畑菜ってどんな野菜?特徴や栄養・おいしい食べ方もご紹介

畑菜ってどんな野菜?特徴や栄養・おいしい食べ方もご紹介

畑菜はビタミンやカルシウムが豊富に含まれている、京都の伝統野菜です。辛子和えやおひたしなど、さまざまな食べ方ができるのが魅力で、京都では古くから「おばんさい」としても親しまれています。そんな畑菜の特徴や栄養、おいしい食べ方をみていきましょう。

記事の目次

  1. 1.畑菜の概要
  2. 2.畑菜の特徴
  3. 3.畑菜の栄養
  4. 4.畑菜のおいしい食べ方
  5. 5.畑菜の保存方法
  6. 6.栄養満点の畑菜を味わってみよう

畑菜の概要

出典:写真AC

畑菜は、京都で栽培されている希少種で「雪菜」や「冬菜」「ツケナ」という別名でも親しまれています。栄養満点の京野菜で、和え物や漬け物などアレンジレシピもさまざまです。旬の時期は1月〜2月で、寒さにあてた畑菜は優しい甘みと肉厚な食感が楽しめます。

基本情報

園芸部類 野菜
形態 一年草
樹高・草丈 20cm〜30cm
科目・属名 アブラナ科・アブラナ属
別名 冬菜、雪菜
菘(スズナ、カラシ、タカナ、ウキナ、ツケナ)
耐暑性 やや弱い
耐寒性 強い
耐陰性 弱い

名前の由来

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畑菜は、採油を目的として古くから栽培されてきた野菜です。「畑で栽培できる菜っ葉」という性質が、そのまま名前の由来になっています。また「畑菜(はたけな)」という呼び名は京都のみで浸透しており、ほかの地域に流通する場合は「冬菜(とうな)」や「雪菜(ゆきな)」という名前で販売される場合がほとんどです。

畑菜の特徴

出典:写真AC

畑菜はキャベツやブロッコリーと同じ、アブラナ科アブラナ属に分類される植物です。上品な味が特徴で、葉や茎だけでなく花が咲く前の若芽も食べられます。畑菜の歴史は古く「江戸時代の京野菜」としても文献に記されており、京都では馴染み深い野菜です。

特徴①見た目

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畑菜の見た目は、同じ「アブラナ科」に分類される小松菜やほうれん草によく似ています。しかし、葉や柄の部分に「欠刻」が多いのが特徴です。畑菜は葉の色が濃く、しっかりとした厚みがあります。茎は白っぽいものから少し黄緑がかった色までさまざまです。太すぎず優しい黄緑色をしている畑菜が、栄養をたくさん含んでいるといわれています。

欠刻とは?

欠刻(けっこく)とは、葉の両端にあるギザギザの切れ込み部分をさします。畑菜は、ほうれん草や小松菜などのほかの野菜に比べて、葉の縁がノコギリの刃のように切れ込みが入っているのが特徴です。畑菜はフリルレタスのような葉の形をしており、やわらかい食感が楽しめます。

特徴②旬の時期

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畑菜は栽培期間が短く、種をまいてから2カ月〜3カ月で収穫できます。真夏を除いていつでも収穫ができ、京都では年間を通していつでもスーパーで見かけられる野菜です。旬の時期は1月〜2月で、寒さや霜にあたると栄養成分がぎゅっと詰まった、甘くておいしい畑菜になります。

畑菜が寒さでおいしくなるのはなぜ?

畑菜は「冬菜」や「雪菜」とも呼ばれているとおり、冬に旬の時期を迎えます。畑菜は、冬の寒さにあてると、株が凍結するのを防ぐために、内部から水分を放出するのが特徴です。また、水分が蒸発して糖分を蓄積できるようになり、甘みがどんどん増していきます。この方法は「冬じめ」とも呼ばれており、同じアブラナ科のちぢみほうれん草も、この方法で栽培されています。

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特徴③原産地

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畑菜は京都府の地域ブランドに認定されており、主に「伏見区」や「左京区」で生産されています。また、京都の「伝統野菜」のため、限られた地域でしか栽培できない希少種です。昭和30年代までは、京都のさまざまな地域で盛んに栽培されていましたが、現在では作付面積が減少傾向にあります。

伝統野菜とは?

伝統野菜とは、各地域で古くから栽培されている地元の野菜をさし「地方野菜」とも呼ばれています。野菜の在来品種にあたり、限られた地域でしか栽培されていない場合がほとんどです。しかし、近年ではコスト削減のために、ほとんどの伝統野菜の生産量が減ってきています。そのため、流通量が少なく「希少種」として扱われるのです。

特徴④味

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畑菜の味は大根菜のようにさっぱりとしていて、おひたしや和え物、漬け物や炒め物など、どのような料理にもよく合います。畑菜は、ほうれん草や小松菜のようにクセがなく、葉野菜独特の青臭さが少ないのが特徴です。葉が柔らかいので味が染み込みやすく、煮物や鍋物に利用しても美味しく食べられます。

特徴⑤歴史

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畑菜の歴史は古く、元禄10年に刊行された農業についての書物にも、畑菜の名前が記されています。1696年には京都で栽培されていたとされ、初午の日に食べる縁起のよい食べ物としても利用されている野菜です。ほかの地域では栽培されていない希少種ですが、小松菜やほうれん草の栽培が盛んになったため、年々生産量が減ってきています。

京都では初午の日に畑菜を食べる風習がある

出典:写真AC

京都では2月の初午(はつうま)の日に「畑菜の辛子和え」を食べる風習があります。畑菜をさっと茹でて京あげを加え、しょうゆや砂糖で味付けするだけの簡単レシピです。畑菜の辛子和えは、京都で「おばんさい」と呼ばれています。おばんさいは、一般家庭で馴染み深い惣菜をさし、素材の味をいかすために味付けは薄めで作るのが一般的です。

初午とは?

初午とは「2月最初の午の日」を意味します。初午は農作業が始まる日として、豊作や商売繁盛を祈る日です。京都だけでなく、全国の稲荷神社で「初午大祭」が行われます。古くから「初牛」の日に、畑菜の辛子和えを食べて豊作を祈ったという歴史があり、京都では馴染みの深い野菜です。

特徴⑥値段

出典:写真AC

畑菜は、ほうれん草や小松菜に比べて値段が安いのが魅力です。ほうれん草や小松菜は、1束150円ほどが相場ですが、畑菜は1束100円程度の安い値段で販売されています。そのため、京都では「常備菜」としても利用されている人気の野菜です。

畑菜の栄養

出典:写真AC

畑菜には栄養成分がたっぷりと含まれており、小松菜やほうれん草のようにクセなく、あっさりと食べられるのが特徴です。食感は大根葉に似ていますが、畑菜のほうが栄養価が高いとされています。ビタミンやカルシウムが多く含まれており、美容や健康の維持にも効果的です。

栄養①ビタミン

フリー写真素材ぱくたそ

畑菜には、ビタミンB6やビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンは、皮膚や粘膜の健康維持に効果的な栄養素です。また、ビタミンはストレスの緩和にも役立つ栄養素で、心疾患や動脈硬化の予防も期待できます。しかし、ビタミンCやビタミンB6は水に溶けやすく熱に弱いため、洗いすぎたり茹ですぎたりしないように注意しましょう。

栄養②βカロチン

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βカロチンはモロヘイヤや人参、トマトなどにも多く含まれている栄養素です。抗酸化作用があり、アンチエイジングや生活習慣病などの予防など、さまざまな効果が期待できます。また、βカロチンは、体内でビタミンAに変換されるのが特徴です。皮膚や粘膜を丈夫で健康に保つ効果もあるとされます。

栄養③カルシウム

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畑菜には、ほうれん草の1.9倍のカルシウムが含まれています。カルシウムは、骨や歯を健康に保つのに欠かせない栄養素です。骨が育つ成長期や妊娠中、授乳時期にはたくさんのカルシウムを必要とするため、小さな子どもや妊婦には欠かせません。また、カルシウムをしっかりと摂取しておくと、骨粗しょう症の予防にも効果的です。

栄養④鉄分

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鉄分は、貧血の予防に欠かせない栄養素で、畑菜の茎や根元の部分に多く含まれています。赤血球に含まれる「ヘモグロビン」の材料となり、血液を作る手助けをする栄養素です。鉄分が不足すると、貧血だけでなく抜け毛やシミ、シワができる原因となります。

ボタニ子

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次のページでは、畑菜のおいしい食べ方をご紹介します。

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畑菜のおいしい食べ方

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