みかん品種「不知火」の育て方
不知火の育て方はどうしたらよいのでしょうか?せっかくならば美味しい実を収穫したいものです。不知火の育て方について詳しくご紹介します。
育て方①植え付け時期と栽培適地
不知火の植え付け時期は3月下旬~4月中旬です。植え付け時期までに苗が手に入らなかった場合でも、6月までにはすませましょう。日当たりのよい場所を好むため、地植えはもちろん、鉢植えにした場合も置き場所を選ぶようにします。地植えにする場合は最低気温が-5℃を下回らない場所に植え付けてください。
育て方②用土
不知火は、水はけと水持ちさえよければ土をあまり選びません。鉢植えに使う用土は市販の果樹用培養土か、赤玉土(小粒)7~8:腐葉土3~2の配合土を使うとよいでしょう。
育て方③植え付け方法
不知火の植え付け時期には、まずは地植えにするか鉢植えにするかを決めましょう。地植えにする場合は、耐暑性はあるため最低気温を目安にします。鉢植えにする場合は、7~8号以上の鉢を用意してください。成長具合にもよりますが、鉢植えの場合は2年に1回、植え替えする必要があります。時期や手順は切り戻し以外、植え付け方法と一緒です。
鉢植えの場合
不知火の植え付けの手順は、まず鉢の底に鉢底石を敷いたら、鉢の1/3~1/2まで培養土を入れます。続いて苗の根についた土をほぐしたら、鉢の中央に置いてください。苗を置いたら周りに培養土を入れて、土を押し固めて苗を安定させます。根元から50~60cmの高さで幹を切り戻したら、たっぷりと水やりをしたあと、日当たりのよい場所において完了です。
地植えの場合
不知火を地植えにする場合は、日当たりのよい場所を用意します。苗よりも1回り大きい穴を掘ったら、掘りあげた土の半分に堆肥や鶏糞、ヨウリンを混ぜてから穴に戻し、さらに少量の土を被せてください。苗の根の土をほぐしてから穴の中心に置き、土をすべて埋め戻したらしっかりと踏み固めます。苗の根元から50~60cmで苗を切り戻したら、たっぷり水を与えて完了です。
育て方④水やり
不知火の水やりは、鉢植えの場合は表面の土が乾いたら、鉢全体に水がいきわたるようにゆっくりと水やりをします。鉢底から水が少し流れ出てくれば水がいきわたった証拠です。地植えの場合は、植え付け時のほかは夏の乾燥している時期以外は必要ありません。
育て方⑤肥料
不知火は果樹のため、毎年定期的に肥料を与える必要があります。鉢植え・地植えともに、3月に油かすなどの有機質肥料を、6月と10~11月上旬に即効性の化成肥料を与えるようにしましょう。
育て方⑥病害虫
美味しい実を収穫するために一番気をつけたいことが病害虫です。不知火は病気には比較的強い特徴があります。しかし害虫にはいくつもの種類に注意が必要です。
病気
不知火で注意したい病気は黒点病です。糸状菌が原因のカビ病で、雨の多い時期には特に注意が必要になります。枯れ枝で胞子が形成され拡散することから、枯れた枝をこまめに取り除くことが大切です。株の中まで日の光が当たるように余分な枝を取り除き、切り取った枝は病気の発生源にならないように、すぐに処分するようにしてください。
害虫
不知火は害虫に弱く、ミカンサビダニ・チャノホコリダニ・カメムシ類・ハダニ類などが問題になります。アゲハチョウの幼虫による葉の食害もバカになりません。葉の裏に付くものも多いので、定期的に葉の裏を確認し、必要に応じて薬剤散布で防除します。
出典:写真AC