門松の意味や由来は?正月飾りはいつから飾る?歴史もあわせて紹介

門松の意味や由来は?正月飾りはいつから飾る?歴史もあわせて紹介

門松は、正月に欠かせない門扉の飾りです。古来、日本人にとって正月は大切な節目のひとつでした。門松の意味や由来を知るとより正月を楽しめますよ。門松をいつからいつまで飾るのか、使われている植物の意味や歴史などもあわせて見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.正月飾りに欠かせない門松
  2. 2.門松の意味や目的
  3. 3.門松に使われる植物の意味は?
  4. 4.門松の由来と歴史
  5. 5.門松の飾る時期
  6. 6.門松の処分の仕方
  7. 7.門松の意味を大切にして正月を迎えよう

門松の由来と歴史

出典:写真AC

日本の正月の伝統文化として受け継がれている門松は、長い歴史の中で姿を変えながら現代まで伝わってきました。

門松は平安時代の儀式が由来

門松の由来は、平安時代にまで遡ります。門松は、もともとは宮廷儀礼のひとつである「小松引き」という行事がはじまりでした。「小松引き」は、新しい年の最初の「子の日」に外出し、小さな松の木を引き抜く行事です。人びとは引き抜いた松の木を家に持ち帰り、長寿祈願を行いました。この儀礼が少しずつ変化し、現代に伝わる門松になったのだといわれています。

ボタニ子

ボタニ子

門松のはじまりは「松」だったのね!ところで子の日って何だろう?

ボタ爺

ボタ爺

「子・牛・寅・卯」の十二支は知ってるじゃろ?昔の人はそれを日数に当てはめて日にちを管理していたんじゃよ。

竹が使われ始めたのは鎌倉時代以降

Photo byFree-Photos

現在の門松は3本の竹をメインに飾られていますが、竹が飾られるようになった歴史は鎌倉時代以降といわれています。本来は松のみを飾っていたところ、より縁起のよさを求め、松と同じく長寿と成長、生命力の証として信仰されていた竹を飾るようになりました。

門松の飾る時期

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

正月に門松を飾ろうとしたときに、いつからいつまで飾っていいのか悩んでいる方も多いでしょう。門松を含む正月用の飾りは時期が決まっています。関東と関西では飾る時期が少しずれるため、住んでいる地域の風習にあわせて飾りましょう。

門松はいつから飾る?

フリー写真素材ぱくたそ

門松を飾り始めるのは、「正月事始め」の12月13日以降です。正月事始めとは、正月を迎える準備期間のことです。「煤(すす)払い」と呼ばれる現在の大掃除もこの時期から始めます。また、この時期を「松迎え」と呼び、門松に使うための松やおせち料理を作るための薪を集め始める日でもありました。

門松はいつまで飾る?

Photo byminami1777

門松は「松の内」までなら飾ってもよいとされています。松の内の期間は関東と関西でずれがあり、住んでいる地域によって違うため注意が必要です。

ボタ爺

ボタ爺

松の内は、正月を祝う期間のことじゃ!

関東の場合

もともと松の内は全国的に1月15日までで、20日に鏡開きを行うと決まっていました。しかし、江戸時代の徳川家光が4月20日に亡くなったことにより、毎月20日が月命日となってしまったのです。鏡開きを月命日に行うのはよくないということから、まず鏡開きの日が11日に移され、松の内も一緒にずらされることになりました。そのため、関東の場合、松の内は1月7日までとされています。

ボタニ子

ボタニ子

鏡開きってなんのこと…?

ボタ爺

ボタ爺

鏡餅を割って食べる日のことを「鏡開き」と呼ぶんじゃよ。鏡餅には年神さまが宿っているので、松の内に開くのはタブーなんじゃ

関西の場合

関西は幕府のお膝元ではなかったため、日付変更の情報が正確に伝わりませんでした。そのため、本来の日付である1月15日が松の内とされています。

門松を飾る期間

  • 関東は12月13日~1月7日まで
  • 関西は12月13日~1月15日まで

門松を飾るときのタブーは?

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門松を飾るのは、12月13日以降から年内であれば問題はありません。しかし、12月29日は「二つの苦しみ」「苦松(苦しみが待っている)」に通じるため、避けたほうがよいといわれています。また、12月31日は「一夜(いちや)飾り」といわれ、神さまをないがしろにしていると取られてしまいます。門松を飾るときは日にちに余裕をもって飾りましょう。

ボタニ子

ボタニ子

おそくても28日までには飾りましょう!

門松の処分の仕方

Photo by uka0310

正月が終わったあと、門松を処分しなければなりません。門松は神さまを迎えるための大切な依り代です。そのため、処分するときも丁重に扱う必要があります。

処分方法①どんと焼きに持ち込む

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門松の一般的な処分方法は、正月後に神社などで行われる「どんど焼き」に持ち込むことです。どんど焼きは、正月飾りなどを燃やして年神さまを送る行事のひとつで、門松の正式な処分方法といえるます。費用も無料のところがほとんどです。神社によって開催する日付が違うため、確認しておくと安心ですよ。

ボタ爺

ボタ爺

どんど焼きの正式な名前は「左義長」じゃ。地方によって「どんどん焼き」「どんと焼き」「おんべ焼き」と呼び名がさまざまじゃ!

処分方法②お清めのあとお焚き上げしてもらう

Photo by flasksrw

どんど焼きを行う神社が近場にない場合は、個別にお清めとお焚き上げを神社に頼む方法があります。現在では、火災予防や近隣住民の迷惑になる可能性を踏まえて火の使用が厳しくなっています。お焚き上げは別の土地で行っている神社もあるため、問い合わせてみてください。数百円~数千円の費用がかかる場合もあるので、あわせて確認しましょう。

処分方法③塩でお清めしてからゴミとして出す

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門松は神さまの依り代のため、本来であればゴミとして処分するのは避けるのがベターです。しかし、ままならない理由でゴミとして出すこともあるでしょう。その際は、必ず感謝の心を持って塩で清めてからゴミとして処分してください。門松の大きさによっては粗大ゴミの扱いになることもあるため、不安な場合は自治体に問い合わせましょう。

門松の意味を大切にして正月を迎えよう

出典:写真AC

門松は、新しい年を豊かで幸せに暮らしたいという人々の祈りや願いが込められた正月飾りです。使われている植物の意味や歴史を知ることで、正月に込められた祈りがもっと身近に感じられますよ。飾る時期や処分方法も確認し、よりよい正月を迎えましょう。

佐野美帆
ライター

佐野美帆

自然が好きで、よく郊外に遊びに出かけます。お茶の専門店で働いていた経験があり、紅茶を含むお茶全般とハーブの勉強をしています。また、日本文学分野での出版経験を活かし、神話や民間伝承と植物の関わりに特化した記事が得意分野です。

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