫し、翌年の植え付けまでは貯蔵庫などでの保存が必要です。こんにゃく芋も花が咲きますが、開花時期は収穫期の後なので栽培には関係ありません。

植え付け時期 4~5月
収穫時期 11月
休眠期(貯蔵期間) 12~3月

栽培適温

こんにゃく芋は寒さに弱く、気温が13℃以下で成長が止まります。そのため植え付けは4~5月に行いますが、この時期でも気温が13℃以上にならない地域では栽培に適しません。暖地・温暖地でも、1日を通して気温が13℃以下にならないことを確認するのがポイントです。

こんにゃく芋の栽培②準備

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こんにゃく芋が食用として収穫できるまでには年数がかかりますし、その間も毎年収穫・植え付けを繰り返します。そんなこんにゃく芋の植え方は、準備を万全にすることが重要です。栽培難易度は上級者レベルと高いですが、植え方のポイントを理解すれば初心者・中級者でもチャレンジできます。

育てる場所(植え方)

こんにゃく芋は日当たりのよい場所で栽培するのが基本ですが、植え方のポイントはほかにもあります。適度な日当たりは必要ですが、日差しが強すぎると枯れますし、日照時間が短いと腐る原因になります。また乾燥しやすい場所もNGです。

土づくりと肥料

こんにゃく芋の土づくりは、収穫を終えた冬~春にかけて時間をかけて行います。土にいくら肥料を施しても、ふかふかしたよい土でなければ種芋は育ちません。病害虫の予防のためにも、土壌改良・消毒は必要です。さらに空気を含んだよい土にするために、土づくりの段階でしっかりと掘り起こします。

肥料の代わりに完熟たい肥を使う

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こんにゃく芋の土づくりでは、完熟たい肥を使うのがおすすめです。完熟たい肥は有機物を原料にしているため、土に含まれる成分が分解し全体的に柔らかくなります。肥料のような即効性はありませんが、時間をかけて土壌を改良した土は栽培に適しており、植え付け後の成長も良好です。

こんにゃく芋の栽培③植え付け

Photo by __U___

こんにゃく芋の場合、植え付け1~2年目の生子や種芋は芽を育てるだけでも相当なエネルギーを消費します。栄養を蓄えた種芋からは1年ごとに新たな生子ができるので、種芋をいかに成長させるかが重要です。種芋の成長スピードは早いので、種芋の生育年数によって畦幅・株間・深さを変えるのが種芋を大きく育てるコツです。

植え付け1年目

畦幅 50~60cm
株間 3~10cm
植え付けの深さ 6cm

植え付け2年目

畦幅 50~60cm
株間 12~20cm
植え付けの深さ 6cm

植え付け3年目

畦幅 50~60cm
株間 25~45cm
植え付けの深さ 6cm

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こんにゃく芋の栽培④管理

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