ジャバラとは？和歌山産ミカンの特徴をご紹介！花粉症にも効果あり？

ジャバラは漢字で「邪払」と書き、文字通り「邪（ジャ）」を「祓う（ハラウ）」という意味があります。ジャバラは栄養価が高いことから、邪（病気）を払ってくれるありがたい果実として、正月料理などの縁起物に使われています。

ジャバラの原産地は、和歌山東牟婁（ヒガシムロ）郡北山村です。江戸時代には、北山村の庭先で育てられていたという記録が残っています。北山村は日本で唯一の飛び地と呼ばれる地域で、和歌山県でありながら和歌山県には接することなく、周囲を三重県と奈良県に囲まれています。ジャバラはそんな特別な土地で育つ、まぼろしのみかんです。

ジャバラは1本の木のみで実をつける、自家結実性のある果樹です。和歌山県北山村原産のみかんとして昭和54年に品種登録されて以来、門外不出のフルーツでした。しかし、近年ジャバラの人気が高まったため、四国や九州など温暖な地域で広く栽培されるようになりました。

ジャバラの開花時期は5月ごろです。ジャバラはほかのミカン科の花と同じように、白い小さな花を枝先につけます。ジャバラの花もほかの柑橘類の花と同じような姿形です。白く肉厚の5枚の花弁をもち、雄しべの花糸が合着して筒状になりその先に葯（やく）が並びます。

ジャバラとみかんの花の違いは、香りの強さです。ジャバラの花には、鼻を近づけると感じる程度の甘い香りがあります。みかんの花は近くを通るだけで、強く甘い芳香を感じられます。

花が咲き終わると、ジャバラの薄緑色の果実は成熟して黄色く色づきます。ユズに似て凸凹した表面が特徴的です。収穫時期は11月下旬～2月上旬にかけてです。収穫した果実は、3～4月ごろまで保存してもジューシーな状態を保てます。

ジャバラの果実は、みかんよりひと回りほど大きいです。またみかんの皮は薄く指で簡単にむけますが、ジャバラの皮は厚く、ナイフなどが必要です。

ジャバラは酸味が強く独特の苦味があり、甘みはほとんど感じられません。酸味が強いためユズやスダチのように食酢として、料理のアクセントをつけるために利用されます。

同じミカン科のみかんは甘くて苦味もないため、そのまま食べられます。しかし、ジャバラの酸味はとても強く独特の苦味があるため、みかんのように食べることはありません。

ジャバラには、ナリルチンという成分が多く含まれています。フラボノイドの一種でアレルギー症状を抑える効果あると認められ、花粉症に悩む人々の注目を集めています。

ジャバラの注目成分のナリルチンは、特に果皮の部分に多く含まれています。含有量は果汁の10倍以上です。ナリルチンの効果を期待するなら、ジャバラの果皮を捨てるのはもったいないといえます。マーマレードに使用するなど、皮ごと食べる工夫が必要です。

ジャバラを買うなら、通販での取り寄せがおすすめです。11月下旬ごろから通販で購入できるため、取り寄せてみてはいかがでしょうか。生の果実以外にもジャバラを楽しむ商品が販売されています。

和歌山県北山村原産のまぼろしのフルーツ、ジャバラについて紹介しました。アレルギー対策としての効果が期待できるジャバラは、ほろ苦さがクセになるみかんです。料理に加えるだけで、新しい味の発見があるかもしれません。