チョロギとは?おせち料理にも使われる植物の特徴・育て方や食べ方!

チョロギとは?おせち料理にも使われる植物の特徴・育て方や食べ方!

おせち料理の、巻貝のような赤い渦巻の正体をご存知ですか?あの渦巻は「チョロギ」という名前の植物です。虫や貝にも見える独特の見た目と、変わった名前をもつ「チョロギ」の特徴や、なぜおせちに入っているのか、育て方・食べ方について詳しくご紹介します。

記事の目次

  1. 1.チョロギとは
  2. 2.チョロギの特徴
  3. 3.チョロギの育て方
  4. 4.チョロギの食べ方
  5. 5.まとめ

チョロギとは

Photo by yoppy

チョロギとはシソ科の多年草です。塊茎部分は食用とされます。中国原産で日本には江戸時代に伝わりました。秋田県をはじめ、東北地方などで栽培されていますが、日本では自生していません。1880年代にはヨーロッパやアメリカにも伝わり、現在もフランス料理などで食されています。日本では縁起物として、おせち料理に取り入れられています。

基本情報

分類 シソ科オドリコソウ亜科イヌゴマ属
学名 Stachys affinis Bunge
英名 Chinese artichoke
別名 ネジ芋、法螺芋、甘露子、宝塔菜
原産地 中国

産地

 出典:写真AC

チョロギは、岩手県や秋田県、福島県など東北地方を中心に、北海道、京都府、岡山県、広島県、大分県など日本各地で生産されています。なかでも、大分県竹田市では、300年前から栽培が盛んです。主におせち用に栽培されています。栽培に時間がかかったり、収穫後の洗浄に手間が必要だったりすることなどから生産は減少傾向ですが、特産品化を進める産地もあります。

チョロギの特徴

塊茎

チョロギの大きな特徴は、おせち料理にも使われる、巻貝のような渦巻型の塊茎(かいけい)部分です。塊茎とは根ではなく、地下茎が栄養を貯めて肥大化した部位のことをいいます。大きさは2cm~4cm程度です。赤い色のイメージがありますが、収穫したては真っ白で、空気に触れると酸化して茶色っぽく変化します。通常は梅酢などで味付けして食べられますが、生のままではえぐ味があります。

生薬にもなっている

チョロギは草石蚕(ソウセキサン)という名前の生薬の一種です。スタキドリン、コリン、スタキオースという成分を含み、滋養強壮や咳を鎮めたり、子供の癇癪を抑える作用があるとされています。明朝の李時珍が書いた薬学書「本草綱目」のなかには、病気の侵入を防ぎ、血行をよくして精神を安定させる効果があると記されています。長寿を願った縁起物として喜ばれる名前の通り、体にもよい食材といえるでしょう。

チョロギの花

あまりなじみのないチョロギの花ですが、6月~7月頃に薄紫の花を咲かせます。シソ科の花の特徴でもある唇形花が穂状につき、可憐な姿を見せてくれます。草丈は60cmほどまで伸びるため、花を観賞するときは支柱を立てるなど倒れないような対策が必要です。

チョロギの名前の由来

「チョロギ」という名前は、原産地でもある中国の「朝露葱」を日本語読みしたことに由来すると考えられています。また、韓国語で「ミミズ」を意味する「チョロイン」が語源という説もあります。「草石蚕(ソウセキサン)」と表記されることもありますが、これは「石蚕(いさご)」というトビケラの類の幼虫に似た塊茎の姿が由来です。

縁起のよい名前

出典:写真AC

読み方から「丁呂木」「丁梠木」と書かれるのが一般的ですが、「長老木」「長老喜」「長老貴」「千代呂木」など縁起のよい漢字を当てて、長生きできるようにと願いをこめ、縁起物としても扱われます。おせち料理に入れられるのもそのためです。

チョロギの花言葉

チョロギの花言葉は「驚き」「楽しい人生」です。掘ってみると出てくる、塊茎の植物らしからぬ見た目は「驚き」があるでしょう。渦巻のような形も面白く「楽しい人生」を連想させるかもしれません。

チョロギの育て方

チョロギは生のままでは変色が激しいため、生の状態ではあまり流通していません。栽培をするなら種イモを購入しましょう。種イモは2月~4月頃に、ホームセンターや種苗店、インターネットで購入できます。それほど手間がかからないため、家庭でも地植えやプランターで栽培できます。

チョロギの好む環境

チョロギは日向から半日陰で育てられます。乾燥にやや弱いため、プランター栽培の場合、夏場は特に乾燥に注意しましょう。腐葉土でマルチングすると土表面の乾燥を防げます。追肥はほとんど必要なく、病害虫にも強いため、特別な手入れをしなくてもよく育ちます。

植えつけ

植えつけ時期は春です。前年に収穫した塊茎や、販売されている塊茎で育てられます。植えつけるときは、塊茎を横向きにして、3cm~5cmの深さに植えつけます。塊茎から根や脇芽が広がるため、株間は15cm~20cmと広めにとりましょう。鉢やプランターで育てる場合は、幅20cm程度の大きさのものに1株が適切です。

手入れ

追肥をする場合は、草丈が10cm程度になったころに有機肥料を施します。草丈が高く根が浅いため、倒れやすい点に注意します。支柱で支えましょう。雑草にやや弱い性質もあるため、特に地植えの場合は気が付いたときに取り除きます。過度に乾燥しないよう、土をよく見ることも忘れないでくださいね。

収穫

10月~12月頃に地上の葉や茎が枯れてきたら収穫します。ランナーでよく広がるため、ランナーをたどって残さず収穫しましょう。土中に残っていると、翌春に芽を出し、また収穫することも可能です。収穫した塊茎は、渦巻のくぼみに土が入り込むため、流水で丁寧に洗い流します。

保存方法

生のチョロギは、すぐに変色してしまうため早めに食べましょう。ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存できますが、保存期間の目安は3日~4日です。常温で保存する場合は、乾燥しないように、プランターなどで土の中に埋めて、屋外の日陰に置いておきます。しかし、気温が15℃を超えると発芽してしまうため、春までには食べましょう。

チョロギの食べ方

チョロギの旬

 出典:写真AC

チョロギの旬は11月下旬~12月です。ふっくらとして大きく、色が白いものが新鮮でおいしく食べられます。柔らかくなっていたり、根や芽が出ていたり、変色がひどかったりするものなどは避けましょう。新鮮なうちに15%~20%の塩で漬けたり、梅酢に漬けたりすると、パリパリの食感を楽しめます。

チョロギの梅酢漬け

 出典:写真AC

おせち料理で見かける「チョロギの梅酢漬け」は、チョロギの一般的な食べ方といえます。梅酢の酸味とパリッとした食感がおせちのよいアクセントになります。見た目にも、赤い渦巻で存在感があり、お弁当のおかずにもおすすめです。しば漬けやカリカリ梅のような味と食感で、刻んでごはんに混ぜたり、サラダに散らしたりするといった食べ方もできます。

材料(3人~4人分)

  • チョロギ(塩漬け)…200g
  • 塩…小さじ1
  • 酒・砂糖…大さじ2
  • 梅酢…200cc

作り方

  1. 鍋に酒とチョロギを入れて3分ゆでる
  2. 保存容器にチョロギと塩を入れてよく混ぜ、冷蔵庫で半日~1日ねかせる
  3. チョロギを水さらして冷蔵庫に入れて塩抜きする(水は何度か替える)
  4. 煮沸消毒した瓶や保存袋に砂糖と梅酢、チョロギを入れて、冷蔵庫に入れ2日漬ける

お正月の名脇役! ちょろぎ梅酢漬けのレシピ動画・作り方 | DELISH KITCHEN
縁起物とされ、おせちに使われるちょろぎ! 黒豆に添えられることが多いです♪ 生のちょろぎが手に入ったら是非作ってみてください♪

漬物以外の食べ方

チョロギは梅酢漬けではパリッとした食感ですが、加熱すると芋や百合根のようなホクホクした食感になります。下ゆでしてアクを抜き、茶わん蒸しの具にもよく合います。素揚げや炒めものにもぴったりです。

フランス料理のにも使われる

17世紀後半にヨーロッパに伝わったチョロギは、フランス料理の食材でもあります。濃い味がついていないため、フランス料理ではオリーブオイルとニンニクであえてマリネやサラダにしたり、バターソテーして肉料理に付け合わせたりします。チョロギをブロッコリーなど旬の野菜やベーコンと合わせ、クリーム煮にするのもヨーロッパでは一般的です。

まとめ

 出典:写真AC

おせちの中でも目を引く赤い渦巻の「チョロギ」は形も名前も独特ですが、育て方は意外に簡単と感じた人も多いのではないでしょうか。食べ方も、梅酢漬け以外に洋風にも和風にも使える食材で、生薬にも用いられる体によい植物でした。おせち以外ではなじみの薄いチョロギですが、ぜひ育てて、食卓に取り入れてみてくださいね。
 

yukijcw
ライター

yukijcw

半日陰の小さな庭でガーデニングを始めました。野の花と青い花が好きです。

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