ニガカシュウとは
ニガカシュウは、ヤマノイモ科の多年生つる草で、インド、中国、マレーシア、オーストラリア、熱帯アメリカ、アフリカなど、日本では関東地方以西に分布しています。林縁や川岸などに見られます。
ニカガシュウの特徴
ニカガシュウの葉
ニガカシュウの葉は大きなハート形で互生し、切れ込みはなく、無毛です。長さ、幅ともに5~16センチほどです。つるは5メートルほどまで伸びます。
ニカガシュウの花
ニガカシュウのむかご
ニガカシュウは雌雄異株で、雄花と雌花で花の色や開き方が異なります。8~10月頃、長さ2ミリほどの白い花を穂状につけます。雄花は下垂し、花の色は白から紫褐色に変化します。花後、葉の付け根に「むかご(肉芽ともいう)」ができ、地下にいもを作ります。雌花は少ないですが、むかごで増えます。
え? ムカゴって山芋とか長芋にできるものじゃないの?
ムカゴとは
むかごは零余子と書き、多年生つる性植物などの葉や茎の付け根にできる0.5~3センチほどの小さな実です。(ですので、ニガカシュウにもむかごができます。)肉芽とも呼ばれます。私たちが普段「むかご」と呼んでいるのは、ヤマイモやナガイモのもので、でこぼこの少ない丸い実です。ニガカシュウのむかごは他のむかごと比べ、表面がごつごつしているのが特徴です。
むかごは食べられる?
ヤマイモやナガイモのむかごは食べられますが、ニガカシュウのむかごは苦くて食べられません。ただし、ニガカシュウのなかでも栽培種のカシュウイモは別名エアーポテト(宇宙芋)と呼ばれ、可食です。
ヤマノイモ科植物の概要
ヤマノイモ科植物は、8属800種類ほどありますが、その多くはヤマノイモ属にまとめられます。上記のとおり、ヤマノイモ属には、ニガカシュウのほかにヤマイモやナガイモなどのなじみのあるいもも含まれ、多年生つる草で地下茎やいもを作ります。雌雄異株のものが多く、世界の温帯から熱帯に分布しています。
ニガカシュウの名前の由来
ニガカシュウは漢字で苦何首烏と書きます。何首烏(かしゅう)という、根の部分を漢方薬として使う植物(別名ツルドクダミとも呼ばれる)に似ていることと、その「むかご」も「いも」も苦みが強いことからこの名前がつけられたと言われます。しかしながら、何首烏はタデ科に属し、ヤマノイモ科のニガカシュウとは全く別のものです。
まとめ
むかごはできても苦くて食べられないニガカシュウ。ヤマノイモ科は葉やつるの様子がよく似ているので見分けるのはなかなか至難の業です。食べられないのは少し残念ですが、白から紫に色変わりする花を楽しむのも素敵ですね。
ニガカシュウって知ってる?