間引き菜とは
間引き菜は野菜の名前ではありません。野菜を育てる過程において、途中で摘んでしまう芽のことをいいます。なぜ間引きが必要なのか、まずは間引きをする意味から紹介しましょう。
間引きの意味
間引きとは種から育てた野菜が発芽した後、大きな芽を残しそのほかの芽を引き抜くことをいいます。成育途中、何度となく間引きます。芽が大きくなるにつれ、葉が混みあってくるからです。間引くことにより、日当たりや風通しがよくなり、肥料もまんべんなく行き渡るようになります。
間引き菜の種類と間引きの仕方
野菜を大きく育てるためには、間引きは重要な作業です。間引きが必要な代表的な野菜に、ほうれん草・春菊・大根・野沢菜・小松菜があります。種をまき芽が出てからどのくらいで間引いたらいいのか、間引きのタイミングは野菜ごとに違います。
①ほうれん草
- 本葉が2~3枚で株間が3cmになるように間引く
- 草丈が6~7cmになったころには、株間を5~6cmになるようにする
- 草丈が8cmほどになり本葉が5~6枚なったら、株間を10cmくらいあけて間引く
②春菊
- 本葉が2~3枚になったら株間を5cmくらいあけるように間引く
- 本葉が4~5枚になり草丈も10cmほどになったころ、株間を10cm~15cmあけるように間引く
③大根
- 本葉が2枚になったころ、3本立ちに間引く
- 本葉が5~6枚になったころ、1本立ちにする
④野沢菜
- 本葉が2~3枚になったら株間を5cm~6cmにあける
- 本葉が3枚~4枚に増えたら、株間を20cmくらいあけて間引く
⑤小松菜
- 本葉が1~2枚になったら株間を3cm~4cmにする
- 草丈が7cm~8cmになったころ、株間が5cm~6cmになるように間引く
間引き菜の美味しい食べ方
大量の間引き菜は簡単な調理方法や人気レシピを一工夫するだけで、美味しい料理に仕上がります。大量にとれる間引き菜を、生でサラダにしたり、漬物にしたりしてたくさん食べてみましょう。
間引き菜の下処理
間引き菜の食べ方には、おひたし・ごま和えなどありますが、調理前には下処理が必要です。
- 根や葉をよく洗って細かい土を落とす
- 根が気になる場合は取り除く
ほうれん草の間引き菜レシピ
①ゴマ和え
ほうれん草の間引き菜は、おひたしもいいですがごま和えも人気です。茹で方は、沸騰したお湯にさっとくぐらせる程度にしましょう。冷水でよく冷まし水をよくきってから、調味料と混ぜます。
材料(2人分)
- ほうれん草の間引き菜:200g
- 砂糖:小さじ2
- 醤油:小さじ2
- みりん:小さじ1
- すりごま:大さじ1~1.5
- 鰹節:お好みで
作り方
- 間引き菜を熱湯にさっとくぐらせ冷水にとり、よく水をきる
- 調味料を混ぜ、間引き菜と和える
- すりごまとお好みで鰹節を加える
②肉巻き
間引き菜は肉に巻いて焼くので、茹ですぎないようにします。味付けは焼き肉のタレもいいですが、塩コショウで味をつけ食べる直前にレモンを絞れば、さっぱりとした味に仕上がっておすすめです。
材料(2人分)
- ほうれん草の間引き菜:150g
- 豚肉バラまたはロース薄切り:200g
- 焼き肉のタレ:適量
- サラダ油:適量
作り方
- 間引き菜は熱湯にさっとくぐらせ冷水にとり、水をよくきる
- 間引き菜を豚肉で巻く
- フライパンにサラダ油をひき、よく焼く
- 焼き肉のタレをかける
春菊の間引き菜レシピ
①白和え
春菊の間引き菜は、春菊特有の香りも少ないため白和えもおすすめです。春菊の香りが少ないので、豆腐の香りも感じられます。ほうれん草の間引き菜と同じく、茹で方はサッとくぐらせるだけにして茹ですぎないことと、豆腐を細かくつぶすことがポイントです。
材料(2人分)
- 春菊の間引き菜:200g
- 絹ごし豆腐:150g
- すりごま:大さじ5
- 砂糖:大さじ1
- しょうゆ:大さじ2
- みりん:大さじ3
- 顆粒だし:小さじ1
作り方
- すりごま・砂糖・しょうゆ・みりん・顆粒だしを混ぜる
- 豆腐をキッチンペーパーで包み、レンジに2分かけ水をきる
- 間引き菜をサッと茹で、冷水にとりよく水をきる
- 1でまぜた調味料とよく混ぜる
②サラダ
春菊の間引き菜は、とてもやわらかいので簡単に手でちぎってサラダはいかがでしょうか。水洗いした春菊の間引き菜を、ちぎって盛りつけるだけです。香りのよいゴマ油や塩昆布を混ぜてもいいですね。サラダにするときは、根の部分は取り除いた方が食べやすくなります。
材料(2人分)
- 春菊の間引き菜:200g
- 塩昆布:適量
- ごま油:適量
- ごま:適量
作り方
- 間引き菜は根を取り除き、食べやすい大きさにちぎる
- 塩昆布・ごま油・ごまと混ぜあわせる
大根の間引き菜レシピ
①ふりかけ
大根の葉は、炒めてゴマやちりめんじゃこを加えた、人気のふりかけを紹介します。ゴマなどのほかにも、かつお節やネギを加えても美味しいですよ。茹でてから調理をしてもいいですし、下茹でしないで生のまま炒めれば、より歯ごたえのあるふりかけができあがります。
材料(4人分)
間引き菜:適量
ちりめんじゃこ:60g
人参:1/3本
輪切り唐辛子:適量
ゴマ油:大1強
鰹節:2袋
白ゴマ(しぼりかす):適量
中華だし:適量
塩コショウ:適量
醤油:適量
作り方
- 間引き菜はサッと茹で、小口切りにする
- フライパンにごま油を入れ、細切りの人参とちりめんじゃこを炒める
- じゃこがカリカリになったら間引き菜・唐辛子を加え、中華だしと塩コショウで味付けする
- 鰹節・白ごまを加え、醤油をまわし入れる
②サラダ
芽が出て最初の間引き菜は、とても柔らかいのでサラダをおすすめします。よく水洗いした大根の間引き菜を盛りつけるだけと、とても簡単なレシピです。ほかにレタスやトマトを加えてもいいですね。ドレッシングは和風・中華・フレンチ、どれでもあいますよ。
材料(2人分)
- 大根の間引き菜:適量
- お好みのドレッシング:適量
作り方
- 間引き菜をよく洗う
- お皿に盛りつけ、ドレッシングをかける
野沢菜の間引き菜レシピ
①チャーハン
野沢菜の間引き菜は、油と炒めると美味しいのでチャーハンはいかがでしょうか。あっさりと塩味もいいですが、中華だしをいれて仕上げにごま油をまわし入れてもいいですよ。炒めるときには、ハムやベーコンなど入れることをおすすめします。
材料(2人分)
- 御飯:茶碗2杯
- 卵:2個
- 間引き菜:適量
- ハム:2枚
- 醤油:大さじ1
- 塩コショウ:適量
- 中華だし:適量
- ごま油:適量
- サラダ油:大さじ1
作り方
- ハムは食べやすい大きさに切り、卵は溶いておく
- フライパンでサラダ油を温め、卵を入れすぐご飯を加える
- ご飯が卵と混ざったら、ハムと間引き菜を加える
- 中華だしを入れ、塩コショウで味をととのえる
- 醤油とごま油を全体にまわし入れる
②漬物
野沢菜の間引き菜レシピのもう1品は、浅漬けです。野沢菜の間引き菜で作った漬物は、茎までやわらかくできあがります。辛いものが好きな方は、鷹の爪を入れてもいいですね。軽く塩もみをしたあと、半日ほどおけばできあがります。
材料(2~3人分)
間引き菜:100g
塩:一つまみ
鰹節:適量
作り方
- 間引き菜を2cmくらいの長さに切る
- ボールに間引き菜と塩を入れて揉む
- 半日~1日漬けておく
- 食べるときに、鰹節をふりかける
小松菜の間引き菜レシピ
①温サラダ
小松菜の間引き菜でおすすめのレシピは、あたたかいサラダのようなソテーです。ソテーはバターなどで炒めることが多いですが、オリーブオイルでサッと炒めてドレッシングをかければ温サラダのように楽しめます。お好みで、粉チーズやブラックペッパーをふりかけても美味しいですよ。
材料(2人分)
- 小松菜の間引き菜:200g
- きのこ(しめじ・えりんぎなど):適量
- スナップエンドウ:適量
- ベーコン:適量
- オリーブオイル:適量
- オリーブオイル(ドレッシング用):大さじ1
- 塩:小さじ1
- 酢:大さじ1
- 醤油:小さじ1
作り方
- 間引き菜をよく洗う
- スナップエンドウはスジをとり、茹でる
- フライパンにオリーブオイルをいれ、中火にかける
- 温まったら、間引き菜・スナップエンドウ・きのこ・ベーコンをいれる
- 少し焼きめがついてきたら、弱火で2~3分蒸し焼きにする
- オリーブオイル・塩・酢・醤油を混ぜ、ドレッシングつくる
- 皿に盛りつけ、ドレッシングをかける
②パスタ
とてもやわらかい小松菜の間引き菜は、茹でなくても生でも美味しく食べられます。生で味わうなら、パスタがおすすめです。トマトなどと一緒に盛りつければ、小松菜の香りも感じられるパスタができあがります。ソースもさっぱりしたものにして、冷製パスタにするのもおすすめです。
材料(2人分)
パスタ:2人分
トマト:1~2個
小松菜新芽又はベビーリーフ:好きなだけ
かんたん酢:大さじ2
塩こしょう:少々
ジェノバソース:小さじ2
オリーブオイル:大さじ2
作り方
- パスタは表示時間より、1~3分短く茹でる
- 間引き菜はよく洗い、トマトは小さめのざく切りにする
- ボールにトマト・かんたん酢・塩コショウ・ジェノバソースを入れ、軽く混ぜ、冷蔵庫で冷やす
- 茹で上がったパスタは冷水でしめ、水気をよくきり、冷やしたソースと混ぜあわせる
- お皿にパスタを盛り、その上に間引き菜をのせ、オリーブオイルをかける
まとめ
野菜が育つ過程では、間引くという作業が必要です。間引き作業で出る間引き菜は、調理の仕方で美味しい料理へとかわります。間引き菜のレシピは人気のものを紹介しましたが、調理の仕方や味つけを変えればもっといろいろな料理が楽しめます。間引き菜は捨てずに、アレンジレシピで美味しく食べましょう。
出典:写真AC