葉ねぎ(葉葱)とは?
葉ねぎ(葉葱)とは、青ねぎとも呼ばれているねぎの一種で、薬味などによく使われる青みの多い細いねぎです。多くの種類があり、万能ねぎや小ねぎと呼ばれるものは、葉ねぎの種類の1つです。白い部分の多い太いねぎを長ねぎ(白ねぎ/根深ねぎ)と呼び、かつて長ねぎは東日本で、葉ねぎは西日本で特によく親しまれていました。
葉ねぎの基本情報
分類 | ヒガンバナ科 ネギ属 |
生態 | 多年草 |
原産地 | 中国 |
旬の時期 | 冬 |
年間を通じて流通していますが、旬の時期は冬で、千葉県や埼玉県を中心とした東日本でよく生産されています。土を盛って日に当てないように育てる長ねぎと違い、土に浅く埋め太陽の光を当てて育てる葉ねぎは、場所をとらないため一般家庭でも育てやすく、塩害にも強いのが特徴です。
わけぎは葉ねぎの仲間?
葉ねぎによく似た野菜に「わけぎ」があります。わけぎは、葉ねぎとして販売されていることもありますが、ねぎと玉ねぎの交雑種であり、種で増えるねぎとは異なり、球根で増える、葉ねぎとは別の種類の植物です。
葉ねぎと長ねぎの食べ方の違い
長ねぎは、主に白い部分だけを食用し、先端の緑色の葉部分は捨てられることもあります。それに比べ葉ねぎは、細い緑の部分が大半で、根元から葉の先まで全体を食用することができます。どちらも、薬味や鍋の具材などとして使われますが、特に葉ねぎは、緑の鮮やかさと細い形から、色味付けや薬味として使われることが多いです。
葉ねぎの栄養成分
ねぎは栄養価が高く、昔から風邪をひいたときはねぎを食べるとよいといわれています。葉ねぎは緑黄色野菜に分類され、淡白食野菜に分類される長ねぎとは、含まれる栄養素が大きく異なります。栄養価がより高いのは、葉ねぎの方です。
葉ねぎの栄養成分と効果
葉ねぎは、体内でビタミンAに変換される方β-カロテンや、ビタミンCが豊富に含まれており、抗酸化作用による、かぜ予防や老化防止の効果が期待できます。美容効果が期待できるのも嬉しいポイントです。また、豊富に含まれるカリウムには、むくみや血圧の上昇を抑制する働きがあります。
食品成分 | 成分量 | 単位 |
β-カロテン | 1500 | μg |
カリウム | 260 | mg |
ビタミンK | 110 | μg |
葉酸 | 100 | μg |
カルシウム | 80 | mg |
リン | 40 | mg |
ビタミンC | 32 | mg |
風邪のときに食べて効果が期待できるのは葉ねぎ?長ねぎ?
葉ねぎ・長ねぎには、ともにアリシンという成分が含まれており、食べたときに感じる独特の辛味のある味とにおいはアリシンによるものです。アリシンには殺菌作用や疲労回復効果が期待できるといわれており、胃液を分泌しやすくする作用もあります。そのため、葉ねぎ・長ねぎともに、体を楽にし胃の調子を整える風邪対策の効果が期待できます。
葉ねぎの種類と特徴
葉ねぎにはさまざまな種類があり、九条ねぎや万能ねぎと呼ばれているものは葉ねぎの一種です。葉ねぎは元々西日本で親しまれてきたこともあり、西日本を中心に品種改良が行われています。使い勝手がよく栄養価も高い葉ねぎですが、長ねぎに比べると傷みやすいのが欠点です。主に全国的にスーパーなどで流通している葉ねぎの種類と、その特徴についてご説明します。
九条ねぎの特徴
京都府の九条市が特産物としている葉ねぎで、比較的緑色が濃く、太めの形をした黒種と呼ばれる種類と、黄色に近い緑色で細いシルエットの浅黄色種と呼ばれる種類があります。葉の内側に出るぬめりが最大の特徴で、ぬめりが多いのが、甘みが強い証です。現在では、京都府以外でも収穫が行われています。
小ねぎの特徴
葉ねぎを若いうちに収穫したものを小ねぎと呼びます。小ねぎの多くは、九条ねぎを品種改良して作られました。現在では、全国各地で、その土地ブランドの小ねぎが作られています。小ねぎは細ねぎとも呼ばれており、葉ねぎの中でも葉部分が特に細いため、薬味として利用されることが多いです。
万能ねぎの特徴
万能ねぎとは、品種名ではなく、福岡県の朝倉市で作られている小ねぎのブランド名で、正式名称は「博多万能ねぎ」です。長ねぎに親しんできた東日本に葉ねぎを広めたのは博多万能ねぎだといわれており、葉ねぎのことを万能ねぎとも呼ばれることがあります。傷みやすい性質をもつ葉ねぎの鮮度を保つため、空輸で全国各地に届けているのがこだわりです。
ボタニ子
次のページでは、葉ねぎの栽培方法について紹介するよ!
出典:写真AC