ヤブガラシとは?名前の由来や生態などの特徴をご紹介!駆除方法は?

ヤブガラシとは?名前の由来や生態などの特徴をご紹介!駆除方法は?

ヤブガラシ(藪枯)という何やらものすごいパワーワードですが、その名のとおり藪をも枯らす勢いのある植物の名称です。今回は数ある雑草の中でも、駆除が困難なことで有名なヤブガラシの名前の由来や、生態と特徴を解説するとともに、効率のよい駆除方法をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.ヤブガラシ(藪枯)とは?
  2. 2.ヤブガラシの生態と特徴
  3. 3.有用植物としてのヤブガラシ
  4. 4.ヤブガラシの駆除方法
  5. 5.まとめ

ヤブガラシ(藪枯)とは?

ヤブガラシの基本情報

Photo by Dinesh Valke

ヤブガラシ【Cayratia japonica】
別名 ビンボウカズラ(貧乏葛)ビンボウヅル(貧乏蔓)
植物分類 ブドウ科ヤブカラシ属
園芸分類 つる性多年草
分布 熱帯~東南アジア、北海道~南西諸島
草丈:花の色 つるの長さ:2~3m:緑・オレンジ(花盤)
開花時期 6~9月
耐寒暑性 耐暑性:強い 耐寒性:やや弱い

生命力にあふれるヤブガラシ

雑草としてトップクラスの生命力を持つヤブガラシは、夏の暑い時期に生育が著しいということもあり、至る所で目にする機会の多い植物です。ちなみに英語名はBush killer(茂み殺し?)鋸歯のある複葉が雑木林や人の手のあまり入らない所で大繁殖する姿には、思わずため息がもれてしまいますね。

二倍体と三倍体

ヤブガラシの生態の特徴として、種子をつける二倍体と種子をつけない三倍体の種類があります。三倍体は種子をつくるエネルギーが使われない分、植物自体が大きくなる傾向にあります。種子をつける二倍体は主に西日本に分布しており、関東以北でみられるヤブガラシの大半は種子をつけない三倍体になります。

ボタニ子

ボタニ子

三倍体ってなあに?

三倍体とは、基本的に通常であれば雌雄からもらった二つの染色体を持つ生物(二倍体)であるはずが、何らかの変異で三つの染色体を持ってしまった状態をいうんだよ。自然に起こることもあれば人為的に起こす場合もある。

ボタニ子

ボタニ子

えっと・・・具体的にはどんなのがあるの?

人為的な例としては種なしスイカやバナナがあげられるかな。三倍体に種子が出来ないのは、3という数では減数分裂ができないからだよ。だから子孫が残せないというわけ。

ボタニ子

ボタニ子

なるほど。三倍体が種子をつけないということは分かったけど…

分かったけど・・・?

ボタニ子

ボタニ子

一般的だといわれている、種子をつけない三倍体のヤブガラシが増殖していくのはどうしてなの!?

そこが謎なんだよね。やはり地下茎で増えていくとしか考えられないかなぁ

ヤブガラシ(藪枯)の名前の由来

Photo by Dinesh Valke

名は体を表す?一目瞭然の繁殖力

ヤブガラシ(藪枯)の名の由来は、その名の通り藪を覆いつくし、枯らしてしまう勢いで繁殖するところからきています。別名として「貧乏葛」「貧乏蔓」がありますが、こちらは人の手の入らない貧乏くさい場所に繁殖するという意味で名づけられています。雑草扱いとはいえ、なんとも不名誉な名前ですが、じつは昆虫たちにとってのヤブガラシは貧乏どころか大富豪な植物なんです。

昆虫とヤブガラシの関係については、次の項目でご説明します

ヤブガラシの生態と特徴

ヤブガラシの花

Photo by harum.koh

蜜の豊富な花

ヤブガラシの花は地味で小さいのですが、昆虫たちが集まってくるのには理由があります。それは蜜が豊富で吸いやすいこと。上の画像のオレンジ色のところは花盤とよばれ、虫たちが蜜を吸うのに最適な形状になっています。この花盤には葉の気孔と同じようなつくりの開口部があり、そこから蜜が大量に分泌されるのです。

Photo by Dakiny

豊富な蜜に群がる虫たち

蜜を目的にやって来るのは蟻や蝶、テントウムシ、ハエ、コガネムシと多種多様ですが、その中でも注意しなくてはならないのが蜂です。ヤブガラシの茂みの中に巣をつくることはありませんが、蜂の大好きな植物としてあげられているほどですので、いろいろな蜂が飛来してきます。ヤブガラシ駆除の際には刺されないよう十分注意してください。

ボタニ子

ボタニ子

ミツバチにオオスズメバチ、アシナガバチもくるの~!?

蜂だけでも十数種はやってくるね

ヤブガラシの葉

Photo by harum.koh

鋸歯のある5枚の複葉

ヤブガラシの葉は5枚の複葉で、特徴としては縁が鋸歯になっています。夏の暑い時期にぐんぐん勢力を拡大していくヤブガラシの葉は、あっという間にあたりの植物を覆いつくしてしまいます。複葉という形状は、自分の陣地を効率よく拡大するのには適しているのかもしれませんね。

ヤブガラシのつる

Photo by Dinesh Valke

コイル状の巻ひげ

ヤブガラシの茎は自分を支えることができないので、2~3mほどのつる性の茎から巻きひげを出し、周囲の植物にコイルのように絡まって成長していきます。とある研究によると、ヤブガラシはハダニの発生した植物には巻き付かないという結果が出ています。ヤブガラシに自分の身を守る賢さがあるとは驚きですね。

ボタニ子

ボタニ子

周囲をハダニ付きの植物で取り囲めばヤブガラシも一網打尽?

さすがにそれはどうかなー。そもそも庭の植物をハダニだらけにしたくないよね

ボタニ子

ボタニ子

うーん。なにかいい駆除方法はないものか…

ヤブガラシの種子

Photo by Dinesh Valke

西日本のみで見られる種子

二倍体の花盤のあとに見られる結実のようすです。この実はやがて黒く熟し、中に4mmほどの種が一つだけできます。西日本以南でしかみられない種子ですが、駆除対象の場合は、一刻も早く切り取ってしまいましょう。鋸歯のある複葉と黒い実の組み合わせは、切り花にするには良い素材なんですけれどね。

ボタニ子

ボタニ子

大繁殖さえしなければ、見た目は悪くない植物なんだけどね

ヤブガラシの根

ちぎれても再生する生命力

地表に近い根は細長く、簡単にちぎれてしまう頼りないで根ですが、地下50cmあたりにはこんな太い根がはびこっています。この根が少しでも地中に残っていると、ヤブガラシはそこから再生し、どんどん繁殖していきます。ヤブガラシの駆除が大変といわれるのはこの尋常でない生命力の強さからきているのでしょうね。

続いて、有用植物としてのヤブガラシをご紹介!

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